中国最大の自動車メーカーSAIC Motor(上海汽車)、AIラボをローンチ

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Image credit moovstock / 123RF

The Paper(澎湃)によると、中国の多国籍自動車メーカー SAIC Motor(上海汽車)は、社内に AI ラボを立ち上げた模様だ。

報道によると、上海に本社を置く SAIC Motor は、AI ラボを開設する最初の国内自動車メーカーとなる。新しいラボはスマート交通、スマート生産、インテリジェントドライビングを進めるべく、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、ビジネスアプリケーションの基本3分野で、R&D と実世界 AI ソリューションに特化する見込み。SAIC Motor の AI ソリューションは、レンタルサービスや物流など、同社傘下のさまざまな事業に採用される予定だ。同社は、自動車製造の生産性向上にも AI を活用する計画をしている。

SAIC Motor の製造責任者代理 Zu Sijie 氏は、同社が成長する上で AI のイノベーティブなアプリケーションを活用する計画であると語った。

自動車産業にとって、人工知能は次の一歩になると考えています。

彼は、AI ラボが投資という観点からも、戦略的に重要な位置付けにあると付け加えた。Zu 氏はまた、SAIC Motor が AI の R&D に投じることを計画している投資額について、上限を設けていないことも公表した。

現在のところ、SAIC Motor の AI ラボは約70人のチームメンバーで構成されている。同社は研究プロジェクトに関連してアカデミアとも協業する計画で、近い将来には AI ラボと連動して、技術に特化した別会社を設立する見込みだ。AI ラボは、SAIC Motor に技術支援を提供する一方、別会社は AI 技術の商用化に特化することになる。

BAT(Baidu=百度、Alibaba=阿里巴巴、Tencent=騰訊)といった中国のインターネット大手は、AI 研究の強化を切望してきた。SAIC Motor は、中国のインターネット大手から支援を受けるのではなく、自らチームを組成すると決めた。

インターネット企業が、自動車産業に精通してもらうのは難しいとわかったんです。(Zu 氏)

AI ラボの設立は、これまで長く待たれていた。同社は2年前にクラウドコンピューティングとビッグデータ事業部門を設立しており、AI ラボへの道を切り開きつつあった。

SAIC Motor は、中国の国営自動車4大メーカーののうちの一社だ。2014年には、年間自動車生産台数450万台を超え、中国での自動車生産台数で一位となった。

【原文】

【via Technode】

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