中国最大のタクシー呼出アプリ Didi Dache(嘀嘀打車)と Kuaidi Dache(快的打車)は、両社が合併し、中国最大のタクシーアプリ会社となることを確認した。両者は合併後も、双方のブランドとオペレーション、人事の状態については、現状を継続するとしている。両者の Didi CEO Cheng Wei(程維)と Kuaidi CEO Lu Chuanwei(呂伝偉)は、共同CEO として連結会社の経営にあたる。
中国のタクシーアプリ市場は2013年からブームとなり、新しいスタートアップ数十社が新規参入した。市場シェアの激しい奪い合いの中で、タクシーアプリのスタートアップは、現金ボーナス、モバイルデータ料金プラン、無料のモバイル充電器などを導入、利用客やタクシー運転手を魅了すべく多額を費やしてきた。この激しい競争(そして、高いバーンレート)は、規模の小さい企業の生き残りを難しくした。
Didi と Kuaidi の2社は、数あるタクシーアプリ会社の中でも目立った存在だった。ドミナント・プレーヤーとなるべく、複数の投資家から多額の資金調達を実施してきた。中国の最良の投資家とも言える Tencent(騰訊) Alibaba(阿里巴巴)は、それぞれが Didi と Kuaidi の主要な投資家だ。資金支援のみならず、さらなるユーザ獲得のため、Didi は WeChat と Kuaidi は Alipay(支付宝)とアプリ連携している。
報道によれば、Didi と Kuaidi で、中国のアプリ市場の95%の需要を占める。しかし、高いバーンレートは持続可能なものではない。両社は昨年、現金によるインセンティブ・プランを立ち上げたが、このプランを取りやめたときには、毎日のサービス利用状況に著しい沈下が見られた。
中国のタクシーアプリ分野の状況は、多くの小規模企業が退散に追い込まれるか競合に買収されるという形で、昨年の初めには明らかなものになっていた。Didi と Kuaidi だけが反映と競争を続けていた。過去一年間、両社は多額の資金調達をしたにもかかわらず、相手を打ち負かすことはなかった。Kuaidi は最近ソフトバンクから6億ドルを調達、Didi は今年に入って Tencent などから7億ドルを調達している。
多額の資金を投入してきた投資家らは、両社にやがて利益の配当を期待するだろう。Kuaidi の CEO Lu Chuanwei は、内部文書の中で両社の投資家が合併を願っていたと書いている。
Lu によれば、合併によって、金銭的なインセンティブのみならず機会コストも下げることでき、合併後の新会社は新しいサービスを近くローンチする見込みだ。Didi と Kuaidi の提携は、積極的に中国への進出を図る Uber にとって最強のライバルとなる。Uber は最近、中国の検索エンジン大手 Baidu(百度)から非開示の出資を受けている。
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