顧客の小型衛星を宇宙に送り出すロケットスタートアップGilmour Space Technologies、シリーズAラウンドで370万米ドル相当を資金調達

by Tech in Asia Tech in Asia on 2017.6.7

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Gilmour Space の CEO Adam Gilmour 氏と Eris rocket
Photo credit: Gilmour Space.

Gilmour Space Technologies はアジア太平洋地域において、宇宙を近い存在にするという使命を負っている。このロケットスタートアップは本日(5月30日)、370万米ドル相当のシリーズ A ラウンドを終えたと発表し、小さな一歩を踏み出した。

このラウンドをリードしたのはオーストラリアのベンチャーキャピタル企業 Blackbird Ventures。他にも500 Startups などが参加した。

シンガポールとオーストラリアで事業運営している Gilmour Space が設立されたのは2013年。2014年後半にはロケット製造プロジェクトの取り組みを始めた。設立者兼 CEO の Adam Gilmour 氏のビジョンは、マイクロ衛星を軌道に打ち上げたい中小企業を対象に、アクセスしやすく価格の手頃な打ち上げ機を提供することだった。

現在利用できる手段は高価で、さらに打ち上げ機のキャパも十分ではない。そのため自社製品を宇宙に送り出したい各社が列をなして順番待ちをしている状態だ。

1kg あたり3万~6万米ドルの打ち上げ費用、複数年もかかる順番待ちリスト、 二次的な実験装置になるという不確定要素に対処しなくてはいけません。これら全てが、新たな技術の活用を求める企業が直面する課題に重くのしかかるのです。(Gilmour 氏)

Gilmour Space は昨年、試験的な打ち上げに成功し、高度5km の地点までロケットを発射した。同社は費用を抑えつつ、性能維持のために複数の異なる燃料を使用するハイブリッドエンジン技術を採用している。さらに、3D プリントされた燃料という独自の燃料形態を開発した。

Gilmour 氏は次のように述べている。

当社が開発した複数の物質で作られる3D プリント専用燃料を使うと、これまでの数分の1のわずかな費用でロケットを打ち上げられます。このメリットを顧客にも共有する予定です。

今回新たに獲得した資金により、同社は引き続きロケットと燃料技術の開発が可能となり、現在20人いるエンジニアも増やすことができる。2018年末までに Ariel という名前のついた初の弾道ロケットを打ち上げる計画だ。より大型の発射台である Eris は2020年に地球低軌道に到達する予定。このエリアは地上160~2,000km のところにあり、ほとんどの衛星はここで地球を周回している。

その他、同社はシンガポールで3D プリントの製造技術を向上させるための政府構想「National Additive Manufacturing Innovation Cluster」からも資金を獲得しており、航空宇宙関係の3D プリントプロジェクトにおいてシンガポール工科デザイン大学(SUTD)とも協力していく予定。

世界における小型衛星業界の市場規模は2022年までに72億米ドルに達するだろうと Allied Market Research のレポートは伝えている。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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