中国のEコマース市場は、間違いなく世界で一番進んでいる。そして、欧米市場よりも規模が大きい。マーケットシェアの伸びしろが少なくなり、中国でのゲームは既に終了した。中国のEコマース巨人 Alibaba(阿里巴巴)よりも、このことを理解している企業はいるだろうか? Jack Ma(馬雲)氏がオーナーである Alibaba は、次のEコマースのゴールドラッシュである東南アジアへと動き出した。
Alibaba は今日、Rocket Internet が運営する Lazada の10億ドル分の企業支配権を購入することで合意した。Lazada は、東南アジアで Alibaba の競合と目される最も成長の速いオンライン・デパートだ。同社は、洋服から家電まで、多岐にわたるプロダクトをシンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムで販売している。
発表の中で、Alibaba は5億ドル分の新規発行株式と既存株主からの株式買取をあわせ、合計10億ドルを Lazada に出資したことを明らかにしている。
また、別の発表の中で、Rocket Internet の創業者は、Lazada が現在のバリュエーションが15億ドルに上ることを明らかにしている。Rocket Internet、Tesco、Kinnevik Investment が保有株式の一部を Alibaba に売却する。
Lazada Group CEO の Max Bittner 氏は、次のようにコメントしている。
東南アジアは魅力的なモバイル主導の消費者市場だが、各国によって分散しており参入には大きな障壁がある。一方で、新しく生まれた小売市場には、大きな成長可能性がある
今回の取引は、東南アジアの5.6億人の消費者に多岐にわたるユニークな商品を提供するという、我々の目標を加速させてくれるだろう。さらに、Alibaba の持つユニークなノウハウや技術によって、我々はサービスを迅速に改善し、より手間のかからない売買体験を提供できるようになるだろう。
Alibaba が運営するマーケットプレイスの Taobao(淘宝)は、中国でトップの座にあるオンラインストアだ。Alibaba は2位の座にあるストア Tmall(天猫)も運営している。
今回の取引には、Lazada の株式残分を Alibaba が〝取引締結後12〜18ヶ月以内に適切な市場価格で〟取得する可能性も含まれる。
ベルリンを拠点とする Rocket Internet はプレスリリースの中で、今回の Aliaba による株式取得後も 8.8% の株式を保有していることを指摘している。Lazada に対する20万5,000ドルの出資は、現在15倍の評価額となっている。
Lazada はここ数年の開示されている資金調達だけで合計約7億ドルを調達しており、そのうちの主要な調達先は、Kinnevik Investment、Temasek、Tengelmann Ventures、Verlinvest、Summit Partners などだ。
本稿は執筆中の記事であるため、詳細が判明次第加筆する(パブリッシュ後に、Rocket Internet からの Max のコメントと詳細を加筆した)。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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