Ant Financial(螞蟻金融)、モバイル金融サービス「Easypaisa」へ1億8,500万米ドルを出資——株式の45%を取得し、パキスタンに進出

SHARE:
Easypasia
Image credit: Telenoir

Ant Financial(螞蟻金融)は、Telenor Microfinance Bank (TMB)に1億8,450万米ドルの投資を行い、TMB の株式の45%を得て、初のパキスタン進出を行う予定だ。ノルウェーの Telenor Group の子会社TMBは、2009年にパキスタン初のモバイル金融サービスプラットフォームをローンチし、これは同国最大の、支店を持たない銀行業務サービスとなった。Ant Financial は同社の決済サービス Alipay(支付宝)のプラットフォームに使われている技術を導入して、パキスタンにおけるモバイル決済を開発していく見込みだ。

インドは近年中国のテクノロジー企業にとってかなりの競争の場となっており、これら中国企業は同地で大きな影響力を持っているが、今回 Ant Financial は隣国パキスタンへ初めて進出することになる。パキスタンでは約1億人(人口の半数以上)が銀行口座を持っておらず、Alipay のような決済サービスが参入する完璧な好機となっている。

パキスタンでは、Easypaisa の看板が目立つ。
Image credit: Telenor

パキスタンにおける TMB のモバイル金融プラットフォーム、Easypaisa は2,000万人以上のユーザを有しており、銀行業務サービス及びマイクロファイナンスサービスを提供している。Alipay のサービスを使うユーザは8億人に拡大した。TMB は Alipay の専門技術を必要としているのだ。

Telenor と Ant Financial 両者は今回専門技術と知識を持ち寄って補完し合い、提携を結びます。Telenor は伝統的なマイクロファイナンスと OTC 事業を起こす重要な仕事を行ってきました。また Ant Financial は世界レベルのフィンテックと決済技術を提供し、パキスタンのデジタルバンキング事業を新水準にまで高めるために必要なデジタル技術を導入します。」

Telenor Group Communications の副社長 Atle Lessum 氏は TechNode(動点科技)に対し述べた。

Easypaisa のユーザインターフェイス
Image credit: Telenor

Telenor Group は1855年に設立され、スカンジナビア、東ヨーロッパ、アジアにおける12の市場で160年以上にわたり電気通信事業を行ってきた。Alipay がすでに運用されているアジアの国と運用されていないアジアの国を含む世界中で1億7,800万人の利用客に使われている。

TMB は自社のマイクロファイナンスが表彰されてから人気を得ているようで、非銀行利用者層に銀行業務サービスを提供するための活動を行っている。今回の提携により、そして今後モバイル決済が増加することにより、現金を持ち歩く必要は減り、決済の追跡がずっと簡単になるということも考えられよう。路上犯罪や組織犯罪は現在パキスタンを悩ませている問題だ。

Easypaisa を看板に掲げたパキスタンの個人商店
Image credit: Telenor

中国はパキスタンと協力してインフラ整備プロジェクト、開発プロジェクトに大きな力を注いでいる。インドと違いパキスタンは現代世界に中国古代の貿易ルートを蘇らせる中国の広大な「一帯一路」計画に属する国だ。中国は、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)プロジェクトのために数十億米ドルをパキスタンに投じており、このプロジェクトは、新疆からインド洋まで中国製品のための経済路をつなぐことで、パキスタン経済の活性化(と同国の安定)を見込んでいる。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録