日本でTwilioが正式ローンチ、CEO曰く「ここには巨大なニーズが存在する」

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TwilioKDDI(東証:9433)の子会社との提携を初めて表明してから1年が経った今日、同社は日本市場での Twilio サービスをローンチした。このサービスを使えば、開発者はウェブ・プログラムやアプリに、音声通話、VoIP、SMS の機能を導入することができる。今回の提携により、日本の開発者は Twilio.kddi-web.com からサインアップができるようになる。

KDDI ウェブコミュニケーションズ(以下、KWC)との提携により、Twilio のウェブサイトや資料は日本市場向けにローカライズされ、開発者は日本円で料金を支払えるようになる。今日まで4ヶ月間にわたり Twilio は日本でベータ版として提供され、この間に Twilio を KWC のサービスとして利用する多くの日本ユーザを獲得しており、同社はローンチに必要な、価値あるユーザ・フィードバックを十分に得てきた。

我々はローンチ・イベントが開催された今日、Twilio の CEO Jeff Lawson と話すことができた。彼は、同社の初のアジア進出について語ってくれた。

言うまでもなく、日本というのは市場参入が難しい国だ。特にスタートアップにとってはなおさらだろう。そこで、我々は市場をよく知るパートナーと組むことにした。ソフトウェア開発の規模や、経済の大きさから言って、日本には Twilio のニーズが非常に多くあると思っている。

jeff-280x200言語のローカライズに加えて、Twilio は Amazon Web Services を使って、東京にデータセンターも構築した。

Jeff は KWC との提携関係のことを「非常によい文化のマッチングだ」と述べた。興味深いことに、KDDI は Boundio という似たサービスを立ち上げており、Twilio のやっていることを見習って API のサービスとしてスタートした。 [1] しかし、Twilio と KDDI の話し合いが進むにつれ、KWC は Twilio と対抗するのではなく、Twilio を提供する方に回ることを決意したのだ。それにもかかわらず、KWC のイニシアティブが非常に印象的だったと Jeff は話してくれた。

何より好感が持てたのは、彼らが常に将来を考えていることだった。彼らは行動を起こす人々だ。プロダクトを作り、それを世に出した。通信キャリアにとっては、それは容易なことではないだろう。往々にして通信キャリアは行動が遅いからだ。しかし、KWC は KDDI グループにおけるスタートアップと言ってもよいだろう。我々は彼らのビジョンが、我々と同じ方向を向いていると確信した。彼らのAPI、開発者、エコシステムやコミュニティの構築についての考え方、プロダクトを市場に出すために必要なことの理解など、すべてに好感が持てた。

Twilio は「ソフトウェア人 (software people)」のためのサービスだと Jeff は語った。この「ソフトウェア人」という言葉は、今日の Twilio Japan Summit でよく使われた言葉だ。彼によれば、Twilio のような API は、ソフトウェア人にとっては、素晴らしいカスタマ・エクスペリエンスを創り出すための、言わば足場材料だ。Twilio を使うことで、小さくアジャイルな会社が、数兆円規模の業界に居る、動きの遅い既存の会社にチャレンジすることができるのだ。Uber は、顧客を高級車の運転士に連絡をつなぐのに Twilio の電話ソリューションを使っており、Bavelverse は一対一の通訳サービスに Twilio を使っている。

現在、Twilio のプラットフォームを使ってサービスを構築する開発者は20万人を超えた。2010年には合計で1万人だったことを考えると、彼らの成長スピードは著しく速いものだったことがわかる。Twilio のプラットフォームを使って、ここ日本でどのようなサービスが生まれるだろうか。日本の開発者に向けに、ますます多くの機能が利用可能になりつつあることは、大変楽しみだ。

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  1. Boundio のサービスは収束し、KDDI は Twilio と協業を始める。 ↩

【原文】

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