給与前払の「Payme(ペイミー)」、インキュベイトファンドや若手エンジェル3名から5,200万円を調達——導入企業20社を集め、β版をローンチ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.9.4

写真左から:ペイミー CEO の後藤道輝氏と CTO の森梨千子氏
Image credit: Payme

給与の即日前払サービス「Payme(ペイミー)」を提供するペイミーは4日、インキュベイトファンドと、家入一真氏、赤坂優氏、中川綾太郎氏から総額5,200万円を調達したことを明らかにした。あわせて、Payme のサービスをβローンチした。

Payme は、給与の即日前払サービスだ。一般的な企業であれば給与の支払は月に一度だけ設定されていることが多い。必要であれば労働者は雇用者に給与の前払いを求めることもできるが、経理処理の手間や職場での体面を考えると、実際に給与の前払いをお願いしたことのある人は、かなり少ないのではないだろうか。(ちなみに、まだ労働していない期間の給与を先にもらう「前借り」とは異なり、労働した日までの給与を即日でもらう「前払い」は、労働基準法25条で労働者の権利として認められている。)

Payme は、労働者がスマートフォンを使って給与の前払いを申請でき、会社に代わって申請された金額を立替払してくれるサービスだ。本来の給料日が来ると Payme は先に立替払した分の金額を会社から回収するが、面白いのは、会社側にとっても労働者側にとっても、Payme に対して立替払してもらった期間の金利が発生しない点だ。一般的な給与前払い代行サービスでは、振込手数料やシステム手数料が徴収されることが多いそうだが、Payme はフリーミアムでサービスを提供し、将来のプラットフォーム事業に向けたユーザ開拓につなげる。

短期雇用の職種では、(月払いの仕事に比べ)日払いの仕事の方が3.6倍人気があるとのデータがある。フリマアプリでの売買、クラウドファンディング、ライブストリーミングでの投げ銭などお金の流れが変化していく中、給与の世界だけは5o年間も放置されたまま。Payme が目指すのは、給与の自由化だ。(共同創業者で CEO 後藤道輝氏)

Payme の利用画面。当初はウェブアプリのみだが、将来はモバイル用のネイティヴアプリも提供される予定。
Image credit: Payme

事業の立ち上げが比較的やりやすいのも、給与前払サービスの魅力だろう。B2B2E(business-to-business-to-employee)のサービスなので、Payme は個人にブランド認知してもらうためのコストを省くことができ、ユーザ獲得で注力するのは多数の給与支払業務が発生する企業が中心になる。Payme を導入する企業にとっては、給与振込のための手数料を節約できるほか、福利厚生として社員の定着度を上げる効果も得られる。また、前述したように、金利が発生せず給与の前借りではなく前払いなので、サービスプロバイダであるペイミーにとっても貸金業登録が必須条件にならない。

Payme を立ち上げたのは、East Ventures、メルカリ、CAMPFIRE を経て、DeNA 戦略投資推進室で約1年間の勤務経験がある後藤道輝氏(CEO)と、CAMPFIRE で複数のサービスを立ち上げきたフルスタックエンジニアの森梨千子氏(CTO)だ。7月7日に会社を設立したばかりのチームだが、Payme は家事代行などのオンデマンドサービスの労賃支払やリファラル採用サービスの報酬支払に採用され、既に20社への導入が始まっている。βローンチから1ヶ月後となる10月の段階で月次流通額2,500万円、年内には第二種金融商品取引業登録を行い、月次流通額1億円を目指すとしている。

給与の前払に使われる資金は、今回投資から調達した資金が充当されるようで、ビジネスモデルから言ってデフォルトのリスクは低いが、キャッシュフローは大きなものすごいものになるだろう。事業拡大に伴って相応の資金量の確保は必至で、ペイミーはそう遠くない将来に新たな調達ラウンドを迎えることが予想される。

この分野には、フィンテックスタートアップ enigma の「enigma Pay」、Payment Technology の「前払いできるくん」、ヒューマントラストやアコムが支援する「キュリカ」など複数の競合が存在する。先ごろ、質屋アプリ「CASH」のサービスを再開した BANK も、「PayDay(ティザーサイトは公開済だが、本稿執筆時点でアクセス不可)」という給与前払サービスを準備中とされる。

ペイミーのチームメンバー
Image credit: Payme

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