インドの現地語ニュースその他コンテンツを配信しているアプリ大手の Dailyhunt(旧名 Newshunt)は、ByteDance(字節跳動)がリードするシリーズ D ラウンドで2,500万米ドルを調達したと発表した。Vodafone 前 CEO の Arun Sarin 氏のほか既存投資家の Matrix Partners、Sequoia Capital India、Omidyar、Falcon Edge が同ラウンドに参加した。
北京を拠点とする ByteDance は以前、中国で Toutiao(今日头条)を支援。アメリカとブラジルでは TopBuzz を支援したことがある。いずれもニュースアプリで、ユーザプロファイルやアルゴリズムに基づいて個人仕様のコンテンツレコメンド情報を配信している。
ニューヨークを拠点とするヘッジファンドの Falcon Edge Capital が主導したシリーズ C ラウンドで3,750万米ドルを調達した Dailyhunt は、インドのニュースおよび e ブックアプリとして最も多く利用されており、月間アクティブユーザ数は2,800万人。その規模は、9,000万人の月間アクティブユーザ数を誇る世界的なニュースアグリゲーター Flipboard の約3分の1だ。
インド人のためのニュースアプリ

インドでは、インターネットでアクセスできる情報はたいてい英語で書かれているが、大多数のインド人は英語が読めない。この国にはヒンディー語、ベンガル語、オリヤー語、タミル語、マラヤーラム語、テルグ語、カンナダ語、マラーティー語、グジャラート語など多くの言語があり、それぞれ話者も多い。そして、多数の人が携帯電話を使ってネットに接続している。この層こそ、ユーザに関連したコンテンツをまとめて提供する Dailyhunt がターゲットとしているオーディエンスだ。
Dailyhunt の設立者で CEO の Virendra Gupta 氏は、昨年のちょうどこの時期に本社のあるバンガロールを訪れた Tech in Asia の Terence Lee 氏に対し、次のように語っていた。
今後モバイルでインターネットにアクセスする4億人もの人々は現地語を読む人です。現地の言葉で語りかけない限り、彼らはネットを利用しようとは思わないでしょう。
Dailyhunt は現在、ニュースや e ブック、雑誌、コミック、動画などを一日当たり3万5,000アイテム提供しており、ページビュー数は毎月45億件だという。
Sequoia ネットワーク
資金調達に関する声明で Virendra 氏はこう述べている。
パブリッシャー、デベロッパー、OEM、広告主その他エコシステムにいる各社との協力のおかげで Dailyhunt は成長してきました。今度は、個人仕様化やマシーンラーニングについて ByteDance から学び、ユーザにユニークな体験を引き続き提供していけるのを楽しみにしています。
ByteDance の設立者で CEO の Zhang Yiming 氏は、インドでモバイルコンテンツプラットフォームの最大手になると信じている Dailyhunt との提携を長期的な視野で捉えている。
Dailyhunt はインドのモバイルユーザに現地語でコンテンツを提供するという、これまで満たされていなかった巨大なニーズに応えています。(Yiming 氏)
Dailyhunt と ByteDance はともに Sequoia 傘下にあるが、両社を引き合わせたのも Sequoia だ。Sequoia Capital India Advisors のマネージングディレクターである Mohit Bhatnagar 氏は、次のように話している。
ByteDance は今日、世界で最も熱く急成長している企業です。Viru 氏と Yiming 氏が出会った時、お互い提携して世界最大級の人口を誇る国で個人仕様のコンテンツを配信するチャンスをすぐさま見出しました。今後の取り組みが実に楽しみです。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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