ペット系スタートアップの資金調達が続く理由とは——韓国スタートアップシーン週間振り返り(5月23日~5月27日)

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Image credit: FitPet

5月23日~5月27日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は1,316億ウォン(約132億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • ネットワーク機器開発の Point2 Technology(포인투테크놀로지)が278億ウォン(約28億円)を調達した。 5G データセンターに使われる超高速・低電力光通信ケーブルを製造し、銅線と光ケーブルの欠点を解決。調達した資金を使って、クラウドインフラ向けテラビットクラスの帯域幅要件を満たすための製品ロードマップを拡張する計画だ。
  • 総合アーティストIPプラットフォーム「Wonderwall(원더월)」を運営する Knowmerce(노머스)が250億ウォン(約25億円)を調達した。有名芸能人が教える教育コンテンツ、マーチャンダイズ商品制作、アーティストコラボレーションプロジェクトなどを提供している。
  • 物流フルフィルメントの OurBox(아워박스)が200億ウォン(約20億円)を調達した。自社開発物流システムで大企業や中小セラーにカスタムロジスティクスサービスを提供。冷蔵・冷凍製品の配送に特化したコールドチェーンフルフィルメントが強み。
  • モバイル e コマース RXC が200億ウォン(約20億円)を調達した。同社は今年3月、ライブと短編動画でブランドメッセージを配信するリテールメディアプラットフォーム「Prizm(플랫폼)」をローンチした。これは、MZ 世代(ミレニアル+Z世代)のライフスタイルを中心に、100以上のブランドをモバイルショールームに実装したプラットフォームだ。

トレンド分析

ペット系スタートアップの資金調達が続く理由

将来の成長性とともに、投資市場で着実に人気を維持している分野がある。ペットに関連するペットテックスタートアップだ。 2022年の世界のペット市場規模は2,610億米ドル規模で、韓国のペット市場も2027年までに6兆ウォン台(約6,000億円台)まで拡大すると予想されている。

特にペットを家族として捉える、「ペットヒューマニゼーション」のトレンドが産業成長を促進している。ペットに大きな金額を費やす人が増え、プレミアムグッズ、プレミアム食品、医療サービスなど関連産業が成長している。 KB Financial Holdings(KB 금융지주)が出した「2021年韓国ペット報告書」によると、ペット犬に毎月固定的に支出する費用は月平均11万ウォン(約1.1万円)だそうだ。

また、ペットを育てているか、これから育てようとする人の数も増えている。アメリカの家庭の3分の2が少なくともペット1匹を育てており、韓国も3世帯に1世帯がペットを育てているそうだ。アメリカのミレニアルの65%は、今後5年間、ペットを養子にするか、さらに育てると答え、より多くの費用をペットに費やすと明らかにし、ペット市場は成長するしかない条件を備えている。

このような高い産業成長性に伴い、動物スタートアップにはベンチャーキャピタルはもちろん大企業や製薬企業も戦略的投資を増やしている。今年5月時点で、すでに16のペットのスタートアップが資金調達に成功したことが分かった。段階で見ると、アーリースタートアップが大半を占めており、分野はヘルスケアに関連するものが80%以上を占めている。

最も注目されている分野はペットのデータだ。医療、病院データなどを活用して複数の事業に拡張が可能だからだ。ペットの生涯サイクルを管理するライフスタイルサービスに拡張しようとするスタートアップも多い。ペットのスタートアップの中で最も多くの資金を調達した FitPet(핏펫)も検査キットで確保したデータを元に、ペット保険会社を推進するなど、e コマースからヘルスケアまでペットの生涯サイクルを管理するスーパーアプリ戦略を追求している。Petner(펫트너)もヘルスケアを超えて保険市場への拡張を計画している。

大企業から資金を調達したところもある。動物病院経営支援サービスを提供する I am DT(아이엠디티)は GS Retail(GS  리테일)から投資を受けた。GS Retail  は昨年 Pet Friends(펫프렌즈)を買収しており、8つのペット系スタートアップに投資するなどペット系スタートアップを「未来の成長株」として戦略的投資を続けている。このほかにもペット食習慣分析が可能な IoT 給餌器などを提供する Varram System(바램시스템)、遺伝子分析を通じて疾病予防ガイドを提供する Pitter Petter(피터페터)なども注目すべきスタートアップだ。

ただし、資金調達に成功したスタートアップのほとんどがアーリーステージで、大規模な資金調達に成功した企業はごく少数であるうえ、昨年 Pet Friends が1,000億ウォン台(約100億円)で買収されて以降は、目ぼしい M&A や IPO に成功した企業が出ていないため、ペットスタートアップが J カーブを描く爆発的な成長を成し遂げられるかどうかについては、疑問も呈されている。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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