「プロダクト戦略は少量生産のウイスキーメーカーと同じ」——Cerevoがビデオ・スイッチャーLiveWedgeをリリースへ

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

東京のハードウェア・スタートアップ Cerevo に前回会ったのは2012年のことだ。彼らは、誰もが簡単にウェブ上でビデオを放送できるハードウェア「LiveShell Pro」をリリースしようと尽力していた。この大変ニッチなプロダクトは、これまで同社の主な売上を稼いできたが、私は最近、同社 CEO の岩佐琢磨氏が注力していることに興味を持った。

現在、Cerevo は実に多くのプロダクトを手がけている。まもなく発売される、未来志向でインターネット接続可能な電源タップに加え、LiveWedge という全く新しいビデオ・スイッチャーを来月リリースする計画だ。これは同社にとって新たなハードウェア・デバイスで、ビデオ制作者にとっては大きなインパクトとなる可能性を持っている。価格はたった1,000ドルだ。

彼らの HD ビデオスイッチャーは4台のカメラをサポートし(HDMI接続)、どの映像を表示するか、ユーザは無料の iPad アプリを使って簡単に選ぶことができる。簡単なドラッグ・アンド・ドロップ操作で、画面のトランジション効果(ディスソルブ、ワイプ、黒画面へのフェードアウト)やピクチャ・イン・ピクチャも可能だ。岩佐氏は簡単なデモを見せてくれ、私はその操作があまりに簡単であることに驚かされた。

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LiveWedge の iPad アプリを披露してくれた岩佐氏。

彼らの以前のプロダクト LiveShell は、ビデオをインターネット上でライブストリームできるようにするものだ。[1]

LiveWedge にはSDカードを挿入することができ、出力された映像(走査線1080本/秒30フレーム)を録画できるほか、入力に用いる映像や画像を入れておくことができる。

岩佐氏によれば、現在あるビデオ・スイッチャーの多くは大きくて重く、スーツケースで運ばれることが多い。対して LiveWedge はラッブトップのケースや財布にさえ入れることができる。LiveShell Pro を販売する一方、ビデオ・スイッチャーを作ってほしいと頼んでくる顧客が多かったと、岩佐氏は説明した。つまり、このプロダクトには、買ってくれそうな顧客層が既に居るということになる。

Cerevo は現在13人のチームだが、同社のオフィスは小さな3階のスペースにあり、電子部品や文献が天井まで積み上げられている。どこかに、みかん箱もあったと思う。しかし、ハードウェアのニッチかつ重要な需要を把握して、彼らは順調にビジネスを進めるグローバルなハードウェア・メーカーとなっている。岩佐氏は珍しい例えをして、自らのハードウェア戦略を小ロット生産のウイスキーメーカーになぞらえた。

希少なウイスキーやバーボンというのは、本当に熱狂的なファンを持っています。同じように、我々はニッチなプロダクトを作っていますが、世界中のファンと強い関係を持っているのです。我々のプロダクト(戦略)は、十億ドル市場を狙う Panasonic やソニーとは違います。人気のあるニッチなプロダクトを作ること、それが可能なのです。

それとは対照的に、近年ソフトウェア・メーカーは大きな難局にさらされているとも、岩佐氏は指摘した。例えば、インドでリクリーティングのアプリを作るとすれば、その分野には多くの競合が存在する。しかし、ビデオ・ストリーミング・デバイスの LiveShell Pro は、世界的に見ても事実上の競合は一社しか存在しない。[2]

もしオースティンにいるなら、来週、同社はSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に出展するということなので、ぜひ Cerevo のブースを訪れてみてほしい。LiveWedge がリリースされたら、市場にどのように受け入れられるかを楽しみにしている。

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LiveWedge の背面。

  1. Ustream、YouTube Live、もしくは自前サーバをサポートしている。 
  2. 岩佐氏によれば、カナダの Teledek が競合になり得るとのことだ。同社が狙うのはより高価な市場で、テレビ局をターゲットとしている。値段は1,500ドル〜2,000ドルくらいだ。一方、LiveShell Pro は約500ドルと安い。