元リーマンの日本人が創業「Alpaca」が挑戦する資産管理APIの可能性

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Image Credit: Alpaca

ピックアップ:Alpaca nabs $6M for stocks API so anyone can build a Robinhood

ニュースサマリー:オンライン株式投資ツール構築を支援する「Alpaca」は11月9日、シリーズAラウンドにて、Y combinatorやSpark Capitalらを含む10の投資家から合計600万ドルを調達した。同社の創業は2015年、累計調達額は約1,200万ドルに及んでいる。

Alpacaが提供するのは、誰でもRobinhoodのようなオンライン株式投資アプリケーションを構築できるAPI。同APIを利用することで開発者らは簡単にオンライン投資仲介サービスをユーザーへ提供することができる。

収益は利用企業・開発者らから手数料を徴収するのではなく、取引から生じる決済手数料やデポジットやマージンレンディングの金利から徴収するモデルを採用している。

話題のポイント:Alpacaの取締役会員(ボードメンバー)には3人の日本人がおり、CEOである横川毅氏は2008年の金融危機で倒産した「リーマン・ブラザーズ」に3年勤務していた経歴を持つ人物です。その後、約3年のトレーダー経験を経て起業して現職に至ります。

横川氏は起業当初、銀行や海外の証券取引所の投資ファンド向けにディープ・ラーニングAIを販売する事業を運営していました。しかし、顧客が新しい技術導入に苦戦する姿を見て、開発者向けツールの不足に課題を感じてピボットを決意します。こうしてアルパカがローンチされたのは2018年のことです。

Alpacaのデベロッパー・ツールを参照しながらコードを貼り付けることで、簡単にオンライン株式投資アプリケーションを利用できるプロダクトの提供を開始しました。現在は様々な国のデベロッパーや小規模ファンドに利用されているそうです。

一方でRobinhoodが既に扱っている資産管理や暗号通貨、セキュリティトークンの提供に至るまで、フィンテックの変化に遅れずについていけるかという懸念点があります。TechCrunchの取材に対し、同氏は上記の問題に対し以下のように回答しています。

もちろん将来的に全ての機能をカバーする予定はあります。しかし適切なタイミングでそれを実行する必要がありますその点は慎重に行います

Alpacaは米国の株式投資市場に日本のみならず世界からアクセスを可能にする未来を目指しているそうです。米国サンフランシスコを拠点にフィンテック・サービスを展開する日本人によるスタートアップは未だ少なく、同社の今後の成長に期待が高まります。

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