世界からも注目を集める韓国のスタートアップ・エコシステムについて、知っておくべき5つのこと

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韓国のスタートアップが賑わいを見せており、同国はアジアにおける重要なスタートアップのハブになりつつある。ドットコム・バブル崩壊後、思い切って自社事業を始めた者はほとんどいなかった。しかしながら、いくつかのインターネットポータルとオンラインゲーム会社は低迷を乗り越えいわゆる「ユニコーン(評価額10億ドル以上のスタートアップ)」となり、企業は10億米ドルの価格で評価されてサクセスストーリーの流れを率いてきた。そして、新たな世代のスタートアップが2010年頃に出現し、Rocket Punchの業界マップによると、現在韓国には1000以上のスタートアップが存在している。

韓国政府からの莫大なサポートもスタートアップシーンを活気づけた。朴政権の経営主要戦略「クリエイティブ・エコノミー」は、SamsungやLG、Hyundaiといった確立された企業より主にスタートアップが原動力となる経済を形成する狙いである。政府は2015年度の韓国のスタートアップ支援のために今年度より5.8%増しで、126億米ドルの資金を割り当てた。

詳細をチェックしたい人には Startup Alliance(스타트업 얼라이언스)をおすすめする。スタートアップエコシステムについて学べ、駆け出しの企業とつながりをもてるハブとして機能しているからだ。Startup Allianceは民間企業と政府の未来創造科学部(미래창조과학부)、そしてNaver、Daum、Kakao、SK Planetなどの優れたIT企業、さらには投資会社やスタートアップインキュベータ、スタートアップアクセラレータが共同で行う試みだ。

Startup Allianceのセンター長Jungwook Lim(임정욱)氏は、韓国最大の新聞社である朝鮮日報の記者を経てLycosのCEOを務めた。現在彼は韓国スタートアップエコシステムの命運を左右する役目についている。国内においては民間企業と政府のパイプ役、国外では韓国のスタートアップを海外スタートアップとつなぎ、外国政府が韓国を訪問する際にスタートアップエコシステムを紹介している。最近、彼はAsiaBeat 2014で行われた「The Rising Korean startup ecosystem(成長する韓国のスタートアップエコシステム)」というスピーチの中で以下に紹介する5つのキーポイントを示した。

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1. 旅行者のみならずテック系スタートアップに人気のスポット・カンナム

スタートアップシーンをチェックしにソウルを訪れようと考えているのであれば、カンナムを訪れることをおすすめする。そう、あの有名な曲で知られたカンナムだ。

カンナム区は商業中心地であり、現在スタートアップの中心地になりつつある。ほとんどのアクセラレータ、コワーキングスペース、スタートアップがテヘラン路にあり、相乗効果を作り出している。

D.campとMaru180はスタートアップにはよく知られたコワーキングスペースであり、それぞれ銀行青年創業財団(은행권청년창업재단)とアサンナヌム財団(아산나눔재단=韓国・現代グループの財団)によってローンチされた。アジア初のGoogle Campus とNaverのアクセラレータが2015年カンナムにオープン予定である。

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2. 成功した起業家は今、エンジェル投資家やベンチャーキャピタリストになり始めている

Changseong Ho氏と妻のJiwon Moon氏は2000年に最初の事業を始めたが、上手くは行かなかった。しかし、過去の失敗を振り返りながらクラウドソーシングを活用した字幕作成プラットフォームを提供するVikiを設立した。

同社は、昨年2億米ドルで楽天に買収された。すると両氏は、インタレストベース(興味連動型)のコンテンツサービスを提供する Vingle(빙글)を設立、その後インキュベータを設立し、若い起業家の指導や資金援助のためのアクセラレータプログラムを提供している。

FuturePlayのCEOであるJung-hee Ryu氏は、同社CTOのJason Han氏が自身の会社をKorea Telecomに売却した一方で、OlaworksをIntelに無事売却した。彼らはエンジニアとしての経験を利用してハードウェアエンジニアリングに特化したプログラムを提供するインキュベータのFuturePlayを設立した。

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3. 大企業や一流大学のトップの人材が起業し始めた

KnowRe(クラウド型補助的数学プログラム)の共同設立者は、韓国のエリート大学であるソウル大学、KAIST、ポハン項工科大学出身の数学の天才達である。彼らはベストセラーとなった数学学習本の著者で、韓国最大の私塾・予備校エリアであるテチドン(大峙洞)で活躍している数学講師である。彼らは数学に問題を抱える学生の支援をするため数学の基礎概念をKnowRe(노리)に組み入れ、ソウルとニューヨーク市に本部を設けた。

Goldman Sachsはフードデリバリーアプリの「配達の民族(배달의민족)」で知られるスタートアップ Woowa Brothers(우아한형제들)に3600万米ドルを投資した。Woowa Brothersは2010年にデザイナーのBongjin Kim氏とエンジニアのKwangsoo Kim氏の兄弟2人によって設立された。Bongjin Kim氏は以前、韓国の検索ポータル大手Naverで働いていた。Woowa Brothers は日本に渡り、NaverのメッセージングアプリLINEと共に新たな共同事業 Line Bros. Corp を設立した。彼らは現在 LINE WOW と呼ばれるフードデリバリーサービスを日本で展開している。

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4. 世界から注目を浴びている

カップル向けソーシャルネットワークサービスのBetweenが世界中で1000万ダウンロードを達成した。アプリ開発者のVCNCはユーザの50%は海外からで、主に日本、台湾、東南アジアであると明らかにした。2014年初め、日本のモバイルサービス企業のDeNAが、自社の100万人の日本人ユーザをサポートするため同社に対し戦略的投資を行った。

MemeboxはY Combinatorのプログラム初の韓国系スタートアップであった。同社は5月のDemo Dayへ無事に参加し、Y Combinator Startupsが社内で、2014年度冬季プログラムでのスタートアップトップ3社のうちの1社として彼らを選出したと述べた。Memeboxは中国を含め36ヶ国に配送している。

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5. 海外VCからの出資や買収が増えている

今年、多くの韓国系スタートアップがシリコンバレーのベンチャーキャピタルから相当の資金を調達した。ソーシャルコマース企業のCoupangは1億米ドルをSequoia Capitalから、また、50社ほどで構成される韓国のモバイルメディア事業Yello Mobileは1億米ドルをFormation 8から調達した(時価総額は10億米ドル)。

韓国系スタートアップはシリコンバレーの企業に買収され始めてもいる。モバイル広告テクノロジー・マネタイゼーションプラットフォーム大手のTapjoyは、韓国の分析・マーケティング自動化企業5Rocksを買収した。5Rocksは韓国と日本にいる多くのゲームデベロッパーを顧客に有し、上海にあるTapjoyの子会社を通して中国市場への進出を検討している。

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現在、韓国のスタートアップエコシステムでは好循環が生み出されている。今後の記事では、個々のスタートアップについて詳しく述べていく予定だ。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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