AmazonからMSへ電撃移籍、ゲームストリーマーShroudが「Mixer」で独占配信へ

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Image Credit: Twitter

ピックアップ:Twitch megastar Shroud is joining Ninja on Mixer as an exclusive streamer

ニュースサマリ:世界で最も有名なゲームストリーマーの一人であるShroud(シュラウド)が、Amazon傘下のストリーミングプラットフォーム「Twitch」を離れ、Microsoftが所有する「Mixer」で独占配信することを発表した。

今年8月に同じくTwitchのスターであったNinja(ニンジャ)がMixerと専属契約を結んだことを発表し、ストリーミング業界に衝撃を与えたニュースは聞くに新しい。著名ゲーマー2人の移籍はファンにとっても、業界にとっても衝撃を与えるだろう。

話題のポイント:e-sportsやストリーミング業界に少しでも関わりがある人なら誰でも知っているShroud。プロゲーマー達も彼の一挙手一投足に注目し、新作ゲームに対する彼の評価は大きな影響力を持ちます。

現在ストリーミングプラットフォームはTwitch(Amazon)、YouTube Gaming Live(Google)、Mixer(Microsoft)、Facebook Gamingの4つが市場シェアの大半を占めています。Twitchが業界をリードしており、視聴時間で比較すると業界2位のYouTube Gaming Liveに38倍の圧倒的な差をつけています。(ちなみにMixerの283倍)

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Image Credit:Streamlabs & Newzoo Q3 2019 Live Streaming Industry Report

Shroudは業界をリードするTwitchで第2位のフォロワー700万人を超えるトップストリーマー。その彼が業界3位を争うMixerに移籍したのです。大胆に例えると、日本でYouTube登録者数第2位のヒカキンがニコニコ動画にだけ動画を上げることを宣言したのに匹敵する衝撃です。ちなみにNinjaもTwitchでフォロワー1,400万人を超えるトップストリーマーでした。

今回はShroudのMixer移籍がストリーミングプラットフォームにどのような影響を与えるのか、2カ月早く移籍しているNinjaの例から考えようと思います。

SteaLabsとNewzooの業界レポートによると、Ninjaが加入した8月以降、Mixerのストリーミングプラットフォーム主要指標は第2四半期比で、総視聴時間は10.6%減の902万時間、総ストリーミング時間は288%増の326万時間、ユニークチャンネルは200%増の300万でした。

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Image Credit:Streamlabs & Newzoo Q3 2019 Live Streaming Industry Report

総視聴時間が減少している点に言及すると、メガヒットゲーム「Fortnite」に世界中が飽き始めていることが原因だと思われます。現在でも最も視聴されているコンテンツであることに間違いありませんが、全盛期に比べると40%ほど視聴時間が減っています。

Ninjaは「Fortnite」で絶大な人気を手に入れたプレイヤーです。Ninjaによるストリーミングのほぼすべてを占める「Fortnite」の人気に陰りが出たことが活躍の足かせになっていることは自明でしょう。

しかし、この傾向は移籍前から出ていました。Ninjaチャンネルの有料登録者数は2018年3月時点で25万人いたのに対し、2019年7月時点で1万5,000人と約6%にまで急激に落ち込んでいます。つまりMixerがNinjaに移籍金をわざわざ払って引き抜いた目的は視聴時間の増加ではなく、ストリーマー数の増加が目的と推測されます。

一般的にストリーミング拠点を複数持つ人は少なく、ユーザーにお試しで使ってもらえるだけで一定数のユーザーがMixerに定着する自信が合ったのでないでしょうか。言い換えれば広告塔としての役割を持ってもらうだけで十分な費用対効果があるという算段であったと感じます。

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Shroud のTwitterを引用

Mixerの引き抜き戦略を考えるとShroudの移籍もストリーマ増加が目的でしょう。ただしNinjaとは違い、視聴時間の増加も大いに期待ができます。

Shroudの特筆べき特徴は「配信回数の多さ」「人気がゲームタイトルに依存しない」の2点です。Ninjaが1カ月に約15日ストリーミングを行うのに対して、Shroudは約25回です。そのほとんどで7〜12時間のストリーミングを行います。また、FPSを軸に「PUBG」「Apex Legends」「CoD」など多様なゲームをプレイし、どのゲームに対しても2万人程度の視聴者を集めています。つまり、ゲームタイトルの流行り廃りの波を乗りこなしてくことができるわけです。

最近の二人のストリーミング状況を参考に、今後のMixerでの活動実績を予想してみます。Ninjaの基本スペックを「視聴者数:1万人、視聴時間:6時間、視聴回数:15回 / 月」と仮定すると月の総視聴時間は90万時間。Shroudを「視聴者数:2万人、視聴時間:6時間、視聴回数:25回 / 月」と仮定すると月の総視聴時間は300万時間になります。およそ33倍となり、ShroudだけでMixer全体の1/3程度の視聴時間を生み出す計算になります。

もちろん既存Twitchユーザーにとってはスイッチコストがあるため上記ほどの差は生まれないと思います。しかし、「配信回数の多さ」「人気がゲームタイトルに依存しない」の2点が続くとすればMixerの躍進に貢献することは間違いないでしょう。Ninjyaがユーザーのアテンションを惹きつける役割を果たし、Shroudが継続利用するフックとして機能する形になると感じます。

タレントの人気を生み出すことで成長したライブストリーミング業界。まだ黎明期の業界を牽引してさらなる成長を生み出すのは誰になるのか、GAFAMのうち4社(Google VS Amazon VS Facebook VS Microsoft )がしのぎを削る戦いにこれからも目が離せません。

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