教育分野で広がるAIの活用——パーソナライズされたサポートで学生のコース選択や入学手続きをスムーズに

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Photo by Tra Nguyen on Unsplash

<ピックアップ>How AI could help improve the education enrollment process

教育分野でのAIの適用方法については様々な試みと模索が続いているが、AIをベースにしたサービスを通じて学生に適切なコースをアドバイスする、入学手続きをスムーズに行えるようにサポートするといった取り組みも注目を集め始めているようだ。

VentureBeatの記事で紹介されていた例が興味深い。

Udacity:チャットボットスタートアップと提携してコース選択をアドバイス

一つはオンラインコースを提供する人気サイトUdacityの例だ。2012年にローンチしたUdacity は人気とともに提供する授業の数が急増。毎年16万人もの生徒がUdacityのオンラインコースに「入学」しているという。

ユーザーの増加とともにUdacityが直面した新たな問題の一つが、ユーザーが山のようにあるコースの中から、自分のスキルとそれまでの経験値にあったコースを選ぶのが難しくなってしまっている、というものだった。一方で、人的リソースと予算の面でユーザーに対して個々のカウンセリングを提供するのは難しいという状況だった。

そこで、Udacityは最近 Passage AIという会話インターフェースに特化したスタートアップと提携、この課題の解決を試みた。

Passage AIが開発した自然言語処理を用いたチャットボットを通じて、Udacityのサイトを訪問する生徒が適切なコースを見つけ簡単に入学できるようにアシストするというアイデアだ。Udacityのサイト訪問者の5%に当初テストを実施したところ、クリックスルー率が40%上昇したとPassage AI のCEO Ravi Raj氏はいう。

AIで煩雑な入学手続きにつまづいているかどうかを判断、手続きをサポート

もう一つが、AIを通じて大学の入学申し込み手続きを手助けするという事例だ。アメリカの大学の多くでは、入学申請をする際に経済援助の申し込み、高校の成績の提出、学生ローンの申し込み、授業料の支払いなど様々な手続きが必要になり、特に低収入の学生にとっては煩雑な手続きになりがちだ。

こうした問題を抱えていたジョージア州立大学は AIベースのメッセージングプラットフォーム AdmitHub と提携して、新入生候補の人々へのサポートを開始した。

入学許可手続きに必要なタスクの進捗度合いを分析して、そのユーザーが支援が必要かどうか、どこでつまづいているのかを判断。その分析結果に基づいて、Admit Hubが作る会話システム Pounce が、パーソナライズされたテキストメッセージを生成するというもの。

また、自然言語処理・生成を使って、24時間一般的な問い合わせに対してもスムーズに回答できるように。ディープラーニングのアルゴリズムを使っているため、生徒とのやりとりが増えれば増えるほどスマートになっていく。

実際、Pounceによる支援を受けた学生は、入学許可手続きに必要なタスクを完了する、その後入学する確率が高まっているという。入学前という段階から、積極的に候補生に働きかけてサポートを提供するというプロアクティブなアプローチが新しいと注目を集めている。

今回は生徒へのパーソナライズされたサポート提供の事例を紹介したが、教育分野でのテクノロジーの活用は、オンラインコースの提供、学習コンテンツのパーソナライズ化、VRの活用などなど、ポテンシャルが非常に大きく、さまざまな形で学習エクスペリエンスの向上が期待できそうだ。

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