
インドネシアの e コマースサイト Blibli は、2017年6月12日にオンライン旅行代理店 Tiket.com の全株式を取得したことを本日(6月15日)発表した(買収金額は非公開)。
買収後も両社はそれぞれのブランドを維持する予定。また、Blibli は在庫管理、販売プログラム、プロモーション、ソーシャルメディアの活用、人材の面で Tiket.com のサポートを行う。
Tiket.com の共同設立者兼 CCO(最高情報責任者)である Gaery Undarsa 氏の説明によると、買収プロセスは5ヶ月前に開始されたそうだ。
同氏はこう語っている。
今回の買収によって、Tiket.com が急速に成長を遂げる大きなチャンスが開けたと思います。(中略)Blibli が持つポテンシャルと、企業文化やビジネスビジョンの類似性を考えると、Blibli ファミリーに加わることができたのは非常に喜ばしいことです。
さらに両社は、George Hendrata 氏を Tiket.com の新 CEO に任命したことを発表した。
インドネシアのスタートアップシーンでは買収に関する噂が1ヶ月以上前から広まっていた。というのも、Blibli に出資していたベンチャーキャピタルの GDP Ventures が Tiket.com を買収するのではないかという報道が以前にも出ていたからだ。
Blibli は今回の買収費用として、事業開発のための内部資金を充てた。
また、買収によって新たな商品ラインを展開する可能性も開けたが、同社は2つの e コマースプラットフォームの開発に集中する予定のようだ。
2011年設立の Tiket.com はベンチャーキャピタルから資金調達をしたことが一度もないことで知られている。直近の資金調達ラウンドもエンジェル投資家によるシードラウンドだった。そのエンジェル投資家に関する情報は公開されていないが、報道によると「Emtek Group ファミリーに関係する」人物だという。
Tiket.com のプラットフォームでは、航空券、ホテル予約、電車の切符、レンタカー、コンサートチケットが提供されている。
同社によると、2014年12月時点で年間売上高が1兆インドネシアルピア(7,500万米ドル)以上に達したという。
2011年設立の Blibli は電化製品からファッションまで15のカテゴリーに渡る商品を提供している。
最近になって、旅行商品を提供するカテゴリー「Blibli Travel」をローンチしている。旅行カテゴリーにおけるオンライン購入の継続的な伸びを示すデータが明らかになったことから、同社はこれから注力していくカテゴリーの1つとして旅行分野を挙げている。
Blibli の CEO である Kusumo Martanto 氏は、2017年下半期の有機的成長および非有機的成長は2.5倍になると予想している。
彼は次のように述べた。
Tiket.com は、わずかな期間でインドネシア最大級のオンライン旅行代理店に成長するという大きな実績を残しています。
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待