このブログを頻繁にチェックしている読者ならおそらく気づいていることと思うが、Optus-Innov8のシードプログラムに選ばれたスタートアップはYork Butter Factory(以下YBFと略す)で活動している。これはメルボルンの市街地にあるコワーキングスペースだ。そしてそのスタートアップは、特別な待遇を受けることができる。
初めてその空間に足を踏み入れた時、私は「おお!」と驚いた。市内の便利な場所に位置していることは確かなのだが、この美しくデザインされたヴィンテージ感のある低層の建物は、50階建ての超高層ビルの真ん中で目立っている。実際、この建物はかつては本物のバター工場だったのだ。そこには「バター製造・乳製品販売輸出、1855年創業」と書かれあり、建てられてから158年は経過している。まるで遺跡のリストに名前が載っていそうな外観を初めて目にした時、住所を間違えたかもしれない、と思ったくらいだ。
このコワーキングスペースは意欲的な起業家たちを迎え入れるため、Adventure Capitalのパートナーたちと共同で設立、昨年の10月にオープンした。さらに、現在シードステージにある多くの可能性を秘めたメルボルンの40を超える企業、100を超える個人にとっての本拠地となっている。YBFの共同設立者、そしてAdventure CapitalのマネージングパートナーのStuart B. Richardson氏(写真右)はYBF文化の特徴について次のように語る。
「[#GSD] ・・・仕事をやり遂げるぞ!(訳者注:原文はWe Get Shit Done!、略すとGSDとなる)私たちはこれをモットーにしており、YBFのコミュニティの一部となることを選択した人々が仕事を成し遂げることを期待しています。グローバルな成功に向けてベストなショットを打ち出し、弾力性と持続力のあるビジネスを作っていくことは本当に大切なのです」。
YBFの共同設立者兼Adventure CapitalのゼネラルパートナーであるDarcy Naunton氏が2階建てのYBFの中を案内してくれたが、起業家たちが夜遅くまで仕事に没頭している様子は大変印象深かった。さらに、彼らはStartup Weekendsやハッカソン、メルボルンのSilicon Beach Drinks、そしてオーストラリアのAngel Investment NetworkやAurelius Digitalといった多数のイベントに参加したことのある顔ぶれだ。Stuartは次のように説明してくれた。
「YBFには、いつも面白い人たちやイベントが新しく絶え間なくやってきます。地元のインキュベータやアクセラレータに対するプレゼンイベントやAWS、Big Data、Clojure、Google、WordPressそしてESRI Usersといった企業のミートアップイベントなどです。
現在YBFの中で働く人々、そのOB・OG、より広範囲の企業やテクノロジーコミュニティなど、私たちがサポートする多様性に富んだコミュニティにおいて提携や協力の機会をたくさん提供できることを本当に誇りに思っています。さらに私たちは、起業家が好奇心を持った瞬間、そしてアイディアが浮かんだ時点から資金提供と価値実現を通して彼らをサポートするという「スーパーチャージされたエコシステム」を作り出しています。最も重要なことに、ここには本当に楽しいサポーターがいるのです」。
広々としたコワーキングスペースにはソファが備え付けてあり、形式張らないコラボレイティブエリアにはクールなコーヒーメーカーと冷蔵庫が置いてあり本当にリラックスできる。そしてビールも忘れてはいけない。常設のデスクは1ヶ月600ドルですべてのサービスが利用できる。一時的にデスクを利用することも可能で、1週間に1日ならば1ヶ月100ドルである。YBFの入居者になれば、サンフランシスコのStartupHQのような同様のコワーキングスペースのグローバルなネットワークへ相互にアクセスすることも可能となる。
行ってみたいと思う読者のために、下に住所を記しておく。それからいくつか写真を載せておいた。
62-66 King St
Melbourne, VIC 3000
Australia
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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