アジアでブルーカラー労働者と企業をマッチングする「Workmate」、パーソル現法が買収

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シンガポールを拠点とするオンデマンドの人材派遣プラットフォーム「Workmate」が、日本の人材コングロマリット PERSOL Asia Pacific に数千万米ドルで買収された。買収後、Workmate は PERSOL から独立して運営される予定だ。

Workmate の創業者兼 CEO Matthew Ward 氏は Tech in Asia の取材に対し、Workmate が PERSOL との統合を選択したのは、PERSOL がアジアにまたがるリーチ、インフラ、知識を有しているためだと語った。これらのリソースは、アジア大陸の新市場で成長を加速させるという Ward 氏の計画に合致している。彼はこの成長に伴い、会社の運転資金を賄うために、より多くの現金が必要になると指摘している。

Image credit: Workmate

Workmate は、今月中に本国シンガポールでサービスを開始する予定だ。来年前半にはマレーシアに進出し、その後、オーストラリアとニュージーランドでも立ち上げる予定だ。この HRTech 企業は現在、タイとインドネシアで事業を展開しており、約50万人の事前審査済み労働者をネットワークに抱えている。

2016年に設立された Workmate は、デジタルコントラクターの役割を担っている。独自の AI を搭載したアルゴリズムを用いて、事前にスクリーニングされた労働者と企業をマッチングするプラットフォームだ。また、同プラットフォームは、顧客からの請求書発行や労働者への支払い処理など、エンドツーエンドのサービスを提供する。主に、物流倉庫、飲食、ホスピタリティ分野の企業向けに人材派遣を行っている。

PERSOL Asia Pacific は、東京証券取引所に上場している人材に特化した企業であるパーソルホールディングスの傘下にある。 同社はは昨年は76億米ドルの売上を達成した。また、求人情報サイトを運営するスタートアップ Glints の調達ラウンドをリードしたり、共同出資したりしている。

新市場への進出は、Workmate が国境を越えてスタッフと契約するために複数のライセンスを取得する必要があることを意味し、PERSOL に売却したもう一つの理由でもある。PERSOL はすでに、香港、インドネシア、シンガポール、韓国、フィリピン、タイ、マレーシア、ベトナム、台湾に進出している。

私にとっては、独立して成長を続け、オフィスを構え、ライセンスを取得するために、どれだけの時間、労力、資本を集めなければならないかということだ。あるいは、PERSOL と手を組むかだ。(中略)もっと簡単に加速できるようになるだけだ。(Ward 氏)

資金調達の冬の時代、会社の成長ニーズがある中で、資金調達に比べ、買収は賢明な選択だとも考えている。

アフターコロナの不安定な情勢は、Workmate のようなアウトソーシング企業の価値を高めている。同社によると、2021年の売上高は、前年の1,200万米ドルから2,200万米ドルにほぼ倍増した。さらに、Ward 氏は、タイとインドネシアでの事業が利益を上げていると述べている。

バーン(資金消費)は、技術、製品開発、そしてプラットフォームの開発で行っている地域投資によるものだけだ。他の企業もフルタイマーを排除し、より柔軟な人材ソリューションを探しているようだ。Workmate を使えば、忙しくなれば増員し、忙しくなければ減員することができる。我々のソリューションに興味を持つ客が増えている。(Ward 氏)

求人情報サイトとは異なり、Workmate では掲載スタッフの法的な雇用主は Workmate である。労働者は、透明性と支払追跡の理由から、通常の仕事と同様にチェックインとチェックアウトをしなければならず、短期と長期の両方で契約することになる。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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