Peter Yared氏は現在Saphoの設立者兼CTOで、CBS Interactiveの元CTO・CIOである。
Google、Apple、Facebook、そしてAmazonは、テック業界における4人の騎手と呼ばれている。いずれも消費者を相手としており、ドローン、さらにはOculusの買収といった新たな動きに関するニュースの話題の中心にいる大企業だ。
テックの時代が進化していくなか、Appleがずば抜けた時価総額でリードしてきた。そして、Facebookは時価総額の一番低い新参企業だった。
しかしながらここ数週間、一世を風靡した Appleの iPhone の販売がついに鈍化し、Amazonの終わりの見えない赤字がついに深刻な状況になった。その間、Facebookはウォール街の予想を超える実績を残しているほか、Googleはクリックあたり収入が減少しつつも成長を続けている。GoogleとFacebookは他社と比較して最近のテック業界にみられる停滞感をうまく切り抜けているといえる。
マクロ的に見ればもっともな話である。つまり、Googleで新たな検索をしたり、Facebookで新たな写真を見たりするのは、AppleがiPhoneを追加で販売したり、Amazonが商品を追加で売るのよりたやすいということだ。よく言われているように、GoogleとFacebookについて言えば、 ユーザであるあなたが製品なのであり、広告主はあなたの行動にお金を払っているのである。
ソフトウェア企業が収入を稼ぐのに必要な限界費用は、ハードウェア企業やコマース企業のそれよりもずっと少ない。Amazonは自社で船舶や航空機を保有することでさらに効率性を高めようとしている。Appleは絶えずサプライチェーンを最適化している。しかし、アトム企業の効率性向上はビット企業のそれに及ばない。つまり、実際はソフトウェアが世界を食べているのだ。
Benchmark社のBill Gurley氏は、 おそらくAmazonはGoogleを中抜きしたのではないかと考えている。多くの人があらゆるものを Amazonで購入するからだ。しかし映画の開演時間、レストランのレコメンデーション情報、航空機チケットその他のサービスをAmazonで探す人はいない。消費者が商品よりもサービスを選択するようなマクロ経済にあって、Googleは成長するための手元資金をかなりの程度残している。
かつてのドットコムの時代、「4人の騎手」は専ら企業を相手とするSun、 Oracle、Netscape、そしてCiscoであった。この企業はドットコムのゴールドラッシュをもたらした骨の折れる製品を売っていた。今のレースで気にしなくてはいけないダークホース的存在は、やはり企業を相手としているMicrosoftだ。同社の時価総額はGoogleやAppleに近づいている。MicrosoftはWindowsへの依存を見直し、電子メールやMicrosoft Office、Dynamicsなどデバイスから独立した加入者サービスに力点を移しているが、この戦略はかなり成功を収めている。
大きな規模でたくさんのアトムを動かし続けるのは信じられないほど困難である。GoogleやFacebookのビットは実質的に地上のしがらみにとらわれない。これに対し、AppleやAmazonのアトムはますます現実の制約を受けるようになっている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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