NFTマーケットプレイス、関連スタートアップが続々とユニコーンに【Canvas 7月号(前半)】

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NFTマーケットプレイス、関連スタートアップが続々とユニコーンに

今月の話題(7月1日〜31日):香港のブロックチェーンゲーム・ユニコーンAnimoca Brands、5,000万米ドルを調達【Bloomberg報道】創業わずか4年で15億ドル評価のユニコーン入りーーWeb3.0を実現するNFTマーケット「OpenSea」とは?(1/2)岩瀬大輔氏ら、NFTプラットフォーム「KLKTN(コレクション)」をローンチ——BEENOSらから400万米ドルを調達

今月は、さまざまな NFT スタートアップが資金調達しました。まず、NFT マーケットプレイスとして名高い「OpenSea」が資金調達を機にユニコーンに。そして、すでにユニコーンとなっている、こちらも NFT 事業を手掛けたり、NFT 関連スタートアップにも出資する香港の Animoca Brands が IPO を前に5,000万米ドルを調達しました。

ライフネット生命保険の共同創業者として知られ、最近では、香港を拠点にスタートアップへの出資などを行っている岩瀬大輔氏も、アジアの音楽、アニメ、カルチャーを扱う NFT プラットフォームを立ち上げました。仮想通貨が世の中に現れた時と同様、今後、さまざまな分野別のバーティカル NFT マーケットプレイスが世界中で乱立することになるでしょう。

「OpenSea」
Image credit: OpenSea
  • OpenSea は2017年の創業からたった4年でユニコーン入りです。今年1月には800万米ドルだった販売量が、6月には6,000万米ドル相当と上半期だけで45倍にも増加しました。当初の Ethereum 以外にも対応するブロックチェーンを拡大、より多くのユーザに門戸を開放することで売上増加を狙います。
  • NFT やその根底にあるブロックチェーン技術は、特別な仕掛けをしないと信頼した相手と信頼できる情報をやり取りできないインターネット空間において、お互いを信用し合え、ある種の性善説に則って取引やコミュニケーションが取れる Web 3.0 を実現する上で欠かせられないものです。こうした NFT スタートアップは、少なからず Web 3.0 実現に向けた事業拡大を標榜しています。
  • アジアからも、Animoca Brands が出資するメタバース/ NFT ゲーム「Axie Infinity」が人気を集めています。広告やコマースが関与しなくても、メタバースの中で売上が発生したり、NFT が価値を持つようになったり、バーチャルの中から稼ぎを生み出せるようなったりしているのは、これまでのインターネットと比べ大きな変化です。新たな経済圏が生まれることが期待されます。

今月の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

「FUNDBOARD」「株主総会クラウド」運営のケップル、4.7億円を調達(7月14日)

  • ケップルは、三井住友信託銀行の CVC「SuMi TRUST イノベーションファンド」、SBI インベストメント、SMBC ベンチャーキャピタル、ストライク、辻・本郷ビジネスコンサルティングから資金調達したことを明らかにした。「SuMi TRUST イノベーションファンド」からの調達は、今年1月の資本業務提携時に続くものとなる。

エアコンスマート化と次世代HEMS開発のNature、環境エネルギー投資と大和企業投資から7.5億円を調達——電力小売にも参入(7月14日)

  • Nature は、環境エネルギー投資と大和企業投資から7.5億円を調達したと発表した。同社にとっては、2019年8月に調達した環境エネルギー投資と DeNA(その後。Delight Ventures に移管)からの5億円の調達(シリーズ B 相当と推定)、2018年2月に実施した大和企業投資からの1億円の調達に続くものとなる。今回の調達ラウンドは不明。

デジタル療法の機器・アプリ開発Save Medical、BIGとSpiral Capitalから資金調達(7月14日)

  • Save Medical は、Bonds Investment Group(BIG)と Spiral Capital から資金調達したと発表した。調達金額は明らかにしていない。同社は2018年11月にシードラウンドでマクニカから1億円、2020年1月にマクニカ、電源開発、FFG ベンチャービジネスパートナーズ、三菱 UFJ キャピタルから調達額非開示の調達を行っており、今回で3度目の資金調達となる。

顧客紹介マッチング「Saleshub」運営、シリーズAで1億円を調達——企業側から紹介者にアプローチできるマッチング機能を正式導入(7月14日)

  • Saleshub は、シリーズ A ラウンドで1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンドと SMBC ベンチャーキャピタル。これは Saleshub にとって、2017年9月に実施したインキュベイトファンドからの8,000万円の調達に続くものだ。本ラウンドを含めた累積調達額は約2.5億円。

東大医学部発・睡眠テックのACCELStars、個人投資家複数から3.3億円を調達(7月14日)

  • ACCELStars は、6月末までにエンジェル投資家複数から約3,300万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、木村真也氏 (JMDC 創業者)、鍵本忠尚氏 (ヘリオス代表取締役社長)、梅田裕真氏 (メディカルノート代表取締役 CEO)鈴木達哉氏 (ギフティ代表取締役)、見満周宜氏 (Yosemite 合同会社代表社員) ほか、複数の名前非開示の個人投資家。

東北大発ElevationSpace、3,000万円をプレシード調達——ISSに代わる宇宙環境利用プラットフォーム開発(7月13日)

  • ElevationSpace は、プレシードラウンドで3,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、MAKOTO キャピタル、中島田鉄工所、日ノ樹、エンライズコーポレーション、鈴木健吾氏(ユーグレナ執行役員)、丸幸弘氏(リバネス グループ CEO)、坂本達夫氏(Smartly.io 日本事業責任者)、高野秀敏氏(キープレイヤーズ CEO)。補助金を含めた同社の累積調達額は4,000万円に達した。

「お金の健康診断」運営の400F、Skyland Venturesから1.6億円を調達(7月13日)

スマホで社債投資できるSiiibo証券、STRIVEと千葉道場らが出資(7月13日)

  • Siiibo証券は、第三者割当増資の実施を公表している。引受先になったのはSTRIVEと千葉道場ファンド、個人投資家(氏名非公開)。金額や払込日などの詳細は開示していない。千葉道場ファンドは昨年2月に実施したシリーズAラウンド(2.2億円)に続いてのフォローオンとなる。

心のセルフケアサービス「Awarefy(アウェアファイ)」がシードでANRIから1億円調達(7月12日)

  • Hakaliは、ANRIを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達した資金は1億円でラウンドはシード。払込日などの詳細は開示していない。調達した資金でプロダクト開発、マーケティングなどに関わる体制強化を進める。

実践型入社試験SaaSで選考プロセスを効率化する「Worksamples」運営、HIRAC FUNDからシード資金を調達(7月9日)

  • HRport はシードラウンドで HIRAC FUND から資金調達したことを明らかにした。調達額は明らかにされていない。HRport にとっては2019年10月に実施したプレシードラウンドに続くものだ。

ノーコードでWebやアプリのテストを自動化「Magic Pod」、シリーズAで3億円を調達——STRIVE、Angel Bridgeから(7月7日)

  • TRIDENT は、シリーズ A ラウンドで3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには、STRIVE と Angel Bridge が参加した。同社にとっては、2018年8月に実施したインキュベイトファンドからの1,000万円の調達、2020年4月に実施したインキュベイトファンドと、ソフトウェアテスト大手ベリサーブからの5,000万円の調達に続くものだ。

モノの貸し借りマッチングアプリ「Alice.style」運営、新生銀行やSBIから22億円を調達【日経報道】(7月6日)

  • ピーステックラボが、新生銀行や SBI グループなど十数社から約22億円を調達した。同社はこれまでに、NN コーポレートキャピタル、加賀電子、 イノベーション・エンジン、HTG、リコーリース、アスクルなどから調達していることが明らかになっている。

個人向け銀行ローンマッチング「クラウドローン」運営、プレシリーズAで1.56億円を調達——オリコと提携、複数銀行横断で事前一括審査が可能に(7月1日)

  • クラウドローンは、プレシリーズ A ラウンドでで1.56億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジェネシア・ベンチャーズとLAUNCHPAD FUND(Headline Asia による運営)。これは同社にとって、2019年11月に実施したバンク創業者の光本勇介氏、上場フィンテック企業役員などエンジェル投資家複数からの資金調達に続くものだ。

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