理系学生人材DB「LabBase(ラボベース)」運営のPOL(ポル)、プレシリーズAで個人投資家複数らから資金調達——共同研究の紹介事業も加速

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POL 創業者で CEO の加茂倫明氏
Image credit: POL

東京を拠点とするスタートアップで、理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」を運営する POL(ポル)は15日、プレシリーズ A ラウンドで複数の個人投資家から資金調達を実施したと発表した。調達金額は明らかになっていないが、関係者への取材などから数千万円程度とみられる。これは同社にとって、昨年実施した、BEENEXT のリードによるシードラウンドに続くものだ。

今回のラウンドに参加したのは、主に個人投資家で次の通り。

  • PKSHA Technology(東証:3993)
  • 千葉功太郎氏(個人投資家)
  • 松田良成氏(弁護士、漆間総合法律事務所)
  • 森本千賀子氏(morich 代表)
  • 御立尚資氏(BCG シニア・アドバイザー)
  • 岡野求氏(元 FiNC CHO)
  • その他、名前非開示の個人投資家1名

POL 創業者で CEO の加茂倫明氏によれば、同社のキャッシュフローはすでに単月ベースで黒字化しているということで、今回の調達は資金需要よりはむしろ、個人投資家らの人脈を生かしたサービスの認知拡大や浸透に意図があるようだ。定量的な数値は明らかになっていないが、「トップ10大学(旧帝大)に在籍する、理系院生修士の30%が LabBase を使っている計算になり、今期中には50%にまで達しそうな勢い(加茂氏)」だという。人材を求める企業の利用社数は有料ユーザベースで100社程度、学生とのマッチング数も順調に伸びているという。

POL の主要メンバー
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LabBase が軌道に載ったことで、加茂氏が自身の時間の半分程度を新規事業開発に費やしているという。そうして生まれた事業の一つが「LabBase R&D」。こちらは人材ではなく、企業と大学の研究室の共同研究の〝出会い〟を生み出す SaaS プラットフォームだ。独立法人化し国からの予算が削られる中、大学にとって研究を活性化しつつ収入を得られる共同研究は関心を増しており、この流れは研究室で生まれた技術を生かした起業にも追い風となっている。LabBase R&D は、そんな需要に応えようというものだ。

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POL は現在、 LabBase R&D をクローズドベータ版として運用していて、来年春頃の正式リリースを目指している。旗艦サービスである LabBase とあわせ、POL にとって収益の大きな柱となることが期待されるとともに、人材だけでなく共同研究という側面からも、POL は日本の理系研究者・研究トレンドの需要を把握できるようになる。加茂氏は「どこよりも研究者の情報を持っている会社になれると思うので、将来には有望な研究開発系の会社に投資するようなことも期待したい」と夢を語ってくれた。

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