バンコクのTalentEx、タイ市場向け日本語人材採用サイト「WakuWaku」を完全リニューアル

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WakuWaku
Image credit: TalentEx

バンコクを拠点に求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx は16日、同社のタイ市場向け日本語人材採用サイト「WakuWaku」をリニューアルしたと発表した。

2013年に設立された TalentEx は、当時日本で先行していた成功報酬型の求人サービスを展開していたリブセンスに似たモデルで、タイ市場向けの人材募集サイト「JobTalents」を同年12月にローンチ。その後、2015年11月に、日本語人材に特化した就職情報サービス「WakuWaku」をローンチした。

WakuWaku は日本語人材に特化していることから想像に易いように、その多くのクライアントはタイに進出している日本企業だ。WakuWaku と連動して、WakuWaku Job Fair を年に2回の頻度でバンコク市内で開催しており、日本語人材を求める日本企業のタイ現法30〜40社と、日本語に長けたタイ人500名ほどをマッチングする、タイ随一の就職支援イベントへと成長した。

今回のリニューアルで、WakuWaku は以前のサイトからドメインも変更され、ユーザが履歴書をアップロードするだけでデータベースへ自動転機する機能、企業が検索上位に自社求人を掲載する機能、などが備わり、UI/UX が大幅に改善されることとなった。将来的には、HR 企業や日本企業の採用部門の RPA などと連携することも視野に入れているようだ。

また、同社は昨年モンスター・ラボやスカイライトコンサルティングと資本提携し、ロシア各地や東欧のエンジニアに日本語教育を行い、日本企業で勤務してもらう事業を開始している(来日就職支援)。これらの事業も、WakuWaku のブランドの下で展開していくになるようで、gTLD に「.world」を採用した理由の一つだとしている。

WakuWaku の「W」のサインをする皆さん。最前列最左が TalentEx CEO の 越陽二郎氏
Image credit: TalentEx

今回、TalentEx の従前のサービスだった JobTalents のウェブサイトも閉じられたので、WakuWaku に完全ピボットを図った形だが、TalentEx の創業者で CEO の越陽二郎氏によれば、事実上のピボットはずっと前、WakuWaku は始まった2015年11月に起こっていたようだ。

(スタートアップを対象とした JobTalents では)市場も小さすぎたし、ユーザであるスタートアップも金無なさ過ぎたし、(創業から)2年目に WakuWaku 始めたときからずっと放置でした。(越氏)

データベースやドメインが相乗りしていた関係で、サービス単独でサイトを閉じることができず、これまで TalentEx のコーポレイトサイトや JobTalents のサイトは開店休業状態が続いていたが、新生 WakuWaku のサーバへ一連のサービスが集約できたことで、晴れて整理がついた、というところだろう。

ダイレクトリクルーティングが良くて、ソーシャルリクルーティングがダメとか、そういうことではなく、初プロダクト(JobTalents)が的はずれだった、というだけですね。でもつくづくビジネスは、モデルじゃなくてオペレーションと市場へのフィットだなと痛感させられます。(越氏)

とはいえ、ブロックチェーンスタートアップの Omise や、4月にシリーズ C ラウンドで資金調達したスタディストをはじめとして、日本のスタートアップや起業家のタイへの進出は勢いを増しており、また、日タイ間のオープンイノベーション活性化にも TalentEx は一役買っている。モンスター・ラボがバンコク市内で運営する Monstar Hub Bangkok もまた、実質的に TalentEx によって運営されており、バンコクを拠点にスタートアップを営む日本人起業家の心の拠り所となっている。

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