献立提案アプリ「Recipio(レキピオ)」運営、シードラウンドで4,200万円を資金調達——CAC、UB Ventures、個人投資家数名から

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Image credit: Recipio

AI を活用した献立提案アプリ「Recipio(レキピオ)」を開発するレキピオは30日、シードラウンドのエクステンションで4,200万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)、UB Ventures、稲田雅彦氏(カブク 取締役会長)、河合聡一郎氏、芝山貴史氏、他力野淳氏(バリューマネジメント 代表取締役)、および、名前非開示の個人投資家1名。

これはレキピオにとって、昨年4月に前回シードラウンドで1,000万円を調達したのに続くものだ。今回の調達とあわせ、同社は旧社名 TADAGENIC からレキピオに社名変更したことを明らかにした。また、同社はこれまで京都市内のコワーキングスペースを中心に活動してきたが、今回、新たに東京・西麻布にビジネス開発のためのオフィス拠点を開設した。

同社では調達した資金を使って、マーケティングや人材採用の強化を図るとしている。2月以降、東京と京都でフルコミット5名体制、インターンや業務委託で関わるエンジニアを含めると総勢10名体制にまでチームを拡大する。

Image credit: Recipio

レキピオは2017年9月の設立(当時の社名は TADAGENIC)。同社代表で同志社大学学生の平塚登馬氏を筆頭に、京都大学、大阪大学など関西の学生を中心に始まったスタートアップだ。2017年のサイバーエージェント・ベンチャーズ(当時)による学生起業家向け選抜イベント「GATE」では、インフルエンサーマーケティングアプリ「TADAGENIC」で優勝。リクルートホールテディングスのアクセラレータ「TECH LAB PAAK」(昨年終了)の第11期参加を通じてサービスをピボットし、昨年、Recipio のローンチに至った。

ローンチから1年を経て UI/UX を大幅に追加・変更したようだ。以前は家にある食材と調味料を登録し、ユーザがチャットボットに好みを伝えると、AI が献立を提案してくれるというものだった。現バージョンでは、今使いたい食材をもとに献立の提案を受けられるモードを追加、家で冷蔵庫の中を見ながら献立を考えるだけでなく、例えば、仕事を持つ主婦が帰途にスーパーに立ち寄り思案する、というような使い方も可能になった。

また、以前はチャットボットにテキスト入力する形で食材を選択する必要があったが、現バージョンではアプリ上でイラスト化されたボタンを直感的にクリックするだけで済むようになった。テキスト入力する必要がないため、片手でも容易にレシピ提案を受けることが可能になった。献立がマンネリ化してしまうことを防ぎ、同じ食材であっても、普段は思いつかない新しい献立にも挑戦する機会を提供することに、バリューポジションを定めたようだ。

広義においては、この分野で競合にあたる「me:new(ミーニュー)」は、「献立の自動提案からネットスーパーへのの繋ぎ込み」でマネタイズを図る可能性があるとの推測を以前の記事でお伝えした。平塚氏は、Recipio も同じようなビジネスモデルを潜在的な収入源の一つとして捉えているとしながらも、むしろ現在は、ユニコーンになりつつあるインドのレシピ提案アプリなどを積極的にベンチマークしているとのことだった。

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