東京を拠点とするワールドスケープは28日、ミュージシャン向けの音楽活動支援プラットフォーム「Frekul(フリクル)」をリニューアルし、これまでの月額サポーター募集機能、ライブチケット予約受付機能、カラオケ配信機能に加え、楽曲をアップロードすることにより、世界中の音楽サービスに配信できる機能の提供を開始した。
楽曲の配信先は TuneCore Japan 経由で iTunesStore、AmazonMP3、AppleMusic、AWA、LINE MUSIC のほか、東京・江東区のコミュニティFM「RainbowTown FM」、シンガポールの ExpressInMusic、中国の MUSICOS(上海米茲克文化伝播)、ワールドスケープ独自の「Lumit」(6月28日現在)。配信先によっては、ダウンロードされた回数に応じて、楽曲提供者は売上の一部をもらうことができる。配信先のネットワークは今後順次追加予定。
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ワールドスケープは、音楽バンド「SONALIO」のドラマーでミュージシャンの海保けんたろー氏が2011年2月に設立。2012年3月には、サムライインキュベートからシード資金を調達している。これまでに3,800組以上のアーティストに、音源販売だけに頼らない収益源確保のためのサービスを提供してきた。今回の楽曲配信機能のリリースにより、Frekul を使うアーティストは自らの作品の露出度を圧倒的に高めることが可能になる。
興味深いのは、この新機能に実装された人工知能による〝マネージャー〟ボットだ。アーティストの好みや楽曲ファンからの反応に応じて、バーチャル・プロダクションの架空マネージャー「コウイチ」と事務員「マユ」が、Frekul を使うアーティストに最適な機能を提案してくれる。ワールドスケープが運営する、リスナーの好みを自動学習して音楽を聴ける「Lumit」からは、楽曲を聴いた人の反応を受けとることもできる(下図)ので、将来の音楽活動の参考にすることもできる。
近年さまざまな音楽聴取機会が生まれたことで、世の中に受け入れられる音楽性やアーティストが多様化しており、それだけ芸能事務所や音楽レーベルなどが、ヒットしそうなミュージシャンやアーティストを新人発掘するのも難しくなっている。これまで、毎晩のようにライブハウスをハシゴしていたスカウトマンも、Frekul のようなプラットフォームを頼りにしていくのかもしれない。
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