オーガニック大麻の「Future State Brands」が2500万ドル調達ーー合法マリファナに与えるブランドの価値

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ピックアップFuture State Brands: Going Mainstream For High End Cannabis

ニュースサマリー:マリファナeCommerse企業の「Future State Brands」は23日、プライベートエクイティーラウンドにて2500万ドルを調達したと発表した。Cresco Capitalがこのラウンドをリードした。

同社は自社にてマリファナ製品のブランドを立ち上げ、販売するスタートアップ。マリファナを効能によって製品をカテゴライズし、美容特化の「Hempathy」、機能性ドリンク「Ceeby Dee’s」、ウェアラブル型の「The Oatch Co.」などのブランドを抱える。同社は主に、マリファナが法的に認められているカリフォルニアにて販売・研究をしている。

話題のポイントCB Insightの調査によれば、マリファナに関連するスタートアップ・ビジネスの話題は特に2017年終盤から増加傾向にあることがわかります。また、同年5月時点で「マリファナスタートアップ」が総額13億ドルを調達済みということで、昨年の同時期における調達額は5億6900万ドルですから、約2倍もの資金を同領域へ呼び込んだということになります。

今回ご紹介する「Future State Brands」が提供するマリファナ製品は従来のイメージとは程遠い「マリファナ」のブランディングを進めています。上述した「The Oatch Co.」というブランドは、吸引型でも飲食型でもなくシール型。シールのように体に張り付けることでマリファナの成分「CBD(カンナビジオール)」が体内へ吸収されていく仕組みです。

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同社の公式サイトでも述べられていましたが、同製品はデザインにもこだわりをもって作られており、従来の「危険」なイメージからアクセサリーの一部として利用されることも想定しているようです(同社サイトでは “you will not only feel good on the inside, you’ll look great on the outside.”と表現)。

私が住んでいるワシントン州シアトルも、嗜好用マリファナは合法なため町のあらゆるところにマリファナ販売店が見られます。しかし、CNBCの記事にもあるようにマリファナ購入に関わる税金は非常に高く設定してあるため、これを避けたい消費者は非合法な店舗・業者から購入してしまうという問題を抱えることになりました。こういったことが頻繁に起きているため、どうしても「マリファナ=ダークマーケット」という印象がぬぐえない原因にもなっているのかと思います。

Future State Brandsが提供するマリファナがブランドを確立し、パッケージなどのアイキャッチが浸透すれば、こういった違法性のある商品に一定の影響を与えることになるでしょう。この辺りはお酒やタバコといった嗜好品に与えるブランドの効果と同様です。

あと、The Oatch Co.の原料になっている麻のCBDという成分は日本でも合法とされていて、海外のCBD製品を取り扱うブランドが日本にてポップストアを出したりしています。

マリファナや大麻というと違法のイメージが先行しますが、十把一絡げに認識せず、ここにあるニーズを見極めれば日本でもブランドを立ち上げるチャンスはあるのではないでしょうか。

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