CAV主催 #RisingExpo 2016で、日・米・韓・東南アジア選出のファイナリスト15社が東京に集結——資産運用ロボアドバイザーのウェルスナビがグランプリを獲得

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スタートアップ向けベンチャーキャピタルのサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)は2日、都内で年次のショーケース・イベント Rising Expo 2016 を開催した。この日開かれた本戦に先立ち、ソウルでは5月3日に韓国スタートアップの地域予選、ジャカルタでは6月14日に東南アジアのスタートアップの地域予選が実施され、日本のスタートアップ10チームに、韓国・東南アジア・アメリカのスタートアップ5チームを加えた、総勢15チームがファイナリストとして登壇し、集まった投資家・潜在提携先・メディアに向けてサービスについてのピッチを行った。

昨年開かれた Rising Expo 2015 では、飲食店向けオンライン予約台帳サービスを提供するトレタがグランプリを獲得、これをきっかけとして、同社はセールスフォースベンチャーズから調達額非開示の資金調達を実施している。昨年登壇したファイナリスト15社のうち、非公表のディールを除き、1億円以上の資金調達か買収に成功したスタートアップは8社で、調達額または買収額の総額は約34億円に上る。

今年選ばれたファイナリストにも、多くのサクセスストーリーがもたらされることを期待したい。以下は、Rising Expo 2016 で登壇したファイナリストのランダウンである。

【グランプリ】Wealth Navi by ウェルスナビ(日本)

副賞:現金 100万円

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日本では終身雇用制度が崩れ、大企業の退職金は年々下がり続ける中、ゆとりのある老後を送るには資産運用が必須になりつつある。しかし、日本人の多くは、資産の多くを預貯金や債券の形で保有しており、株式などを活用した積極的な資産運用が行えていない。どう投資していいかわからないからだ。

ウェルスナビは、資産運用を一任できるロボアドバイザー「Wealth Navi」を提供。アメリカの ETF(上場投資信託)すべての中から、最適と考えられる6〜7銘柄を客観的基準で選び、ユーザはその ETF 銘柄に投資することで、間接的に合計50カ国1.1万銘柄以上の株式への投資が可能になる。ポートフォリオのリバランス機能のほか、市場価格に応じた自動積立やアルゴリズムによる節税機能など便利な機能が備わっている。今年7月に正式ローンチした Wealth Navi だが、2017年には金融機関にサービスの OEM 提供を開始する予定だ。

ウェルスナビ全社員26名のうち16名(約4分の3)がエンジニアかデザイナーとテクノロジー人材が多い点では、金融関連サービス企業としてユニークな存在。AWS(Amazon Web Services)上に日本で初めて、FISC 基準をクリアした証券取引システムを構築したことでも注目されている。

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【CAV 賞】Nida Rooms by Global Rooms(マレーシア)

副賞:銀座久兵衛 招待券

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ホテルは概してすべての部屋が予約で埋まることはなく、占有率は高いところでも65%〜75%程度だ。NIDA Rooms はホテルから余った空室在庫を確保し、それを NIDA Rooms のブランドで販売することで、1泊あたり30ドル程度の安価で宿泊体験を提供する。現在、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンの4カ国で展開しており、150人の営業担当者を配置することで提携ホテルを確保し、部屋の快適性(エアコンが使えるか、Wi-Fi が使えるか、シャワーのお湯が出るかなど)を現地確認で保証する。

昨年9月にローンチし、10ヶ月間で4,500軒以上のホテルが NIDA Rooms のネットワークに参加した。実際のユーザの宿泊費用の統計を取ってみると、NIDA Rooms を使った場合の1泊当たりの宿泊費は平均18ドル程度。典型的なオンライン旅行予約サイトや、Airbnb などのバケーションレンタルを使うよりも安い。この分野には、ZenroomsRedDoorzAiryRoomsOyo などの競合サービスが存在する。東南アジアで市場を集中したのち、2年後には南米に進出予定。

これまでに East Pacific Capital、True Capital、サイバーエージェント・ベンチャーズ、Convergence Ventures から資金調達しており、現在3回目のラウンドに向けて資金調達中。

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【住友不動産賞】Oneteam by Oneteam(日本)

副賞:住友不動産オフィス 1年間 特別料金で提供

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Oneteam 共同創業者で CEO の佐々木陽氏は以前、リクルートで「じゃらん」や「SUUMO」の事業開発を経て、のちに Kaizen Platform の事業企画をリードした人物だ。これまでに、東南アジア7カ国の担当者をまとめるプロジェクト管理を経験、異なるロケーションにいる関係者間で課題を共有し、精緻にコミュニケーションをとることが難しいことを痛感した。一方、日本の労働生産性は過去10年間でほぼ改善されておらず、アメリカのそれに対して63%。業務時間の53%は、会議やメールの書類に費やされているのが現状だ。

Oneteam は、企業向けのナレッジ・チャット・メールを一つにしたコミュニケーション・プラットフォームを提供しており、現在ユーザは13カ国の4,600社、実に85%は日本国外で使われている。議事録、To-Do、資料など、オンラインでの会議に必要な情報がすべて同じ一つのシートの中に、分散しない形で整理できるのが特徴だ。Oneteam の開発には、サンフランシスコをはじめとする世界6カ国出身のエンジニアやデザイナーが携わっている。

近日中には、会議の議事録などレポート作成を自動化する機能のリリースを予定している。

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【AWS 賞】Wealth Navi by ウェルスナビ(日本)

副賞:Amazon Fire Tablet

上記で紹介しているため、省略。

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【EY 賞】Gatebox by ウィンクル

副賞:Eラーニング 6ヶ月間無料受講券

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Gatebox は、ウィンクルが開発したコミュニケーション・ホログラム・ロボット。ホログラムで映し出されるキャラクターに話しかけることで、出迎えやランプの点灯、目覚ましなど様々なアクションを提供してくれる。1月18日に始めたメール会員の登録者は既に8,000人を越え、日本国内からは23%の申し込みがあるが、アメリカ32%など多くは海外からのユーザだ。5月31日から始めた事前予約では、3ヶ月間で1,000台の予約枠を完売した。

来週にはセガの協力を得て初音ミクのコラボイベントを開催する予定だが、募集開始から6時間で受付枠をオーバーしてしまったとのこと。近く、2016年限定モデルの予約販売を開始予定だ。

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【SMBC 日興証券賞】Paseri by TCSI(日本)

副賞:モバイル型ロボット電話「ロボホン」

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インターネットの発達やモバイルデバイスの普及により、情報漏洩や情報盗難はもはや避けられない事象となっている。TCSI は、情報が漏洩したり、盗難にあったりしても、その情報が無意味ものにするように、データの秘密分散ソリューション「Paseri」を開発している。

Paseri では AONT(All-or-Nothing Transform)方式の秘密分散法でデータを16個に分割し、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウド、スマートデバイスなどに分散保存が可能。データの暗号化は、CPU の高度化により時間をかければ解けるようになっているのに対し、秘密分散することで情報の秘匿性が失われる可能性が無い。

プロダクト出荷から約1年を経て、LIXIL の営業社員1万人に iPhone + Fat-PC の組み合わせで導入されたり、富士通の営業社員1.5万人に Windows 10 IoT シンクライアント + USB メモリの組み合わせで導入されたりしている実績がある。これまでに、東京大学エッジキャピタル(U-TEC)、テクノスジャパン、TNPオンザロードから資金調達している。

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【AGS コンサルティング賞】THEO by お金のデザイン(日本)

副賞:エビスビール 1年分

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お金のデザインは、資産運用ロボアドバイザー「THEO(テオ)」を開発。スマートフォンからポートフォリオ診断を無料で依頼でき、投資は最低10万円から開始できる。料金は、投資の運用一任費用として投資額の1%。THEO はアルゴリズムを用いて、ユーザ一人一人に最適な投資スキームを、ETF(上場投資信託)を使った231通りのポートフォリオの組み合わせから提案する。

2月16日のサービス開始からの半年で約12万人が無料のポートフォリオ診断を利用し、そのうち、900 9,000人が実際に THEO の利用を申し込んでいるとのこと。ユーザの87%が20〜40代で、その約半数はこれまでに投資経験が無かった人たちで、THEO は潜在投資家の掘り起こしに一役買っている。

金融・証券向けインフラ企業のだいこう証券ビジネスと提携し、地方の金融機関が、自社システムにほぼ手を入れない形で、対面営業で THEO のロボアドバイザー機能を OEM 提供できるサービスを開始予定。また、2017年の個人型確定拠出年金(DC)の対象範囲拡大に伴う需要に対応すべく、企業向け福利厚生サービス大手のベネフィットワン提携している。

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【インテリジェンス賞】Wealth Navi by ウェルスナビ

副賞:「DODA Recruiters」の無償提供

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上記で紹介しているため、省略。


以下は入賞に至らなかったものの、雄姿を披露したファイナリストたちだ。

ビザスク by ビザスク(日本)

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ビザスクは、1時間のスポットコンサル・サービスを提供。誰もが専門家になれる1時間を合言葉に、ユーザが聞きたい質問について、その分野のプロフェッショナルに相談や質問ができる機会を有料で提供する。ウェブ上でアドバイザーの募集やマッチングを行い、双方が事前に無料でメッセージ交換できるようにすることで、ユーザの満足度を高めている。

大企業で新規事業開発をはじめ、鳥取県の「とっとり起業女子応援プロジェクト」、近畿経済産業局の女性起業応援プロジェクト「LED 関西」など地方自治体や政府機関主導の起業支援プロジェクトで、メンタリングにも活用されている。

ビザスクにおいても、日本から海外、海外から日本への市場展開を図る企業からの利用が増えているとのこと。スポットコンサル業界のグローバル大手の売上は300億円を超えているが、ビザスク自らも世界展開すべく、2016年中にシンガポールか香港に拠点を開設する計画だ。同社は、2014年3月にベンチャーユナイテッドと CAV から7,000万円、2015年7月に DCMベンチャーズ、DBJキャピタル、みずほキャピタル、ベンチャーユナイテッド、CAV から約2.6億円を調達している。

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VizTV by TVision Insights(日本)

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TVision Insights は、テレビの視聴率調査をより精緻に出す技術を開発しているスタートアップ。従来の視聴率(GRP)が測定していたのは、いわば視聴の量であり、ユーザがどのように視聴しているか、という視聴の質を図ることはできない。TVision Insights では、テレビの上にカメラ付きのセンサーをつけることにより、視聴者のターゲット層(viewability)・エンゲージメントの度合い(engagement)を特定する技術を開発した。撮影した画像はデジタル解析され、その画像が録画されたり、個人を特定する情報が記録されたりすることはない。

同社は開発したセンサーデバイスを、アメリカではボストンとシカゴの600世帯、日本では関東の600世帯のテレビ受像機に設置して得られたデータを分析し、テレビコマーシャルやテレビ番組のコンテンツ最適化のためのBIツール「VizTV」を通じて、広告主、放送局、テレビ番組制作会社に販売している。日本の広告主トップ10社のうち、5社がクライアントとして採用しているとのこと。また、現在は日本とアメリカでのみサービスを提供しているが、イギリスやパキスタンなど世界各国からジョイントベンチャーなどのオファーが来ていることを明らかにした。

同社は、昨年開催された「Microsoft Innovation Award 2015」で最優勝を受賞、これまでにアーキタイプや KLab Ventures など日米の VC から総額350万ドルを調達している。

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Studio XID(韓国)

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Studio XID が開発した Protopie(旧称:SNAP)は、IoT デバイスおよびユーザデバイスのセンサーからの信号を利用したアプリを試作できるプロトタイピング・ツール。既存のプロトタイピングは対象がスマートフォン・アプリに限られ、センサーなどの動的な要素を取り込んだプロトタイピングが難しいのに対し、Protopie はセンサー入力を認識し、その反応に応じたアクションを設計することができる。

スマートフォン単体だけではなく、「スマートフォンとスマートウォッチ」「スマートウォッチとIoTデバイス」のように、複数のデバイス間の作用を伴うアプリを、ドラッグ・アンド・ドロップで設計することが可能。世界の UX デザインの市場は1,800億円規模で、UX デザイナー人口で見てみると、アメリカには340万人、ヨーロッパに360万人、中国に140万人。彼らへのサービスの浸透を図るため、デザインスクールには無料でサービスを提供している。

beGLOBAL SEOUL 2015 でファイナリストTechCrunch 北京でトップ5のチームに選ばれ、Gobi Partners から100万人民元(約1,600万円)を調達している。今後はより多くのスタートアップに使ってもらうため、各地のインキュベータやベンチャーキャピタルと提携していきたい、としている。

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MOVO by Hacobu

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日本の運送会社のトラックのうち、約50% は荷物積載を空のままで走っている。一方で、日本の輸送量は伸び続け、トラックを運転するドライバーは不足している。帰り荷の無いトラックに荷主・荷物を紹介することで、荷主と運送会社の間の需給バランスの溝を埋める業種を水屋業と呼ぶが、Hacobu が開発した MOVO はこの水屋に代わる機能を、ウェブ上でシステマティックに提供する。

運送会社は運行管理義務を負っているため、トラックの運行状態を把握するためにデジタコ(デジタルタコグラム)を車内に設置することが一般的だが、デジタコは1台あたり15〜20万円と高価だ。Hacobu では、トラックに接続できるデバイス「MOVO Hub」とモバイルアプリを開発し、運行情報をリアルタイムに把握できるしくみを提供。運行管理に加え、運行状態に応じた帰り荷の荷主〜運送会社間のマッチングを実現する。

MOVO Hub、MOVO Sense、モバイルアプリの3つのプロダクトを2ヶ月前にリリースし、これまでに1万台の引き合いがあるとのこと。2020年までに2,000万台への導入、荷主〜運送会社間のマッチング100万トランザクションを目指す。将来的には、物流需要の高まるアジア市場への進出も視野に入れている。

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SkyLogger / SkyAnalyzer by スカイディスク

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ある予測によれば、2020年の世界の IoT 市場規模は、アメリカが710兆円なのに対し、日本はわずか16兆円。IoT 化が進まない理由として、スカイディスクでは、センサーデバイス側にはセンターの選定が難しく価格が高いこと、データ分析側にはデータの可視化のみが機能として提供され、データ分析が属人化していることがあると考えた。

スカイディスクは、脱着式センサー「SkyLogger」とデータ分析基盤「SkyAnalyzer」の2つのソリューションで、この問題を解決しようとしている。SkyLogger にはボディコアがあり、そこにつなぐセンサーを14書類の中から3つ選ぶことができる。通信には、3G/LTE、LTE、次世代通信が利用可能。SkyAnalyzer は AWS に構築しており人工知能の機能も兼ね備えている。

現在、生鮮物流4社や設備保全7社と共同の取り組みを行っている。ボディコアの存在により、さまざまな業務分野に適用できることが特徴。2020年には60億円の売上を目指している。

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Mobagel by Mobagel(アメリカ)

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2020年には、世界中で 500 億以上の IoT デバイスが生まれ、そこから 44ZB(ゼタバイトは、ギガバイトの1兆倍)のデータが作り出されると言われる。

Slush Asia のピッチコンテストにも選ばれた Mobagel (Slush Asia では台湾のスタートアップとしての出場)は、今回アメリカ地域選出のスタートアップとして参加。Mobagel は、IoT 家電の利用状況などのデータを収集し、ダッシュボードを使ってビジネスインテリジェンスを提供する。家電メーカーなどが、自社製品の利用のされ方、カスタマービヘイビアなどを理解するのを助ける。対象となるのは、インターネットにつながる家電全般。メーカーは、どのようなユーザが、どのような頻度でプロダクトを利用しているのかを把握できるようになり、例えば、プロダクトのバッテリーを何日程度もつものにすればよいかなど、商品開発の改善プロセスで役立つ情報を提供する。

同社は、フィリップス、マイクロソフト、パナソニック、ソフトバンク(Innovation Program)、Scarlet Tech などグローバル企業を顧客に獲得。これまでに、投資家やアクセラレータから総額200万ドルの支援を受けている。現在、日本においても、ハードウェア・アクセラレータ、販売チャネルパートナー、ビジネスマシン製造会社などとの提携を進めている。

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VELDT by ヴェルト

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ヴェルトは、リストウォッチタイプの IoT デバイス「VELDT」を開発。今年3月にスイス・バーゼルで開催された腕時計見本市「Baselworld 2016」では、京都デニムとコラボした新作をはじめ、新モデルを発表。日本のクラウドファンディングサイト「Makuake」では、目標額の8倍以上の資金調達に成功した。

腕は多くのバイタルデータがとれる場所である一方、デバイスを身につけ続けてもらわないことには、それらのデータをもとにしたサービスを提供できない。ヴェルトでは、ユーザが VELDT を身につけ続けるモチベーションが働くように、プロダクトをデザインすることに注力しているという。

今後は、生活リズムを作り出すウエアラブルデバイス、つまり、体内時計のリズムを刻む基準となる光量を計測し、その光量を受けると1日の消費電力が発電され、充電しなくても動き続けるような、球状太陽電池を備えたウエアラブルデバイスを開発する計画だ。このサービスの研究・開発には、睡眠・生活リズム領域の研究者である国立精神神経医療センターの三島和夫氏が協力しており、また、次世代回路の開発には電子部品メーカーの SMK が協力している。

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Woman’s Talk by Cracle Factory(韓国)

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動画を使ったマーケテイング手法は、そのエンゲージメント率の高さから注目を集める一方、コンテンツ制作にコストがかかるのが難点だ。一定の市場シェアを持つ企業であれば、コストをかけて動画コンテンツを制作できるが、ロングテールな商品を扱う企業は、モデルを起用してスタジオ収録するようなマーケティング予算を捻出するできない。仮に予算を捻出できたとしても、そのマーケティング費用は商品の価格に転嫁されるので、消費者は結果的に高い価格での商品購入を余儀なくされる。他方、動画を作り出すコンテンツクリエイターにとっては、アメリカや中国などと異なり、韓国のような限定された市場では、動画制作でお金を稼ぎだすことは難しい。

Cracle Factory(크라클팩토리) が提供する Woman’s Talk(우먼스톡)は、このようなマーケティング予算を捻出できないロングテール商品のベンダーやメーカーと、動画コンテンツクリエイター(ネットセレブリティを含む)をつなぐインフルエンサーマーケティングのしくみと、Eコマースのプラットフォームが一体化したサービスだ。クリエイター/インフルエンサーが30秒から1分程度のコンテンツを作成し、それを商品のサプライヤーに無料で提供。サプライヤーは Woman’s Talk 上での売上の一部を、利用した動画のクリエイター/インフルエンサーとの間でレベニューシェアする。

Woman’s Talk 上での活躍するクリエイターやインフルエンサーの中には、韓国の地上波テレビ番組に出演するほどまでに成長した人もいるそうだ。取扱アイテムは韓国の化粧品やファッション(いわゆる、K-Beauty)に特化しており、現地パートナーとタイアップする形で東南アジアや中国にも進出している。今後は、子供向け製品にも取扱分野を拡大し、日本市場でのサービスにもトライしてみたいとのこと。同社は昨年12月にシリーズAラウンドで20億ウォン(約2.1億円)、今年8月には韓国 VC の Intervest(인터베스트)および Capstone Partners(캡스톤파트너스)から23億ウォン(約2.1億円)を調達している。

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Taralite by Bara Sejahtera(インドネシア)

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Taralite は、インドネシアの P2P レンディング・プラットフォームだ。東南アジアは銀行口座を持っている人が少なく、したがって、銀行は消費者への融資を積極的に行っていないため、個人に対する信用度審査などのノウハウも持たない。Taralite は、この銀行口座を持たない人々に焦点を定め、P2P レンディングを提供する。

貸し倒れを予防するために信用度審査の必要が生じるが、例えば、Uber ドライバーが融資を依頼する場合、Taralite は Uber と連携することで、Uber のドライバーがどれだけ稼いでいるかのデータをリアルタイムで取り込み、それをビッグデータ分析することで、適切な融資上限額を設定する。Uber の他にも、Tokopedia を含むパートナー各社との連携により、ユーザ獲得コストも圧縮する。

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