インドネシア最大のベビー用品サイト Bilna.com は、サイバーエージェント・ベンチャーズ、East Ventures、DGインキュベーション(デジタルガレージの投資専業子会社)、トムス・エンターテイメント、シンガポールの Golden Gate Ventures から資金調達した。このラウンドにおいては、DGインキュベーション がリードインベスターを務めた。なお、サイバーエージェント・ベンチャーズと East Ventures は、2012年12月にも Bilna にシード投資を実施している。いずれに出資においても、出資額など詳細条件は明らかにされていない。
同社はインドネシアで2012年7月ローンチしたスタートアップで、商品の品質の高さから3人に1人のユーザがリピーターという、圧倒的な顧客満足度の高さを誇る。設立に関わった、Ferry Tenka氏、Jason Lamuda氏、Eka Himawan氏 の3名は、いずれも、2011年4月に Groupon が買収した、インドネシアの共同購入サイト Disdus の創業メンバーだ。以来、P&G、ネスレ、花王、ダノンなど、世界の有名ブランドの乳幼児向け食品、家具、玩具、衣料品などを販売している。
Bilna の共同創業者でCEO の Ferry Tenka は、次のように語っている。
インドネシアで最も顧客志向のEコマースを追求する上で、DGインキュベーション、トムス・エンターテイメント、Golden Gate Ventures といった、世界クラスの投資家から支援を受けることができてうれしい。
豊富な品揃え(500ブランド1万品種)や独自の配送システム、ターゲットを明確にしたマーケティングなどが功を奏し、同社は昨年、ピーク時で一日に1,000件を超える受注を受けていた。今回調達した資金を使って、ベビー用品以外のバーティカルEコマースへの進出を模索し、倉庫システムを改めて、オペレーションのスケールアウトに対応できるようにする。
インドネシアの国勢調査によれば、同国の幼児人口(0~6歳児)は約3,200万人で、総人口の13.26%に当たる(2012年現在)。さらに、インドネシアの乳幼児市場は、発育にあわせてオムツを明確に使い分けるなど、商品のバリエーションが多岐にわたるので、ユーザの嗜好もそれだけ多様化しており、ロングテールを得意とするEコマースは、それだけ重宝されるのだろう。
また、出資者の中でも筆者の目を引いたのは、トムス・エンターテイメントの存在である。セガサミーグループに属し、アニメーション制作会社である同社は、これまでにもアジアの複数のコンテンツ関連事業やスタートアップに投資してきたが、今回コンテンツとは直接関係の無い分野に出資したことで、今までとは違ったアプローチが展開されることが予想される。
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