通信教育課程のリデザインを目指すーースクーが全国10大学と提携し授業の無料配信を開始

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右からスクー代表取締役 森健志郎氏、同社経営企画室 田中怜氏
左からスクー代表取締役 森健志郎氏、同社経営企画室 田中怜氏

スクーが本日、国内の大学10社との提携を発表した。同社の運営するコミュニケーション型動画学習サービス「schoo(スクー)」にて、合計30本以上の授業を無料配信する。

スクーは昨年、東京大学と法政大学と連携し、授業を配信していた。両大学ともスクーで授業を配信したことにより、他メディアからの反応やAO入試志願者数の増加といった反響があったという。

田中氏「昨年実施した法政大学の授業は、地方に住んでいてオープンキャンパスに参加することが難しい高校生に見てもらうこともできました」

今回の提携では、昨年に引き続き法政大学が授業を配信する他、新たに近畿大学、中央⼤学、京都造形芸術大学、京都⼯芸繊維⼤学、⾼野山⼤学、聖学院⼤学、関⻄学院大学大学院、東海⼤学芸術学科、早稲⽥大学政治学研究科ジャーナリズムコースが加わる。

schoo daigaku

どの大学の授業も、大学における授業の内容をそのまま配信するのではなく、スクーならではの学習者が楽しみやすいように工夫を加えた上で配信されるという。昨年、東大、法政大と30コマ以上の授業を配信してきたことで、どう工夫すると大学の授業が面白くなるのかのノウハウが蓄積できた、と森氏は語る。

森氏「もっと大学って良くなるよねって思ってるんですよ。授業はネットで受けて、教室ではディスカッションしかしないとか。もっと改善していけると思っていて、それを一緒に作っていきたいと思っています」

通信教育課程のリデザインを目指して

森氏は、将来的には大学という枠を横断して、授業単位、コンテンツ単位で大学の授業を受けられるようになるべきなのでは、と考えているそうだ。

森氏「各大学、この授業なら他の大学には負けない、という良いコンテンツを持っています。将来的には同じ大学の授業しか受けられないというのではなく、経済学部のこの授業は別の大学のこの教授の授業が面白いからこっちを受ける、というように各大学の通信教育課程を統合していけたら面白いなと考えています」

スクーでは各大学の良いコンテンツを組み合わせ、通信教育課程全体を再設計していこうと考えている。

英語圏への対応も

田中氏「今回の提携に合わせて、東大の録画コンテンツに英語字幕をつけています。各大学の良いコンテンツを英語に対応させていき、留学生や海外への進出につなげていければ」

今回の授業では、東京のスクーのスタジオに来てもらって放送するそうだが、今後は地方にサテライトスタジオを増やしていくことも視野に入れているという。

森氏「今回の提携に参加してくださった大学はアーリーアダプターだと思っています。ただ、ほとんどの大学がインターネットを活用して何かしらの取り組みをスタートさせなくてはいけない、という認識を持っていることがわかりました」

現在はリソースの問題もあって授業数は限られているが、将来的には様々な授業を配信してもらい、ユーザの反応を見てどのコンテンツが面白いのかを決めていくべきだ、と森氏は考えている。ユーザの反応を大学側にフィードバックしていくことで、授業の改善にも貢献していきたいという狙いもある。

田中氏「今回のタイミングには間に合いませんでしたが、話が進んでいる大学もいくつもあって、今後連携する大学の数はどんどん増えていく予定です」

森氏「提携する大学の数を増やし、各大学の授業を英語に対応させていくことに加えて、将来的には海外の大学の授業も配信していきたいと考えています」

2015年中に30大学との提携、2016年には100大学との提携を目指すという。スクーは今年に入って大型の資金調達を発表したばかり。同社は教育を変えていくべく、今後ますます加速していきそうだ。

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