世界を獲るスタートアップになるには — gumi國光宏尚氏が語るサービスを拡大させるのに大事な9つのこと

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スタートアップを立ち上げた起業家を待ち受けているのは順風満帆な道だけではない。数多くの試練や苦難が待ち受けている。

大きなビジョンを掲げ、数多くの試練を乗り越えて、今や世界で勝負するスタートアップとなっている「gumi」。世界を獲ることを目標に、ソーシャルゲームの開発をし、国内外の市場で影響力を発揮している。

株式会社gumiの代表取締役社長、國光宏尚氏が「MOVIDA SCHOOL」で語った、世界で勝負するスタートアップに必要なポイントをまとめた。

自分の考えを発信する

起業するより前から、ブログでインターネットの事情に関して自分の考えを発信していた。内容は当時注目を集めていたFacebookとMyspaceの競争に関することなど。元々IT業界の人間ではなかったが、そのブログがきっかけで、のちに一緒に起業することになるウノウの山田さんや、IT業界の著名人とつながることになった。自分の考えをブログなどのツールを通じて情報発信するのは有効。

コアになるアーリーアダプター層にリーチする

起業当時は、Twitterがアメリカで登場し、注目され始めたときまだPCでの利用がメインだった。これのモバイル版を作ったら世界で勝てると思い、モバイル版SNSのgumiを開発した。ただ当時は利用するユーザがおらず、サービスを広めることに難航した。

ソーシャル系サービスを作る際考えなくてはならないのが、ユーザとのコミュニケーションがコンテンツであること。そのため、ユーザが多ければ楽しいが、ユーザが多くないと楽しくないから人が増えないという、鶏と卵のような問題が必ず関わってくる。これを乗り越えるためには
アーリーアダプターのコミュニティの中でコアになる人気を集め、人やお金を集めて大量にお金を投下してキャズムを超えるというアプローチになる。アーリーアダプターにいかにリーチできるかが決定的に重要になる。

機能の追加はサービスの成長に関係ない

ユーザ獲得することを考えるとき、コミュニティ機能、画像投稿、動画、GPS、リブログ….などなど機能の追加をどんどん考えてしまうようになる。サービスが成長していないと、ついこの対応をしたくなってしまうが、これはサービスの成長に関係ない。今の伸び率で何年後に100万人に到達するのかをしっかりと考える。機能を追加していった延長線上に爆発的なサービスの伸びはない。

ピボットはやむにやまれぬ状況から生まれる

最初モバイル版Twitterとしてスタートしたgumiは、機能追加をしすぎて、Twitterとは離れたサービスになったタイミングで、Facebookがオープン化した。その動きから、自分たちが機能追加していたものはアプリで自分たちのサービスもオープン化して、開発者にアプリを作ってもらおうという方向にシフトした。だが、そもそもユーザ数が少ないためアプリ数は増えなかった。

やむをえず、自分たちでアプリを開発してサービスにのっけていった。そうしているうちにmixiがオープン化して、絶望的な状況かと思ったが、オープン化したmixiに自分たちが作ったアプリを提供するようにしたところヒットした。そのヒットから、アプリやソーシャルゲームを開発する方向にピボットした。このようにピボットは自分の頭で考えて実行するより、追い込まれた結果生まれるものだと思う。

経験したことが無駄になることはない

自分は中国の大学に4年間通って、アメリカに行こうと思ったとき、中国語はもう関係ないと思っていた。アメリカから日本のエンタメ産業で仕事をすることになったとき、英語も関係なくなったと思っていた。映画も1から勉強して4年ほど経った後、IT業界にいってしまったので、もうエンタメ系の知識も必要なくなったと思っていた。

だが、ソーシャルゲームの事業をおこなうようになり、エンタメ系の経験が活きることも多く、海外展開するようになって中国語や英語ができることが大きく役に立っている。経験したことは何が役に立つかはわからないから、たとえ失敗したとしても、それはきっと後々役に立つ。

資金調達について

ベンチャーキャピタルや投資家は、投資するのが仕事。お金を出すのが仕事なのだから、お金を出さないと食べていけない。年間予算は決まっているので、その予算をどのように獲得するか。では、どうして自分たちに出資してもらうようにするのか。

お金を出すときの方向性が二通りある。「この先伸びるジャンル」に関するサービスであるかどうかと、「その起業家が好きか嫌いか」という好みの話し。投資家によってジャンルの好き嫌いはあるので、投資家がこのジャンルが伸びるなと考えているとき、投資検討対象の起業家、つまり自分と一緒に仕事をしたいと思わせられるのかどうか。

何千万、億レベルの投資であれば、投資する側の企業の上層部にプレゼンする必要はない。担当者が上層部へのプレゼンをする。だから、担当者に話を理解してもらって、担当者に自分たちのことをしっかりと上層部に伝えてもらえるようにすることが大事。これはチームにしたい人間を口説くときと一緒。方向性を納得させて、自分のことを気に入ってもらえるかが重要になる。

自分の場合は、ブログが有名だったことも後押しになった。自分がその領域に知識を持っていることの説得力にもつながった。実績、説得力の上積みは必要になる。

スタートアップとマネジメント

会社が成長して、社員数が100人規模を超えるとマネジメントが驚くほど大変になる。会社組織は4階層に分かれる。「社長」「役員」「中間管理職」「スタッフ」。社員数が30、40人までは全員の顔が見えるので、社長一人で対応ができる。だが、100人超えると顔も見えなくなってくるし、社長の考えが伝わらなくなる。

しっかりと社員の心を掴んでおくことが必要になり、そのためには中間管理職が必要になる。だが、スタートアップでは、課長・部長といったポジションの人間はなかなか育たない。いきなり外部から人を引っ張ってくると以前から中にいた社員との間に軋轢が生じる。なんでその人が上にいるのかの納得感が必要。組織の中で実績をつくった人が、その実績によって管理職のポジションにつくことが理想だが、そうなると多少時間がかかる。

社長の仕事は変化する

創業期のスタートアップは、会社の成長のために必要だけど、やる人がいないすべての業務が社長の仕事になる。ある程度会社が成長すると、ヒト・モノ・カネを集めてくることが社長の仕事に。さらに会社が成長すると、未来のビジネスに関するすべてが社長の仕事になる、というように会社の段階によって社長の仕事は変化していく。

産業が成長期の間に1、2位を獲る

すべての産業にいえることで、産業には「導入期」「成長期」「成熟期」の3つのフェーズがある。成長期の間だけ業界の順位が入れ替わる。成熟期に入ると順位の入れ替わりがなくなる。成長期の間に1、2位をとらなきゃダメ。そうしないと生き残れない。みんなが忘れがちなのが、1位は1社だけという事実。成長期の間に、他の企業と比較して圧倒的に勝たないといけない。それを実現するための戦略が必要。

U-NOTEリンク】:スクール当日にライブで記録されたU-NOTEです。合わせてご参照ください。

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