スーパーをアプリ化する「Stailer」運営の10Xが3億円調達ーーイトーヨーカドーが採用

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Stailer / 10X

献立から食材を注文できる「タベリー」などを開発・運営する10Xは5月27日、第三者割当増資の実施を公表している。出資したのはDCM Ventures、ANRI、個人投資家で、調達した資金総額は3億円。個人出資者の氏名や出資比率などの詳細は公開していない。2017年の創業からの増資額は6億1000万円。

また、同社はこれにあわせて小売・流通事業者向けのネットスーパー立ち上げサービス「Stailer(ステイラー)」の提供開始も伝えている。イトーヨーカドーが導入済みで、今回増資した資金でStailerの導入を促進させる。10X代表取締役の矢本真丈氏は、サービス立ち上げの背景をこのようにコメントしている。

「自分もいちユーザーとして、ネットスーパーの利便性には向上の余地が大きいと感じていました。また新型コロナ感染拡大の影響から需要が急拡大しており、社会インフラとしての要求が日に日に高まっている状況です。この事業を通じて家庭と小売事業者双方の課題を解決し、今年度中に大手スーパー10社への導入を目指し、Stailerを通じて日本のネットスーパーのスタンダードを向上していきたいです」。

Stailerは個別の開発が最小限に留められるネットスーパー立ち上げサービス。開発に必要なAPIやデータベース、消費者向けのアプリ、分析ツールから運用までをセットにしたもので、これからネット化を進めたい小売事業者の初期開発コストや運用の手間を削減する効果がある。利用料金については事業者によって変動するため非公開だが、月額費用とレベニューシェアのモデルになっている。

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Stailerを導入しているイトーヨーカドー

なお既存でネットスーパーを展開している事業者については、既存システムを置き換えるAPIやデータベースを提供し、サービス側で統合してくれる。また、これにより取得できるデータを分析したりCRM(顧客管理)ツール等で利用しやすくなるため、マーケティング活動などの促進も期待できるとしている。運用についても、小売流通業ではデジタル化に対応した人材が不足している背景もあり、10Xがその代行まで手掛ける。

「Stailerの小売事業者にとっての最大のメリットは「(開発も運用も分析も)すべて手離れが良い」という点です。そのため、Stailerの管理画面やデータ分析のダッシュボードはあるものの、基本的に運用はすべて10Xが担います。既存のネットスーパーの管理画面からそのまま運用していただければ、アプリ側へもデータが同期されます」。

消費者向けのアプリについては、注文履歴やマイリストなどの機能に加え、自動で毎日の献立が提案されるサービスも提供される。

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