韓国のStartup Allianceが9月26〜27日に東京でデモデイを開催、新進気鋭の韓国スタートアップ10社が都内各所で集結

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CC BY-NC 2.0: via Flickr by Snap Man

Startup Alliance(스타트업 얼라이언스)は、2013年7月にソウルで発足した、韓国のスタートアップの世界進出を支援するための NPO だ。韓国政府のイノベーション支援担当省庁である未来創造科学部(미래창조과학부)と連携し、Lycos USA の 元 CEO イム・ジョンウク(임정욱)氏がセンター長を務めている。

Startup Alliance は9月26〜27日、東京都内のスタートアップハブ各所で、韓国スタートアップ10社を集めたデモデイイベントを開催すると発表した。非公開の投資家とのピッチセッションなどを含めると、イベントは数回以上開催される見込み。

以下に来日・登壇予定のスタートアップ10社を紹介する。(各社の都合により、登壇予定は予告無く変更される可能性があります。)

  • Adriel.ai – AI で Google や Facebook、Instagram 上へのデジタル広告出稿支援プラットフォーム。広告が対象とする視聴者層などを入力することにより、適切な画像を使って広告を作り出すことを支援する。これまでに550万米ドルを調達済。創業者の Sophie Soowon Eom(엄수원)氏は Adriel.ai の前、財務データ分析ソフトウェア Solidware を創業し韓国の金融グループ DAILI に売却した連続起業家。シリコンバレーとロンドンに子会社を設立、欧米市場に進出展開中。
  • Morai – 自動運転技術に特化した 3D バーチャルシミュレータ。ドローンや自動運転者向けのシミュレーション環境を提供する。NAVER D2 Startup Factory から資金を調達。
  • Gelato Factory by Gelato Lab – ビッグデータ分析を利用し、人気が出そうなデザインを予測し提案するセルフネイルアートアプリを開発。これまでに590万米ドルを調達。シンガポール進出済
  • V2 by BluePrintLAB – ケータイのデプスカメラにより、2D 画像から 3D 画像に変換する 3D 再構成技術を開発。これを基にしたバーチャル試着アプリは、ユーザの顔の形や大きさなどを正確に捉え、似合いそうなメガネを勧め、AR(拡張現実)によりバーチャルに試着が可能。アメリカやベトナムへの進出を計画中。
  • Brush Monster by Kitten Planet – 幼少期の子供が歯ブラシの仕方を楽しく学べるよう、ハードウェアと AR を使った学習ガイドソフトウェアで構成。韓国のクラウドファンディングサイト Wadiz で目標額の443%調達を達成しており、日本でも Amazon で購入可能。Samsung C-Lab から輩出。
  • Cochlear.ai – ソウル大大学院のオーディオ研究室出身6人が作った聴覚 AI スタートアップ。言葉を含む音声よりも、音にはより多くの情報が埋もれているという信念に基づき、信号処理と深層学習を活用し、音の意味を理解できる技術を開発。例として、近くでクラクションの音がした場合、自動運転車がより安全に注力して走行するようにしたり、雨音がする場合、それに合ったショパンの曲を流したりするシステムを開発。2018年の NVIDIA Inception Award ファイナリスト。これまでに80万米ドルを調達。
  • Gangnam Sister(강남언니)by Healing Paper – 医学専門大学院出身の医師2人が開発した、美容整形外科医の価格比較アプリ。ユーザは自分の正面・横顔を撮影、手術部位、予算、手術法などを入力すると、複数の病院から費用見積を受け取ることができる。正価の最大40%までの割引を受けることも可能。韓国全土1,300軒の美容整形外科医が掲出している。これまでに410万米ドルを調達。
  • クァンダ(콴다、iOS / Android )by Mathpresso – 数学の解き方をイメージで検索する AI テクノロジーを開発。スマートフォンでカメラアプリを立ち上げ、数学の問題の写真を撮影。アプリは OCR 認識によりデータベース内を検索し、段階的な形式で答えを提供する。解答がデータベース内にない場合は、自動的に人間の講師へとつないでくれる。日本進出済。これまでに620万米ドルを調達。→ 関連記事
  • Crowdworks – AI 技術の高度化には、データクレンジングされた大量のデータが必要だが、これまで AI 企業は、こうしたクレンジングなどの前処理に多くの人材と時間を投入してきた。Crowdworks を使えば、クラウドソーシングにより簡単かつ迅速に学習データを生成できる。NAVER、LINE、Samsung、Kakao、SK などを顧客とし、これまでに1年半をかけて3万件のデータを収集、1万2,000人のクラウドワーカーによるノウハウを蓄積してきた。今年3月、日本法人 CWJ を設立し日本市場進出を狙う。
  • Makina Rocks – マシンインテリジェンスを利用した製造工程改善。半導体製造などの製造工程が高度化するにつれ、技術メソッドは複雑かつ数多くなっていくが、これをマシンインテリジェンスにより、早期の不具合発見や不具合原因の検出を可能にし、生産性の向上につなげようというものだ。SK テレコムのデータサイエンティストらにより設立され、韓国では自動車メーカー、アメリカではチップメーカーなどの生産工程への技術適用を目論む。
2017年9月、Startup Alliance が THE BRIDGE X で開催したデモデイ
Image credit: Masaru Ikeda

なお、イベントは以下の通り、複数回開催される予定。参加を希望するイベントにより、エントリ方法が異なる。

  1. 「Mini Demoday with Plug and Play」
    2019年9月26日 午後2時半〜4時半 於:Plug and Play Shibuya(東京・渋谷) → サインアップはここから
  2. 「Startup Pitching Day」
    2019年9月27日 午前10時〜午後1時 於:KaleidoWorks Crossover Lounge(東京・赤坂アークヒルズ) →招待者のみ。

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