
インドとフィリピンに開発センターを持ちアイルランドを拠点とするブロックチェーン対応フィンテックスタートアップの TraXion は、プライベートセールで260万米ドルを調達した。
同社 CEO の Ann Cuisia 氏によると、トークンセールにより同社が「決済、ピアツーピアレンディング、送金、預金、保険、投資、フィランソロピーに対応した頼りになる仮想エコノミーになる」道筋が開かれるという。
2018年5月1日に始まったトークンのプレセールでは、400万米ドルの調達が目標とされた。
日取りは明らかにされていないが、クラウドセール(もしくは ICO)をローンチする計画がある。
2017年に設立された TraXion は、日常的ユーザにとってのインフラ構築に特化している。同社は、IBM の Hyperledger Fabric を活用しつつ消費者、企業、公的機関を仮想対応社会に移行させることを目指すオープンソースのブロックチェーン間台帳プラットフォームを提供している。
提供製品の1つである TraXionWallet は現在、ホワイトレーベルのウォレットソリューションとして使用されている。ここでは非営利団体が集めた資金を支払い用ゲートウェイ経由で指定の銀行口座に振り込むことができる。ユーザはウォレットを使うことで、寄付一覧、データアナリティクスその他レポートを確認することもできる。
起業家精神と投資を原動力とし、非株式組織・非営利団体の Seaman Entrepreneurs Advocacy Center により設立された船員向けコミュニティ Seamanpreneurs Consumer Cooperative(SEACOOP)は TraXion と提携することで、100万人もの船員たちに TraXionWallet を利用できるようにした。
TraXion は、提携により組合と船員による決済、投資、生損保、送金といった会員取引が容易になるとしている。TraXionWallet を活用することで、SEACOOP 会員は低い手数料での取引と迅速な処理時間というメリットを受けられる。
今回の資金調達について Cuisia 氏は次のように述べている。
当社では今後、現地通貨のトークン化により費用ゼロで金融資産を動かしたい企業向けのホワイトレーベル e ウォレットである TraXionWallet、インターオペラビリティ、データインテグリティ、サプライチェーン内の資産追跡を必要としているコングロマリット向けのビジネスソリューションプラットフォームである TraxionChain、良好なガバナンスを目指すワークフローにスマートコントラクトを提供する TraxionContract の開発に注力していきます。
同氏によると、TraXion は商業銀行と張り合う意図はないという。むしろ同社の eWallet は銀行の支店のような機能を果たし、それにより消費者はスマホを活用して様々な商品・サービスにアクセスできるようになるとみられる。
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