今年は何が流行るのか、2013年のアジアのモバイル広告トレンド予測

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【原文】

Vikas Gulati氏は東南アジアにおけるVserv.mobiの事業展開を指揮している。彼はシンガポールに拠点を置き、開発、出版、広告等、事業の重要な側面を担っている。彼のTwitterアカウントは@vikasgulati。Vservは昨年Tech in Asiaが主催したBandung Hackathonのイベントのスポンサーでもある。

消費者のモバイル利用が進むのに伴い、2013年のモバイル広告を活発化させる注目すべきトレンドを7つご紹介しよう。

1. Androidがいまだスマートフォン市場の勢いを牽引する

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毎日130万以上のアンドロイド端末が契約されており、それらのほとんどは一般消費者向けのもの。2013年、Androidユーザは10億人を突破する見通しだ。これは非常に大きな数字である。昨年8月、Windows Phone 8が鳴り物入りでローンチされ、BB10やUbuntu Mobile、Tizenといった新しいプラットフォームも出現した。

しかし、AndroidとiOSが市場を独占している状況では、今後も両者にとって有利だということは変わらない。新しいOSとプラットフォームによって少しはシェアが削られるだろうが、現在のAndroidの勢いを衰えさせるほどのものではないようだ。長期的に見れば話は別かもしれないが、少なくとも2013年は変わらないだろう。

2. モバイル広告がより賢く

急成長を遂げるアプリのエコシステムはマーケティング担当者の目を引いた。モバイルインターネットのトラフィックが世界中でブームとなり、モバイルインターネットは「デスクトップインターネット」に比べてはるかに大きく成長している。今日の広告主は自社のキャンペーンを消費者とつながりを持つよう適合させている。

巷の話題がほとんどスマートフォン広告に関することだから、まもなくマーケティング担当者らがモバイルエコシステムにテコ入れするのを見るに違いない。インターネット利用機能のある携帯電話は依然として新興市場で優勢を誇っており、広告主はより賢いキャンペーンを展開するためにモバイルの利用習慣と行動パターンの評価に時間をつぎ込まなければなるまい。

3. フリーミアムの流行:並行するアプリ内課金と広告ベースの収益

マネタイズに従来のアプリ内課金モデルを使うデベロッパーの場合、課金ユーザは全ユーザのうち、たった10%に留まっている。これからますます多くのアプリユーザが成長中のマーケットからやってくるとすると、この割合はさらに下がるだろう。新興市場ではモバイル普及率が高いものの、1人当たりのGDPは非常に低く、クレジットカード普及率はたった1桁だからだ。

多くのデベロッパーは、少額決済を電話会社の支払請求の中に含められるようにしたり、強力なモバイル広告ソリューションによって、残り90%のアプリユーザからのマネタイズに取り組むことになるだろう。2013年には、モバイル広告の試みにこうしたプレミアムアプリが加わることになる。そして、広告主たちは、アプリやゲームに課金する消費者をターゲットとすることが可能となり、ここから利益を得ることができるだろう。

4. モバイル広告のエコシステムがさらに細分化。新会社、新モデル、モバイル広告の新たなスタイルが登場

すでに従来のオンライン広告ネットワークがモバイルの世界へと事業展開しようとしている。モバイルプラットフォームが主流メディアの一部になっており、このトレンドは継続する可能性が高い。同時に、モバイル広告のトレンドに乗り遅れたネットワーク事業者がゲーム事業へと戻るチャンスをうかがっており、特に新興市場において、機会をみて収益を上げたいとしている。

昨年にはSingtelがこのような動きを見せた。2013年には、多くの企業が急速に成長するモバイル広告業界へ飛び込もうとして、さらに多くの動きや提携関係が明らかになることだろう。新しいビジネスモデルやモバイル広告のスタイルも広まっていき、さらにタブレットがモバイル端末の様々な形態の中でも重要な役割を果たすようになり、エンゲージの新たな形式が出現するだろう。これらの結果、全体として、モバイル表示広告は急激に成長することだろう!

5. 消費者のモバイル利用ライフスタイルによって、企業は広告、流通と取引を集約できるようになる

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モバイルは今日、消費者のライフスタイルに根本的な変化をもたらしており、私たちの生活、働き方、そして遊び方が変わりつつある。過去数年にわたって、企業は自社のメディア全体の中にモバイルを統合させようと試みている。

2013年、企業らはマーケティングの4つのP、すなわちProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)のためモバイルを活用することにより、この試みを次の段階へと推し進めるだろう!マーケティング担当者たちは今、消費者のモバイル使用が「プレイス・シフト」を意味していることに気づきつつある。つまり、消費者は実店舗内ではなく、モバイル端末に触れている時に購入を決めるのである。

少額決済機能と組み合わされたモバイルクーポンは高度に細分化されたオファーを出すことにより、価格設定のパラダイムに変化をもたらすのだ!ますます多くの消費者たちが購買の際、以前はオフラインで決断を下していたような場合でも、モバイル端末を利用するようになり、広告、流通と取引の間に存在する境界線が曖昧になっていくだろう。

6. モバイルで視聴する動画が流行

オンライン動画については、モバイルからの視聴者が増えていることが最近のトレンドだ。消費者はモバイル端末で動画をたくさん視聴することに慣れてきており、パブリッシャーはモバイル上の動画コンテンツの供給量を大きく増やすことだろう。

これは企業にとっても、動画広告のためのモバイルプラットフォームを活用するユニークな機会を提供することになる。オンライン動画広告の人気を考慮すると、モバイル動画広告は広告主が活動的な消費者たちをターゲットとして収益を上げるための方法として2013年、広く受け入れられるだろう。

7. モバイルパフォーマンスマーケティングが主流に

これまで、モバイル広告における取り組みの多くはリッチメディアとアプリ作成に重点が置かれていた。しかし、今ではモバイル広告が主流になり始めており、重点はパフォーマンス自体へと移行するだろう。

モバイルにおけるパフォーマンスは、あらゆるデジタルメディアと同じくかなりの範囲で測定可能である。だから広告主はリード、ユーザ獲得やその他、マーケティング予算のROIを向上させる決定的なアクションといった、反応や結果に重点を置くキャンペーンを模索していくことになるだろう。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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