メルカリに元ミクシィ小泉氏が経営参加ーー1日の出品数は1万点、フリマアプリの覇者は誰に

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2013.12.16

「競争を勝ち抜くためには強い経営チームを作りましょう」ーー激しい競争に晒されるトップレベルの戦いには当たり前のように要求される経営課題のひとつだ。

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激しい競争状態にある「フリマアプリ」カテゴリの一角を担うメルカリは12月16日、小泉文明氏の経営陣参加を発表した。

小泉氏は大和証券SMBCにてミクシィやDeNAなどのIPOを担当。その後に参加したミクシィでは取締役CFOとして同社コーポレート部門に貢献し、退任後はスタートアップのエンジェルとして支援を続ける傍ら、先日trippieceの取締役として現場復帰したことでも話題になっていた。

メルカリには役職として就任するわけではないが、小泉氏によれば今後何らかのタイトルが付く可能性はあるということだった。

また、この発表と同時に興味深い数字が公開された。2013年7月のiOSアプリリリース後5カ月で累計出品数は100万点を超え、現在は1日1万点が出品されている状態にあるという。

2014年はスマホシフトによる個人インターネット接続がさらに広がり、こういった個人間取引がより本格化していくことが予想されている。

参入サービスも増えつつあるなか、Frilとメルカリという「2強」の一角はどのような戦略を考えているのか。代表取締役の山田進太郎氏と小泉氏を都内某所で捕まえてショートインタビューに答えてもらった。

脅威のLINEモール、競合との激しい戦いー経営陣の強化は必須

お時間ありがとうございます。まずは経緯と役割ですかね、小泉さんはどういったポジションで協力されるんですか。

山田:事業拡大するなかで、経営幹部の強化は必須です。アドバイザーの石川(元ウノウ副社長、現ワンダープラネット取締役CSOの石川篤氏)がサイバーエージェントの第一号社員ということもあって、企業が大きくなっていく過程を知っているので、問題を先回りして教えてくれたりしています。

小泉さんについては、やりたいことって無限大にあるので周囲を見渡して声かけをしてたんです。CFO的なイメージが強いですが、どちらかというとビジネス全般と広報ですね。攻めの広報。というのもこれまでは開発に集中していて、なかなかその方面は手が付けられていなかったというのが課題だったんです。

小泉さんは確かちょっと前にtrippieceへ参加もされてましたよね。

山田:メルカリでは副業も推奨しているし、そもそも自分自身が個人投資家としてスマートニュースに出資してたりしてますから(兼業は)何も問題ありませんよ。

嵐の前のなんとやら、この界隈で話題なのはもっぱらLINEの参入だ。年内にもスタートするんじゃないかと噂されるLINEモールはフリマアプリ、スモールコマース、スマホ上の個人間取引に関わる全ての事業者にとって脅威以外の何物でもない。

資金的な強化を終えているメルカリが、このタイミングで経営陣を強めるのは正しい選択と思える。質問を小泉氏に向ける。

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小泉さんはフリマアプリというカテゴリをどうみてます?

小泉:オークションとかってコミュニケーション要素が強いじゃないですか。さらに世の中のリソースは有限で、社会貢献的な観点からも個人間取引には興味があった、というのが背景ですね。今、フリマアプリというものが盛り上がりをみせる中、この流れをしっかり掴みたいですし。 例えば20代女性とかミクシィのユーザーと被っている部分も多く、ものすごい普通の人が普通に使っている状況が分かっています。

確かに単なる個人間コマースというよりは売買を通じた新しいスマートフォン・コミュケーションと捉えることも大切な切り口ですね。ところでこのフリマアプリに限らず個人間取引ですが、どのぐらいの規模感にまで成長すると考えてますか?

小泉:LINEが4000万人とかそういうレベルにあるので、そのロジックを当てはめると何がみえてきますよね。

個人間取引を拡大させる要素は「作り込み」にあり

私も年明けはさらにこの個人間取引は伸びると感じているんですが、今後の広報、広告戦略ってどうされます?リーチはやはりマスだと思うのですが。雑誌などへの広告大量投下とかあるんですか?

山田:広告に(大量に)資金を使ってどうこうっていうのはないですね。

一方で、個人間取引はなかなか日本でのハードルも高く、先日取材したクラシファイドのジモティさんのインタビューでも課題を聞いたりしてきました。メルカリとしてはこの個人間取引が大爆発するポイントはどこにあると考えてますか?

山田:先日、他の経営者仲間と話してた時のことです。(メルカリは)他と何が違うのか。何かのきっかけがあってという感じではなく、とにかくプロダクトが大切で、例えば買物するまでの流れとか作り込んでいる。ユーザーがドロップするタイミングを細かく改善したり、個人が取引する際に発生する課題をひとつずつ取り除いているんですね。

利用ユーザーが一般レベルの方々なので、できるだけ敷居を低くすることで利用が進むのは分かります。使う楽しさや安心感みたいな体験も重要ですよね。

山田:ヤフオク!のスモールビジネスをやってる人が全体の半分としても、残り半分は個人な訳です。ユーザーには顔がみえる仕組みになっているし、購入して送られてきてから評価してからお買い上げありがとうございましたっていうコミュニケーションもある。送料込みになりませんかって交渉してる人もいますよ。

小泉:サポートは地味ですが、すごく大切なポイントと考えてますね。

山田氏は会話していていつも思うのはプロダクトへのこだわりだ。経営陣が技術者寄りのメルカリにとってプロダクトを研ぎ澄ますことは必然なのかもしれない。一般のユーザーが分かりやすいインターフェース、堅牢なアプリは広く利用されるコンシューマーサービスにとって命綱になる。小泉氏はあくまで兼業だが、まだ企業がこの段階では妥当な選択だろう。

2014年、激化するであろうフリマアプリ市場は過去の共同購入クーポン戦争を思い出させる。結果として生き残ったのはどこか。

この戦い、勝ち抜くのはどこになるのだろうか。

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Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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