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スタートアップがCTOを見つける方法、Reproに三代目・尾藤正人(BTO)氏就任

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ニュースサマリ:顧客とのエンゲージメントに特化したマーケティングプラットフォームのReproは6月7日、開発組織の責任者(CTO)に、ウノウやUUUMなどで活躍した尾藤正人氏(BTO氏)が6月1日付けで就任したことを伝えている。 尾藤氏はメルカリ創業者の山田進太郎氏が創業したウノウの初期メンバーとしてCTOを務めた後、2015年からUUUMの執行役員CTOとして上場までを牽引した人物。2020年に…

尾藤さんと平田さん

ニュースサマリ:顧客とのエンゲージメントに特化したマーケティングプラットフォームのReproは6月7日、開発組織の責任者(CTO)に、ウノウやUUUMなどで活躍した尾藤正人氏(BTO氏)が6月1日付けで就任したことを伝えている。

尾藤氏はメルカリ創業者の山田進太郎氏が創業したウノウの初期メンバーとしてCTOを務めた後、2015年からUUUMの執行役員CTOとして上場までを牽引した人物。2020年に同社を退任した後は技術顧問やエンジェル投資家として活動を続けてきた。今回のReproも顧問先のひとつとして関わり、2021年6月から執行役員CTOとして専任することとなった。

Reproはアプリを中心にユーザーのエンゲージメントを高めるためのコミュニケーションツールを提供する。現在世界66カ国にて利用実績があり、これまで累計で7,300件に導入されている。

話題のポイント:テクノロジー系のスタートアップにとって「CTO(最高技術責任者)」の存在は言うまでもなく重要なのですが、創業期からアイデアに溢れる優秀かつナイスガイな最高技術責任者がいるケースは稀です。こういった人材がスタートアップする場合のほとんどは、自身か共同で創業しますので、わざわざ約束されている条件を捨ててまで従業員として入る必要がないからです。

でも、優秀なエンジニアリングのチームがなけばそもそもテック領域でスタートアップすることは困難になります。今回のReproの件はうまくその矛盾を解決しているかもしれません。

きっかけは組織崩壊

Reproにはこれまで尾藤さんの前に2人のCTOがいました。初代が三木明さんで二代目が橋立友宏(joker)さんです。それぞれ現在もReproに在籍して別の役割を担っています。にも関わらず三代目のCTOを必要とした背景は組織崩壊がきっかけでした。

Reproは200名近くの体制になっているのですが、2019年頃から好調だったReproのセールスを拡大させるべく一気に人を採用したそうです。同社代表の平田祐介さんが成長を焦ったことが要因だったと振り返っていましたが、結果、彼がオフィスで挨拶した社員に「ところでどこの部署の方ですか?」と聞かれてようやく組織崩壊を認識するに至ります。

提供する機能が顧客の要求に合ってなかったり、新参と古参の価値観の違いなど、肥大化する組織がギクシャクしはじめ、ついに役員会の席で平田さんは経営から現場執行を掌握するよう要請を受けることになります。特に開発まわりのオーナーシップに不安があったため、当時のCTOだった橋立さんと立て直しをすべく、課題の洗い出しを実施します。

そこで出てきたのが技術組織のマネジメント、でした。

野武士のような初代・共同創業者

少し話を巻き戻します。創業期のReproをご存知の方であれば、彼らが野に放たれた野武士のような存在と聞いて納得いただけるのではないでしょうか。特に平田さんは眼光が鋭く、元コンサルの荒々しさを全面に押し出したファイティングスタイルが特徴的でした。共同創業した初代CTOの三木さんはそんな黎明期のReproを牽引した技術者です。

この時期のReproはとにかくはやくモノを作ることが最優先で、生き残ることが至上命題です。そしてReproはアプリマーケティングの分野で徐々に頭角を表すことに成功します。いわゆる市場に認められたプロダクト・マーケット・フィットの瞬間です。

しかしこの時期、喜ぶのも束の間、次の問題が発生します。スケールへの問題です。

写真左から初代で共同創業者の三木CTO、平田代表、二代目の橋立CTO、三代目となった尾藤CTO

6カ月を1カ月に変えた魔法使いの二代目(Joker)

苦労したReproがようやく日の目を見て、導入が順調に進んだある日のことです。2015年のIVS(※スタートアップのコンペティション)に登壇していた平田さんのスマホが激しくなり続けます。システムトラブルです。

Reproはそのサービスの性質上、トラフィックの大きいサービスに導入されれば、当然ながら同等の処理を走らせる必要があります。100万人が利用するアプリが導入すれば、その100万人に対してコミュニケーションが発生するからです。当時、20人ほどだったReproはそのスケールの問題に直面します。

そうです、サービスがトラフィックに耐えきれず止まってしまったのです。

アプリの稼働は待ってくれませんから、すぐに根本的な解決をする必要があります。平田さんは三木さんたちと解決策を検討しますが、スケールの問題に対応しようとすると6カ月はかかる、という絶望的な試算が出てしまいます。スタートアップにとって顧客に6カ月利用を待ってくれというのは無理ゲーです。

そこで平田さんと三木さんは意を決して、この問題を解決してくれるエンジニアを探すことにしたのです。とにかくチームのみんなにこのままではまずいので、自分たちが思う最高のエンジニアを探して欲しいと依頼します。思いつくまま、リストアップ作業を続けた結果、候補に挙がったのが二代目CTOとなる橋立(joker)さんでした。

しかし、橋立さんはエンジニアリングには興味があるものの、組織マネジメントは無理と断ります。

ただ、ここで引いたのではReproは止まったままです。平田さんたちは橋立さんに三顧の礼(詳細な条件は非公開)で頼み込み、ようやく承諾を得ることに成功します。結果、6カ月かかると試算された改修を二代目CTOは1カ月半でクリアし、Reproは倒産の難を回避することになったのです。

そして組織崩壊へ・・・(戻る)

昨年に30億円の大型調達を公表した平田さん

何もなかった時代にとにかく作った初代とスケールを支えた二代目。

Reproのエンジニアチームは代替えをしつつ、その時々の問題をクリアしてきました。三代目への代替えも次の課題に対応するものとして実施されます。ただ、今回の問題はエンジニアリングというより組織、経営の問題でもあります。そう、平田さん自身の課題にも向き合う必要があったのです。

平田さんは前述の通り、闘志を剥き出しにして戦うファイティングスタイルが特徴です。組織が少数精鋭、数十名の時期であればこういったトップ・ダウンも有効ですが、さすがに200名近くになるとそうはいきません。「どの部署でしょうか?」と社員の方に尋ねられるようになるわけです。

どうすれば自分のスタイルを変えられるのか、平田さんを変えた意外な答えが「コーチング」の体験だったそうです。詳細は割愛しますが、平田さんはコーチングを受けることで、自分が組織のボトルネックになっているということに気がついたそうです。

組織とどのように向き合うべきか、何が問題だったのかを把握しはじめた平田さんは橋立さんと共に、組織戦に強い指導者を探すようになります。方法は二代目を探した時と同様、思いつくままのリストアップ作戦です。その結果、UUUMを2020年に退職したばかりの尾藤さんたちが候補に上がった、というわけです。

スタートアップは本当に数年という短い時間で一気に成長します。経営陣はその数年という間に企業の成長に合わせて自身も変革する必要に迫られます。一方で人の成長は形式的に促せるものでも、実現できるものでもありません。

そういう意味でReproが辿ったケースは稀ではありつつ、理想的なモデルとも言えます。三代のCTOをうまくバトンタッチすることの再現性はないに等しいかもしれませんが、課題に合わせて柔軟に経営組織を変化させることができるかどうか、という視点は必要不可欠なのではないでしょうか。

現在、初代CTOを務めた三木さんはエンジニアリングスキルを活かし、エンタープライズを中心にデジタルマーケティング戦略の提案と実行を担うSolution Planning(ソリューション・プランニング)を管掌し、二代目CTOを務めた橋立さんは高い技術力を活かしChief Architect(チーフ・アーキテクト)として開発に専念するそうです。

ソーシャルメディアの「顔情報」:顔認識アルゴリズムにつきまとう偏見の疑い(3/4)

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(前回からのつづき)Kosinski氏はプロジェクトのソースコードとデータセットは公開したが、プライバシーを理由に実際の画像の提供は拒否した。そのため、この研究のバイアスや実験の不備に対する監査が不可能になってしまった。一般的に科学に再現性の問題はつきものだ。2016年に1,500人の科学者を対象に行った調査では、70%は他の科学者の実験を少なくとも1つ以上再現しようとしたが失敗したと報告されてお…

前回からのつづき)Kosinski氏はプロジェクトのソースコードとデータセットは公開したが、プライバシーを理由に実際の画像の提供は拒否した。そのため、この研究のバイアスや実験の不備に対する監査が不可能になってしまった。一般的に科学に再現性の問題はつきものだ。2016年に1,500人の科学者を対象に行った調査では、70%は他の科学者の実験を少なくとも1つ以上再現しようとしたが失敗したと報告されており、AIの分野では特に深刻だった。最近のレポートによると、自然言語処理モデルが出した回答の60〜70%がベンチマークトレーニングセットの中に埋め込まれており、モデルは単純に回答を丸暗記しているだけなことが多いとしている。

Joy Buolamwini氏、Timnit Gebru博士、Helen Raynham博士、Deborah Raji氏による画期的な研究「Gender Shades」を含めた数多くの研究およびVentureBeatの公開ベンチマークデータの独自分析からも、顔認識アルゴリズムにはさまざまな偏見の疑いがあることが示されている。混乱をまねく最たるものは、明るい色の肌を好むテクノロジーとテクニックだ。これにはセピア調フィルムから低コントラストのデジタルカメラまであらゆるものが含まれている。こうした偏見から、肌の明るい人よりも暗い人に対してアルゴリズムの処理能力が下回ることになりかねない。

顔認識システムを支える技術以上に、機械学習アルゴリズムには至るところにバイアスが浸透している。ProPublicaの調査によると、犯罪予測に使われるソフトウェアは黒人へのバイアスを示す傾向がある。別の調査によると、女性には給与の高い仕事のオンライン広告が表示されることが少ないAIによる美容コンテスト白人を好む傾向がある。タイムライン上に表示される画像を自動的にトリミングするためにTwitterが使用していたアルゴリズムでは、肌色の暗い人よりも白人の顔を表示することが選ばれた。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

10万人が利用する避妊リング「IUB Ballerine」、リプロダクティブ・ヘルスに挑戦するOCON Healthcare

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ピックアップ:Rhia Ventures Invests in OCON Healthcare’s Ballerine, the First 3D Spherical Copper Intrauterine Contraceptive 重要なポイント:Rhia Venturesは昨年の12月、イスラエルを拠点に女性向けの医療製品を開発するOCON Healthcareに出資し、米国での発売を支援す…

画像出典:OCON Healthcare 公式サイト

ピックアップ:Rhia Ventures Invests in OCON Healthcare’s Ballerine, the First 3D Spherical Copper Intrauterine Contraceptive

重要なポイント:Rhia Venturesは昨年の12月、イスラエルを拠点に女性向けの医療製品を開発するOCON Healthcareに出資し、米国での発売を支援することを発表した。同社の主力製品となるIUB Ballerineは、ホルモン剤を必要とせず、最長5年間有効な避妊リング。同社プレスリリースによると、従来のT字型の子宮内避妊器の3分の1の大きさで、簡単に挿入・取り外しができる。昨年12月までに世界30カ国で販売されており、10万人以上の女性が使用しているという。

詳細:OCON Healthcareは婦人科医のIlan Baram博士が2011年に設立。Geektimeによると、女性のための医療ソリューションを開発するのであれば、女性が先頭に立つべきという考えから、医療機器・製薬業界で20年以上の経験を持つKeren Leshem氏がCEOとして任命された。

  • Rhia VenturesマネージメントディレクターのStasia Obremskey氏によると、米国のすべての女性のため、同社ファンドRH Capital Fund IIにおいて避妊技術の革新や妊産婦の健康、リプロダクティブヘルスに焦点を当てた投資を行っているという。
  • OCON Healthcareは2020年1月に200万ドルの調達を実施しており、Pontifax VCと既存投資家のDocor VCがそのラウンドをリードした。このラウンドで同社の累計調達額は1500万ドルに到達している。

背景:CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の発表によると米国では全妊娠の約45%が意図しない妊娠であり、さらに妊産婦の死亡率は世界第55位とされている。こうした状況にもかかわらず、Rhia Venturesはリプロダクティブ・ヘルスの現状について「新しい避妊具の革新を促進するための投資はほとんど行われていません」と同社プレスリリース内で言及している。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

あらゆる人種の「妊産婦死亡率ゼロ」を目指すBabyscripts

ピックアップ:Babyscripts nabs $4M from network of health system investors ニュースサマリ:妊婦向けヘルスケアスタートアップのBabyscriptsは12月8日、400万ドルの資金調達を公表した。出資したのは米国最大級の非営利医療組織であるBanner Healthのほか、CU Healthcare Innovation Fund、Fro…

画像出典:Babyscripts 公式ウェブサイト

ピックアップ:Babyscripts nabs $4M from network of health system investors

ニュースサマリ:妊婦向けヘルスケアスタートアップのBabyscriptsは12月8日、400万ドルの資金調達を公表した。出資したのは米国最大級の非営利医療組織であるBanner Healthのほか、CU Healthcare Innovation Fund、Froedtert & the Medical College of Wisconsin health network、WellSpan Healthなどの医療組織が含まれている。今回の資金調達は2019年1月の600万ドル、2019年3月の50万ドルに続く形で、同社のこれまでの調達額は1,400万ドル以上となる。

詳細:Babyscriptsは2014年、米国ワシントンを拠点にAnish Sebastian氏が共同設立。同氏は自身が移民の息子であるというバックグラウンドを持ち、2030年までに人種や文化的背景に関わらず妊産婦の死亡率をゼロにすることを目標とし、同社を立ち上げた。

Sebastian氏はWashington Business Journalによる「2020 Minority Business Leader」の受賞者にも選出されているほか、企業としてもCB Insightsが毎年発表する「2020 Digital Health 150」に選出されている。

同社は顧客である産婦人科にIoT対応のデバイスを導入し、それを基に医師が妊産婦のリモートモニタリングを可能にするバーチャルケアプラットフォームを構築する。同社の説明によると、導入した医療機関では最大90%をバーチャルで管理することができ、医師はより迅速にリスクを検出して一部のケアを自動化することもできる。

画像出典:Babyscripts 公式ウェブサイト

共同設立者のSegura氏は健康には格差があることを指摘し、「すべての女性が当社のツールを利用して妊娠や出産中のリスク特定および医療ケアが可能になり、最終的には妊産婦の健康状態が改善されるような世界を実現したい」と語っている。

背景:2014年のCDCの発表によると、米国では5万人の妊産婦女性が健康障害に苦しみ、700人の女性が妊娠および出産中に亡くなっている。2017年には黒人女性は白人女性よりも3~4倍出産で死亡する可能性が高いという報告もあり、人種間格差やマイノリティの問題の影響が考えられる。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

鍵はモバイル、ルワンダで女性向け衛生用品ECを展開する「Kasha」

ピックアップ:African Femtech Kasha Raises $1M from Swedfund ニュースサマリト:ルワンダとケニアで女性向け健康・衛生用品のECプラットフォームを展開するKashaは10月27日、スウェーデンの開発金融機関であるSwedfundから100万米ドルの資金を調達したことを発表した。 詳細な情報:同社は2016年、元マイクロソフト社員のJoanna Bichs…

画像出典:Kasha 公式ウェブサイト

ピックアップ:African Femtech Kasha Raises $1M from Swedfund

ニュースサマリト:ルワンダとケニアで女性向け健康・衛生用品のECプラットフォームを展開するKashaは10月27日、スウェーデンの開発金融機関であるSwedfundから100万米ドルの資金を調達したことを発表した。

詳細な情報:同社は2016年、元マイクロソフト社員のJoanna Bichsel氏とAmanda Arch氏(現在は退社)によって設立。2017年のFastCompanyの取材によると、両氏はシアトルのテックシーンで目の当たりにしていた救命技術の革新が、発展途上国に届いていないことへのフラストレーションから、ルワンダに移住した。

  • Kashaは、発展途上国で当たり前になっているモバイル注文やeコマースのトレンドを活用し、女性が妊娠検査薬や避妊薬を入手できるようなプラットフォームをつくることを目的に設立された。
  • 同社はルワンダでスタートし、現在はケニアに進出。Bichsel氏が回答したtechcabalの取材によると、これまでに7万人以上の顧客にサービスを提供し、70万個以上の商品を届けている。顧客層のうち65%が低所得者であるという。一方で、男性もこのプラットフォームで買い物をしており、顧客の17%が男性だという。
  • またケニア進出以降、同社は西アフリカ市場に参入するか、東アフリカ諸国での展開を考えているという。また、東南アジアや中東にも目を向けており、グローバルな女性向けeコマース企業になることを目指している。

背景:ResearchAndMarkets.com2019年1月のレポートによると、女性用衛生用品市場は現在の310億米ドルから2026年までには620億米ドルに倍増すると予測されており、ナプキン、タンポン、月経カップなどの生理用品が最大のシェアを占めている。ルワンダでは人口の大部分が農業に従事しており、そのうちの70%は自給自足の農業で、平均世帯収入は400米ドル、一人当たりのGDPは801米ドルと小さい市場である。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

妊産婦死亡率の高い米国でマタニティケアの新しいスタンダードを作るOula

ピックアップ:Hybrid maternal health company Oula launches with seed funding round ニュースサマリ:妊婦向けのケアを提供するOulaは10月20日、シードラウンドで320万ドルの資金を調達したことを発表した。本ラウンドはCollaborative Fund が主導し、Female Founders Fund、8VC、Metrodo…

画像出典:Oula公式ウェブサイト

ピックアップ:Hybrid maternal health company Oula launches with seed funding round

ニュースサマリ:妊婦向けのケアを提供するOulaは10月20日、シードラウンドで320万ドルの資金を調達したことを発表した。本ラウンドはCollaborative Fund が主導し、Female Founders Fund、8VC、Metrodora、Kapor Capital、Rock Health、January Ventures、Great Oaksなどのベンチャーキャピタルのほか、One Medicalの創設者であるTom Lee氏、Maven Clinicの創設者兼CEOであるKate Ryder氏などの著名なヘルスケア事業者も参加した。

詳細な情報同社は2019年、Adrianne Nickerson氏とElaine Purcell氏の両者によりニューヨーク・ブルックリンにて創業。AlleyWatchの取材によると、自身らが30代で家族計画を考えた際に、出産が病院での医学的アプローチか自宅での助産師による自然分娩かの二者択一の選択肢しかない現状に疑問を抱き、それらを組み合わせてより個々の妊婦が希望するマタニティケアを提供できるようなサービスの必要性を感じたことが創業のきっかけだという。

  • 現在同社が提供するサービスは、マンハッタンにある実店舗型のクリニックとバーチャルケアサービスがある。患者は妊娠前から産後まで、対面とバーチャルを組み合わせて受けることができる。アプリも提供しており、患者は自分のマタニティケアプランのトラッキングや、提携する専門家とのメッセージ、予約の確認ができる。
  • 今回のラウンドに参加したVC・Metrodoraの設立者であるチェルシー・クリントン(ビル・クリントンとヒラリー・クリントン夫妻の長女)は、Oulaについて「女性は特に妊娠中、自分の健康管理の中心にいなければなりません。Metrodoraは、Oula Healthをサポートし、産前・産後のケアを実現するためのアプローチを提供できることを誇りに思っています」とコメントしている。
  • 今回得た資金は、2021年初頭にブルックリンにてオープン予定のクリニックの開設費用や、現在も開院中のマンハッタンのクリニックでの新たな出産オプションの追加、バーチャルケアサービスの拡充等に活用される予定だという。

背景:2019年6月のHarvard Business Reviewの記事によると、世界では出産で亡くなる女性の数が着実に減少している中、米国では妊産婦死亡率は1991年から2014年の期間において、2倍以上に上昇し続けている。この背景として、米国内での人種間の格差の問題があり、黒人女性は白人女性よりも3~4倍出産で死亡する可能性が高いという。またアメリカでは帝王切開率が30%を超え、世界保健機関(WHO)の基準である10〜15%を大きく上回っている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

低所得者層の意図しない妊娠を遠隔医療で防ぐ「Twentyeight Health」

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの…

画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care

ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにはリード投資家としてThird Primeが参加し、Town Hall Ventures、SteelSky Ventures、Aglaé Ventures、GingerBread Capital、Rucker Park Capital、Predictive VCなどのベンチャーキャピタルのほか、Stu Libby氏、Zoe Barry氏、Wan Li Zhu氏などのエンジェル投資家も参加している。同社資金調達総額は660万ドルとなった。

詳細な情報:同社は、元コンサルタントで自身も保険問題で2年間産婦人科の診療が受けられなかった経験を持つ創業者Amy Fan氏が2018年後半にニューヨークにて設立。ゲイツ財団で発展途上国の家族計画、マラリア、HIVなどの医療アクセスの改善を主導していた共同経営者・Bruno Van Tuykom氏と出会い、十分な医療サービスを受けることができない低所得者層の女性に向けた遠隔医療サービスとして設立された。

  • 同社はメディケイド(米国の低所得者に対する公的医療保険制度)加入者や保険に加入していない低所得者層の女性が、十分な医療ケアを受けられない状況を問題視している。人種や所得階層、健康保険の種別に関わらず人々を包括する質の高いリプロダクティブ・ケアを提供することをミッションとして掲げる。同社プレスリリースによると2020年には顧客基盤が5倍に拡大し、これを受けてFan氏はAlleywatchの取材において「私たちのサービスに対するニーズがあることを実感しています」とコメントしている。
  • 同社サービスへの登録は、まずオンラインで問診票に記入し、24時間以内に米国の理事会認定医師がレビューすることで完了する。顧客は100以上のFDA承認ブランドの避妊薬、パッチ、リングなどの中から適したものを1〜3営業日以内に受け取ることができる。また、継続的なケアを行うため、医師とのフォローアップのメッセージは無制限で、処方箋の更新や副作用への対処などについて相談することができる。
  • 同社サービスは現在、フロリダ州、メリーランド州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州で提供されている。今回調達した資金は、米国全土でのサービス拡大を継続するために活用されるという。
画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

背景:同社共同設立者・Tuykom氏はプレスリリースで、「今日、低所得者層の女性は米国の平均的な女性よりも3倍以上意図しない妊娠をする可能性が高く、そのうえ全国の医師の3分の1近くがメディケイドの新規患者を受け入れていない」との声明を発表している。さらにCOVID-19の大流行により対面での医療行為の予約が制限されていることも、この問題を増大させているという。日本においては、内閣府が10月8日の男女共同参画に関する専門調査会で、緊急避妊薬を処方箋なしで購入できるよう検討する方針を打ち出している。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

すべての人々のリプロダクティブ・ライツの尊重を目指す「LOOM」

ピックアップ:This doula raised $3 million to build a digital platform for reproductive education 重要なポイント:女性の健康問題に関する教育を提供するLOOMは、7月30日にシードラウンドにて300万米ドルの調達を発表した。今回調達した資金は、2020年秋に予定されているデジタルプラットフォームの拡大や、リプロダク…

画像出典:LOOM 公式サイト

ピックアップ:This doula raised $3 million to build a digital platform for reproductive education

重要なポイント:女性の健康問題に関する教育を提供するLOOMは、7月30日にシードラウンドにて300万米ドルの調達を発表した。今回調達した資金は、2020年秋に予定されているデジタルプラットフォームの拡大や、リプロダクティブ・ライツに関する新たなクラス提供に活用される予定。

詳細情報:LOOMは2016年、ドゥーラ(産前産後の女性を支える専門家)の経歴を持つErica Chidi氏と、政策提言の非営利団体Growing Voicesを共同設立したQuinn Lundberg氏によって設立された。

▲LOOMのCEO・Erica Chidi氏

  • 同社は2016年以来、ロサンゼルスを拠点としてイベントを開催し、生理や妊娠、不妊や中絶に至るまで、女性の健康問題についての教育を提供してきた。さらに同社は親になりたいと考えているLGBTQカップルに合わせたクラスも提供しており、すべてのプログラムがLGBTQフレンドリーとなっている。
  • COVID-19の影響を受け、同社はここ数カ月でほとんどのクラスをオンライン開催に移行している。同社が提供する生殖医療の知識や教育へのアクセシビリティについて、CEOのChidi氏はFast Companyの記事で下記のようにコメントしている。

人種的・経済的な格差により、人々がこうした情報にアクセスできるか否かの差別はあってはならないと考えています。私たちは100%、アクセスしやすい価格帯でクラスを市場に投入するつもりです

背景:Crunchbaseの記事によると、今回の資金調達でChidi氏はベンチャーキャピタルで100万米ドル以上を調達した35人の黒人女性創業者のうちの1人となった。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

早産を早期特定する「Pregnolia」、注目集まる“10億ドル”妊娠モニタリング市場

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ピックアップ:Pregnolia raises CHF 4.2 million to advance detection of premature births ニュースサマリ:スイスを拠点とし、早産の可能性を早い段階で特定する診断装置を開発するPregnoliaは6月25日、シリーズAラウンドでの420万スイス・フラン(約440万米ドル)の資金調達を発表した。今回得た資金は、主に診断装置の市場投…

画像出典:Pregolia 公式HPスクリーンショット

ピックアップ:Pregnolia raises CHF 4.2 million to advance detection of premature births

ニュースサマリ:スイスを拠点とし、早産の可能性を早い段階で特定する診断装置を開発するPregnoliaは6月25日、シリーズAラウンドでの420万スイス・フラン(約440万米ドル)の資金調達を発表した。今回得た資金は、主に診断装置の市場投入に向けた準備に充てられる予定で、具体的には新たな認証(CEマーク)の取得や欧州における販売網の構築、医療保険会社による保険償還の確立などが挙げられる。

詳細情報:Pregnoliaはチューリッヒ工科大学のスピンオフ企業として、女性博士のSabrina Badir氏の博士論文に端を発し2016年に設立。スイスの新興企業トップ100社の1社として、2016年から4年連続選出されている。

  • 同社は従来早産の診断で測定される子宮頸管の長さではなく、子宮頚部の硬さを瞬時に確認することで早産を特定する診断装置を開発する。同社プレスリリースによると、臨床試験のデータでは、子宮頸管の長さよりも子宮頸部の硬さを測定する方が、早産の可能性をより正確に予測できることが実証されているという。
  • CEOのSabrina Badir氏によると、今回の資金調達はコロナ禍という厳しい状況にも関わらず投資の応募が殺到したという。
  • 今回の資金調達に関する同社プレスリリースにて、Investiere Venture Capitalの投資マネージャー・Susanne Schorsch氏は妊娠モニタリングは10億米ドル規模の市場であり、同社が開発する診断装置は、既存の臨床ワークフローに導入しやすいのが特徴である、とコメントしている。

背景:2012年にWHOが発表した「Born too soon」によると、早産はほとんどの国で増加傾向にある。また2019年のWIREDの記事によると、米国で約10人に1人の赤ちゃんが早産で生まれており、さらに黒人女性は白人女性より50%以上も早産で出産する可能性が高いという。

フィナンシャル・タイムズ紙が運営する「Sifted」によると、2025年にはヨーロッパのフェムテック市場は50億米ドルに達すると予測されており、Pregnoliaは同メディアが選ぶトップフェムテック企業の1つとして選出されている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

30億調達のRepro、囲い込み時代のLTVを最大化させる「CE戦略」とは

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ニュースサマリ:マーケティングプラットフォーム「Repro」は2月13日、第三者割当増資による資金調達を公表した。調達したのは融資含めて30億円。増資を引き受けたのはYJキャピタルをリードにSBIインベストメント、NTTドコモ・ベンチャーズ、KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、DGベンチャーズ、DG Daiwa Ventures、ジャフコの7社。 融資に応じたのは…

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Repro代表取締役の平田祐介氏

ニュースサマリ:マーケティングプラットフォーム「Repro」は2月13日、第三者割当増資による資金調達を公表した。調達したのは融資含めて30億円。増資を引き受けたのはYJキャピタルをリードにSBIインベストメント、NTTドコモ・ベンチャーズ、KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、DGベンチャーズ、DG Daiwa Ventures、ジャフコの7社。

融資に応じたのはみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、商工組合中央金庫。調達ラウンドはシリーズCで、ここまでの累計調達額は約35億円となる。今回評価額や出資比率、払込日程などの詳細は非公開。

2015年にアプリマーケティングのツールとしてデビューしたReproは、その後、2018年にウェブ対応し、現在7300以上のウェブサービス・月次で5000万件のデバイスを分析する総合的なマーケティングツールに成長した。提供する国の数も66カ国に拡大し、2019年からはシンガポール拠点を開設して本格的な海外進出も開始している。

今回調達した資金はグローバルでのマーケティングおよび組織体制に投じ、今後2年で開発を200名体制に強化するほか、シンガポール以外に展開を進める海外拠点(タイ、インドネシア、ベトナム、インド)の人員も増強する。

話題のポイント:国内SaaSの成長株、Reproが大きく踏み込んできました。Repro代表取締役の平田祐介氏は界隈でもストイックな経営スタイルで知られている人物ですが、ここ2期ほどは200名体制ながら堅実経営をしすぎて黒字化してしまったそうです。

一方、早期の黒字化は小さくまとまることに繋がりかねないので「もっと踏み込むために現在は月次で数千万円ほど赤字」(平田氏)の状態で再度走り始めたとのこと。平田さん曰く、一度黒字化を経験しておけば成長の踏み込み具合が分かるのでよい、とのお話でした。

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Reproの利用効果(ウェブサイトから)

さて、Reproと言えばAIとアプリマーケティングです。

<参考記事>

グローバルで5000万件のデバイスから得られたデータは、ある特定分野(上述記事の例ではマンガアプリ)の勝ちパターンを提示し、どのタイミングでどういったユーザーとコミュニケーションすれば効果が最大化するか教えてくれます。Reproはこの効果を月額ツールだけでなく、伴走してくれるコンサルタントとセットで提供するモデルで急成長してきました。

一方、こういった「モバイルマーケティング」の世界観はやはり限定的です。国内を取り尽くしてしまうとあとは海外に広げるだけになります。もちろん東南アジア中心にそこにも戦略を張りますが、もうひとつReproは自分たちの体を大きくする仕掛けを用意してきました。

それがエンゲージメント・マーケティング領域への拡大、です。

Reproが目指す「CE(カスタマー・エンゲージメント)戦略」

今、あらゆる市場でデジタル化が進み、例えばAmazon GOのような動きに代表される通り、顧客の動きはオンラインだけでなく、オフラインについても抱合、可視化されつつあります。

ビジネスモデルも転換があります。一度買って終わりという使い捨てモデルから、サブスクリプションのように家電製品であっても「サービス」として継続的に課金する戦略に移行しつつあるのが今です。また社会全体としても、2030年に掲げられるSDGsのように持続可能な社会を目指す流れはもう不可避となっています。

企業にとって既存顧客への対応はより一層重要なものになる、ここを最大化させる戦略が「エンゲージメント・マーケティング」です。

「これまでの既存顧客対応って何かが故障してコールセンターに掛けるような『プル型』が多いと思います。CEは逆です。予め故障するかもしれないことを膨大なデータから予想し、壊れる前に『交換しますよ』っていうプッシュ型のコミュニケーションを実現する」(平田氏)。

ポイントは取得するデータ領域の拡大とAI活用です。

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ReproのCEプラットフォーム全体像(ウェブサイトから)

具体的には現在、Reproで取り扱ってきたウェブ・モバイルアプリの行動データに加え、新たなチャネルとしてオフライン(店舗POSやIoT機器)を追加することで、顧客の来店やサイト訪問、会員登録などから購入、そして再訪に至るまでのカスタマージャーニーを把握できるプラットフォームに拡大する、というわけです。

「例えば私たちの売上って座布団になっていて、新しい期が始まると7割ほどの売上が確定します。これが既存顧客に対するマネジメント(CRM)のメリットです。一方、これまでの既存顧客マーケティングは、例えばECで買い物すると不要なメールが大量に届くような“お金を払って不快な思いをさせる”非効率がありました。ここを機械学習の力で改善できるのが今です。

まだ実証実験中ですが、とある店舗ではPOSデータと連携し、お得意の顧客が購入したファッションにおすすめのアイテムを紹介するような取り組みも始まっています。新規から既存へのパラダイムシフトを起こしたい」(平田氏)。

囲い込み時代にReproがどのような体験を提供してくれるのか、また具体的な事例が出てきたら共有したいと思います。