東京のスタートアップ KOMPEITO(コンペイトウ)は今日、オフィス配置型の従業員向け置き野菜サービス「OFFICE DE YASAI(オフィス・デ・ヤサイ)」の正式ローンチを発表した。これは言わば、置き菓子の「オフィスグリコ」の野菜版で、当面は東京都内の港区、渋谷区、新宿区、品川区、千代田区、中央区を対象にサービスを提供する。なお、期間内に消費されなかった野菜を回収しない、農家からの直送買い切り型サービスであれば、全国への配送も可能だ。
ユーザには消費した野菜代金以外の費用は発生せず、消費されなかった野菜は次回装填時に回収される。企業によっては、「OFFICE DE YASAI」を福利厚生の一環として位置づけており、この場合、企業が商品の代金を負担するので、社員は支払う必要がない。
OFFICE DE YASAI の小型冷蔵庫。写真は KOMPEITO オフィスの冷蔵庫なので野菜が多め。
KOMPEITO を立ち上げた CEO の川岸亮造氏と渡邉瞬氏は以前、大手の経営コンサルティング・ファームで第一次産業向けの経営コンサルティングに従事していた。しかし、農業においては経営単位が小規模で、農家にコンサルティングを提供するよりも、農家の収入を増やす事業を立ち上げた方が効果的だと考え、KOMPEITO を設立した。
農家が生産する野菜の中には、形や大きさが規格外であるため、通常の流通には乗らないものもある。これまでは、この種類の農産物は廃棄するか農家が自家消費するしか方法が無かった。しかし、例えば、一般的な流通規格より少し小さなジャガイモも、オフィスで小腹を満たすジャガバターにするのであれば、むしろ好都合だったりする。農家にとっては、OFFICE DE YASAI に野菜を供給することで、追加的な収入が得られるというわけだ。
OFFICE DE YASAI で購入できる商品(一部)。 麦わら帽子を被ったスタッフが、週に一度、オフィスの冷蔵庫に新鮮な野菜を運んで来てくれる。
OFFICE DE YASAI は昨年11月にクローズドベータの形でサービスが開始され、この数ヶ月間、都心部のスタートアップ、大手インターネット企業、外資系企業、コワーキング・スペースなどでユーザの反応を探ってきた。特にIT業界に絞ってユーザを集めたわけですが、「結果的に、スタートアップや外資系企業からの反応がよく、おそらく、社員にアーリーアダプターが多いからではないか」(川岸氏)と、ユーザ分布の背景を分析している。