2012年のCAMPFIREは284のプロジェクトで約9200万円を集めるーー136件が成功、最高額は約530万円

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プロジェクト資金を集める仕組みとして、国内でも認知が高まりつつあるクラウド・ファンディング。先行者である北米kickstarterが産声を上げたのが2009年4月。彼らが発表した2012年の結果によると、18,000件のプロジェクトを成功させ、約224万人から3億2000万米ドルの成約(※pledge:プロジェクトが完全に完了した際に支払われる金額)を獲得したという。

では日本では現在どういう状況なのだろうか。ーー国内のクラウド・ファンディングサービス「CAMPFIRE」を運営するハイパーインターネッツは1月21日、まとめとして2012年の結果を公開した。全体としては284件のプロジェクトで総流通額9200万円を達成、約半数にあたる136件を成功させている。

2011年はサービス開始当初ということもあり「7カ月で1800万円という実績だった」(ハイパーインターネッツ広報担当)そうなので、約半年分の期間的な開きがあるとはいえ、12カ月で9200万円は順調な成長といっていいだろう。

発表された数字を少し眺めてみると、最も多くの支援金を集めたのがiPhone写真をポラロイドにするデバイス開発プロジェクトで、268人の支援者から約530万円を集めることに成功している。また、月面探査ローバー開発プロジェクトでは支援者数で最多となる279人から230万円を集めたそうだ。

カテゴリ別では2011年に引き続き大震災を反映した【社会貢献】に続いて、ものづくり系カテゴリである【プロダクト】への掲載数が増えたことが2012年の特徴としている。

さて、数字だけを北米事例と比較するとさすがにその差は歴然だが、振り返ってアジア圏で比較すると状況は大きく変わる。現在アジアでは各国でクラウドファンディングサービスが立上がりつつある。しかしそのどれをみてもまだまだボリュームは小さい。

例えばインドネシアのWujudkan.comが映画製作プロジェクトで3億1100万インドネシアルピア(3万2,800米ドル)を集めたことを除けば、その他は最高額で数十万程度のどんぐりの背比べをしている状況だ。まだ調べきれてない新規参入者がいるだろうが、CAMPFIREはアジアでの競争には流通総額の面で十分先行していると考えてよいだろう。

ただしCAMPFIREは国内に絞った運営をしているため、そのプレゼンス(アジアメディアもここのことを知らなかったので)は限定的だ。既に他を大きく上回る実績を上げつつあるので、もしこの先マーケットを海外に拡大させるようなことがあれば、その成長はさらに加速するかもしれない。

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