仮想通貨取引所のBinance(幣安)、中国の仮想通貨特化メディア「Mars Finance(火星財経)」に出資——Mars Financeの評価額は2億米ドルに

SHARE:
Image credit: dennizn / 123RF

マルタに拠点を置く仮想通貨取引所 Binance(幣安)は、中国の仮想通貨メディア「Mars Finance(火星財経)」に投資を行った。投資額は公開されていないが、Mars Finance の企業価値は2億米ドルに達した。

重要視すべき理由:今回の投資は Binance にとって中国国内初の戦略的投資となる。Mars Finance と同社のブロックチェーンデータによって、Binance はアジアにおける規模拡大に必要なリソースを手に入れることになる。Binance は世界中へのサービス拡大を目指している。

  • Binance は18日、アメリカ支社の営業を開始した。最近では他にもシンガポール、香港、イギリスに支社を開設した。
  • デジタル資産の取り締まりが強化される中、中国は2017年に大半の仮想通貨取引所を排除した。元々中国で設立された Binance は、地中海の島国であるマルタに腰を落ち着かせるまで数度の移転を繰り返していた。
  • 規制が強化される中でも、仮想通貨市場への関心は依然として高い。最近では、中国とアメリカの貿易戦争がある中でも、中国人投資家からの需要増加を受けて利益を上げている仮想通貨企業もあるようだ。

Binance の CEO Zhao Changpeng (趙長鵬)氏は、ブロックチェーンメディア「CoinDesk」とのインタビューで次のように語っている。

ブロックチェーン業界の成長を後押しするような、データやニュース、調査を専門とする企業に私たちは多大な敬意を払っています。仮想通貨を主流へと押し上げ、さらに普及させて使いやすくし、持続可能な形で業界を成長させるというミッションのために、引き続き戦略的投資の機会を追求していきます。

詳細情報:今回の投資ラウンドに参加したその他の主要投資家には、アーリーステージ向けベンチャーキャピタル企業 Ceyuan Ventures(策源創投)、クリプトマイナー Bitmain(比特大陸)の共同設立者 Wu Jihan(呉忌寒)氏が設立したデジタル資産企業 Matrixport などが名を連ねている。

  • Mars Finance によると、同社は検索トラフィックベースでは中国で最も影響力のある仮想通貨報道機関だという。設立者の Wang Feng(王峰)氏によると、Mars Finance が1日に扱うブロックチェーン業界関連の情報は1万件近くになるという。同社のユーザ数は300万人を超える。

背景:北京を拠点を置く Mars Finance は昨年設立されたばかりだ。これまでに2回の投資ラウンドを行い、IDG Capital、さらに OKCoin(此特幣)と Huobi(火幣)という2つの大手中国系仮想通貨取引所の投資部門から支援を受けている。

  • 人気を集めているアメリカのブロックチェーンメディア CoinDesk のライバルである Mars Finance には英語版サイトがあるが、ここ数ヶ月更新されていない。
  • Binanceは 自社の戦略的投資部門 Binance Launchpad を通じて2018年にアメリカやオーストラリア、その他の地域に投資を行っている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する