国内「HR Tech」牽引を狙うビズリーチ、人材投資を可視化する「HRMOS(ハーモス)」公開

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MSによるLinkedIn買収という話題の最中、国内でも人材関連テクノロジーに新しい動きがあった。

求人検索やATSなどのHR Tech(ヒューマンリソーステクノロジー)サービスを提供するビズリーチは6月14日、統合型の人事クラウドサービス「HRMOS(ハーモス)」を公開した。また同サービスの推進を目的にセールスフォース・ドットコムとの業務提携も同時に発表している。

なおビズリーチが3月29日に公開した資金調達ラウンドにはセールスフォースのコーボレートベンチャーキャピタル部門であるSalesforce Venturesも参加しており、両社は今回の業務提携と合わせて資本業務提携を締結したとしている。

大型調達の目的:主力の人事クラウドHRMOSとは

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3月末の大型調達時にもアナウンスがあった同社主力の人事クラウドサービスがお目見えした。HRMOSがやれることを一言で説明するならば「人材投資の可視化」となるかもしれない。

人材登用には人材会社や募集告知、縁故紹介といった様々な流入経路があり、そこから面接などの選考を経て採用するのが一般的なフローになっているだろう。HRMOSはこういった流入経路毎の媒体評価や面接した人事担当の評価傾向などをデータ化し、その後の人材の活躍などの状況も把握した上で、総合的な人材投資の評価を可視化するのが狙いだ。

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このような人材領域のサービスをHR Techなどと呼ぶことがあり、米国ではプレーヤーの分類などが進んでいる。本誌でも活躍中のブロガー、鈴木大貴氏に解説してもらったこの記事に詳しいので興味ある方はご一読いただきたい。

国内でも注目集まるHR(ヒューマンリソース)テック「市場成長の理由」を解説します【TBウェビナー】

ではHRMOSは具体的にどの部分を可能にするのだろうか?通常、HR Tech系のサービスは細分化されることが多く、大きくは媒体(応募経路)、採用管理(ATS)、定着や組織管理(タレントマネジメント)の三つに分かれる。

HRMOSはスタート時には採用管理を中心に流入経路についても力を入れる、そういうポジショニングから始めるようだ。

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今日リリースされた「HRMOS採用管理」は求人の作成や進捗管理といった、従来同社がスタンバイで提供してきたスタンバイ・カンパニーと同様のサービスで、その名の通り採用の管理サービスとなる。さらに求人票にはリファーラル採用の考え方が導入されており、社員経由での採用もデータとして管理することができる。この辺りはWantedlyの考え方と同じとみていい。

ビズリーチ「求人検索スタンバイ」が完全無料の理由は「ATS」にありーー採用管理「スタンバイ・カンパニー」を一新

では、採用後の人材パフォーマンスについてはどうだろうか?

ここをしっかり把握することで、どの人材会社が最もパフォーマンスが良いのか、どの媒体経由にコストメリットがあるのか、リファーラル採用は実際使えるのか、こういったことが数値として可視化されることになる。

この点については今後、今年の秋頃を目処に勤怠管理、来年春には人材の評価管理のモジュールを追加するとしている。また、今回、提携を発表しているSalesforceは営業支援ツールであり、ここまで連動させることができれば、さらに具体的な売上等に紐付く人材パフォーマンスも可視化できることになる。

ビズリーチでは今後3年間で2000社の導入を目指すとしている。

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国内「HR Tech」領域の一番手を目指す

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ビズリーチは今回のサービス公開に合わせて記者発表も実施した。同社代表取締役の南壮一郎氏は本誌取材に対してHRMOS立ち上げの経緯をこのように振り返った。

「これまで弊社ではダイレクトリクルーティングを通じて5000社以上のお客様にサービスを提供してきました。その際のお話として、一般的な投資というのは回収があってその結果で次の投資を考えるのに、採用だけは取ったら終わりとなるのはどうしてなんでしょうね、というものがあったんです。

なので、根本的に人材の採用を入社から退社まですべてデータで管理できれば企業の生産性を上げることができるんじゃないか、そう考えていました」。

南氏はこの分野はSAPやオラクルなど企業の基幹システムに関わるプレーヤーが活躍してきた場所であり、これまで同社が提供してきた人材ビジネスとはまた違う相手と勝負をしなければならないとも語っていた。

米国のHR Tech関連サービスは多種多様な企業に対応できるよう、水平分業が進んでいるように思う。一方でビズリーチのアプローチは自社の媒体やスタンバイ等も含め、ATS中心とした垂直統合型に近い。

南氏も今後リリースする勤怠や業務評価に加え、ペイロールなどの周辺領域も視野にいれたプラットフォーム化を進めることで、国内の同分野を牽引したいと語っていた。ただ、この辺りはこれからの導入企業とのコミュニケーションで変わる可能性もある。

国内に突如として現れたHR Techの新星が今後どのように成長するのか、引き続き注目したい。

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