Facebook は本日(12月6日)、Workplace という Facebook の機能とほぼ同じだが社内コミュニケーションに特化したプラットフォームをローンチした。これにより、ビジネス顧客を対象とするチャット戦争がますますヒートアップしている。
企業は Facebook Workplace を SaaS ソリューション、顧客マネジメント(CRM)ソフトウェア、その他業務用に使われている製品やソフトウェアに取り入れることができる。その対象には Salesforce、Google のほかカレンダーアプリ、生産性向上アプリも含まれる。
10月にローンチされた Workplace はかつて、Club Med、Hootsuite、Royal Bank of Scotland など何万という企業ユーザを対象に約2年間のテスト運用が行われた Facebook at Work を前身としている。
Workplace はローンチ後、AirAsia やシンガポールの政府機関など10万を超える新規ユーザを獲得した。
ユーザが Messenger の Workplace 版、Work Chat と呼ばれるサービスにボットを統合できるかという VentureBeat からの質問に対して、同社はコメントを避けた。
Custom Integrations というプラットフォームを使えば、社内の IT チームは自社アプリの制作や、Salesforce、Zendesk その他企業が使用しているアプリなど CRM ソフトウェアとの統合が可能となる。
プラットフォームの当バージョンは Slack App Directory のようなエンタープライズアプリストアを持たないとみられており、カスタマイズアプリの制作や統合作業を行う IT チームのみを対象としている。
このアプリはグループへのコンテンツ投稿やアラート作成、Workplace で社員が目にする通知の管理などができる。
Facebook Workplace を企業がカスタマイズできるという計画が発表されたのは本日(12月6日)ロンドンで開かれた TechCrunch: Disrupt in London での講演ステージだった。
Workplace のディレクターである Julien Codorniou 氏によると、このサービスは企業用のホームページやアイデアが集まる場所として設計されたものであって、決してエンジニアリングチームや幹部向けのみに作られたわけではないという。Codorniou 氏は 1年前、VentureBeat に対し、このプラットフォームはトレーニングを必要としないのでとてもユニークだとも語っていた。
Workplace は、クライアントとのチャットやコラボレーション用途を目指す Slack、HipChat などとは方向性が違うとも彼は述べた。
Codorniou 氏は次のように述べている。
私たちにとって驚きだったのは、社内でのつながりが増えるとますます生産的になるということがわかったことでした。この点、市場にはギャップがあったと思います。どの企業もこの分野に取り組んだことがありませんでした。それこそ、Workplace で私たちが実現したかったことですが、それが可能となったのは毎月18億ものユーザが利用している Facebook に皆が慣れ親しんでいるからです。

Image Credit: Facebook
チームコラボレーション、グループエンタープライズチャット業界では最近、大きな変化がもたらされている。
Microsoft は今秋、自社のエンタープライズボット制作の計画を打ち出し、Yammer と Office を1つにして新たなコラボレーションアプリ Microsoft Teams をローンチした。Slack は有料サービスユーザが100万を超え、IBM の Watson と Microsoft の Bot Framework を統合したほか、Atlassian の HipChat は現在 Alexa で動作するようになっている。
Cisco は月曜日(12月5日)、 同社の Spark エンタープライズチャットサービスについて、来月に大がかりな発表をするとした。
Facebook Workplace の利用料はユーザ数1,000人までは1ユーザあたり月3米ドル。それ以上1万ユーザまでは2米ドルとなり、1万ユーザを超えると1米ドルとなる。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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