AnyMind Group、インド発の動画広告プラットフォーム「POKKT」を買収——インド・中東向け事業を強化

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Image credit: Pokkt

日本やアジア各国で AI を活用したマーケティングソリューションなどを提供する AnyMind Group(以下、AnyMind と略す)は18日、インドを拠点とする動画広告プラットフォーム「POKKT」を完全買収したと発表した。

POKKT はこれまでに750万米ドルを資金調達しており、2014年に実施した250万米調達のシリーズ A ラウンドには AnyMind の投資家でもある JAFCO Asia が参加、2015年に実施した500万米ドル調達のシリーズ B ラウンドには木村新司氏も参画している。バリュエーションおよび買収額は開示されていないが、AnyMind や POKKT の過去調達額から数千万米ドルと推定される。

今回の買収により、AnyMind の社内体制も変更になる。POKKT の CEO兼共同創業者 だった Rohit Sharma 氏は AnyMind の COO に就任、これまで COO だった小堤音彦氏は、新設するポスト CCO(Chief Commercial Officer)に就任し、MarketingTech 事業を牽引する。POKKT の COO 兼共同創業者 だった Vaibhav Odhekar 氏は、AnyMind の中東・インド担当マネージングディレクターに就任する。

Image credit: AnyMind Group

POKKT は2012年に創業。8カ国(インド、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ドバイ)で、ブランド広告主向けにモバイル動画広告プラットフォームを展開している。グローバルの1,000を超える大手ゲームアプリやパブリッシャーと連携し、同地域におけるモバイルゲームオーディエンスの90%、約5億人にリーチが可能。主要顧客には、Unilever、P&G、Samsung、Amazon、Sony、Nissan、CocaCola などがいる。

POKKT の日本と台湾市場における営業展開については、アドウェイズが独占販売契約を保有していたが、AnyMind による POKKT の買収後は、アドウェイズとの独占契約が解消され、主要代理店の一つとして取引が継続される。

AnyMind は(バーティカル的にも、地理的にも)事業拡大にあたり、スタートアップの買収に積極的だ。2019年3月にはタイの MCN(マルチチャンネルネットワーク)大手 Moindy Digital を買収、2018年には香港のパブリッシャートレーディングデスク企業 Acqua Media を買収している。

AnyMind はマイクロアドの東南アジア各国の現地法人 CEO を務めた 十河宏輔(そごう・こうすけ)氏と、マイクロアドのベトナム現地法人の COO を務めた⼩堤⾳彦(こづつみ・おとひこ)氏らにより2016年に設立(当時、AdAsia Holdings)。現在、東南アジアの11市場13拠点に展開しており、20国籍650人以上の社員が勤務している。今回の買収により、POKKT の持つインドの3拠点(ムンバイ、デリー、バンガロール)とアラブ首長国連邦(UAE)の1拠点(ドバイ)が AnyMind の拠点に加わり、AnyMind の事業展開国は13ヵ国・地域の17拠点体制となる。

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