2013年9月のサービス開始以降、女性専用のサービスとして展開してきた「MyChef(マイシェフ)」。1人分3,000〜5,000円と良心的な価格帯で、プロのシェフが自宅に派遣されることで調理してくれます。食材の準備から、調理後の後片付けまで対応してくれるため、ホームパーティなどハレの日に活用されています。
そんなマイシェフが、4月5日から男性からの注文受付を開始しました。これまでも「妻の誕生日や結婚記念日」または「仕事と子育ての両立で日々忙しいのを労う」など、夫が妻へのギフトとしてマイシェフを贈る傾向が見られました。このような問い合わせが増加してきたことを受けて、今回の男性へのサービス解放に至りました。
マイシェフの女性ユーザーの6〜7割を占めるのが、育児ママ・育児世帯です。子どもの誕生日など家族内のお祝いごとには自ら腕をふるい、ママ友との集まりやハロウィンのようなイベントごとなど、ちょっとまとまった人数が集まる機会にマイシェフが利用されているようです。女性利用者のうち仕事に就いている6割の人は、この場合はイベント時に限らず、時間が足りない様々な状況で活用されています。
サービスが順調に伸びているマイシェフですが、リリース前に育児ママに対して実施したニーズ調査の結果は厳しいものでした。マイシェフのようなサービスを「使ってみたいし注文する」と答えた人は、わずか1割。「使いたいけれど、自分で注文しようと思わない」が4割、「使いたいと思わない」が4割、「誰かが払ってくれても、使いたくない」が1割でした。使うか使わないかで分けると、アンケート回答者の9割が「使わない」と答えたのです。
この結果から「何やらセンシティブなものが絡んでいるらしい」というヒントを得たと話す、マイシェフ 代表取締役社長の清水昌浩さん。このセンシティブなものというのは、ずばり彼女たちが潜在的に感じている「罪悪感」です。「本来自分の仕事なのに、それを人に任せてしまっていいものなのか」とためらってしまう育児ママが多く、これをいかに取り除いてあげるかがサービス普及の鍵を握ると感じました。
「この罪悪感をどこまで感じるかは、人によって程度の差がありますが、それがあるという前提でサービスを展開することが必要だろうと考えまし。今回、マイシェフを男性向けに提供する理由のひとつには、こうした背景があります。」
この課題への具体的な施策として、2014年11月に「MyChef ギフト券」の販売を開始。30代〜40代の既婚男性が、奥さんへのプレゼントに贈ることを想定したものです。また、法人のキャンペーン景品としてマイシェフを取り入れてもらうなど、潜在的な罪悪感から高くなってしまいがちな初回利用のハードルを下げるための工夫を続けています。
今後、男性が自らも注文できるようになったことで、「夫が注文したから使ってみる」とマイシェフを活用する女性がさらに増えることが期待されます。最近、マイシェフは既婚女性の会員に対してアンケートを実施しました。調査結果は、資料をご覧ください。
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