「小さなお葬式」運営のユニクエスト、LINEを使いチャットボット回答で〝遺言〟を作成できる「タイムカプセル」をローンチ

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「小さなお葬式」「てらくる」「OHAKO」などを展開するユニクエストは25日、LINE を使って、ユーザ本人が死亡時に遺志を公開できるサービス「タイムカプセル」をローンチした。無料で利用できる。

タイムカプセルは同社が開発する終活支援サービスの一環で、ユーザ周囲の人物が負う心理的・経済的負担を軽減し、「伝えておくべきこと」や「最期の意思」を必要な相手に必要なタイミングで伝えることを支援する。ユーザは予めメッセージを伝えたい相手を LINE の友だちリストから選んでおくと、ユーザの死亡証明書類やそれを提出した申請者の本人確認書類の提出により、ユーザが事前に登録してあったメッセージが開示される。

タイプカプセルでは、ユーザが LINE 上のチャットボットとのやりとりにより簡単に遺言を作成できる。資産・身の回りのこと・延命治療・葬儀・納骨・メッセージなど、遺すべき項目はユーザの希望に応じてカスタマイズ可能だ。タイムカプセルで作成される内容は法的効力をもたないため、ユニクエストでは民法に定める「遺言書」の作成にあたっては、弁護士や司法書士へ相談し公正証書化することを推奨している。

一方、日本では今年7月、遺言書保管法が施行され、法務局での自筆証書遺言の保管が可能になる。遺言書はこれまで自宅や弁護士事務所で保管されていたが、法務局での保管制度利用により、管理コストの削減ができ、紛失や改ざんの心配がなくなる。ユニクエストでは今後、タイムカプセルで入力した情報を元に、自筆証書遺言を作成できる機能の拡充を予定している。

遺言作成を中心とした終活支援サービスはホットなバーティカルな一つだ。死亡したことをタイムラインの起点として、故人が希望したさまざまなサービスへつなぎこむ送客機能の提供が期待できる。

2015年に Y Combinator から輩出された、マイアミ拠点の遺言作成リーガルテックスタートアップ Willing は、これまでに50万世帯に使われ、まもなく生保大手の MetLife による買収が完了する見込み(買収金額は不明)。

一方、日本国内に目を移すと、京都のリーガルテックスタートアップ aBite が昨年11月、iOS アプリ「遺言作成——法律 AI」を公開。2017年にシャットダウンした AmazingLife はかつて「ラストウィッシュ」という生前準備サービスを提供していた。アジアでは、ブルネイの Memori が遺言作成、保険・葬式契約の管理、棺桶の購入、ソーシャルメディアや E メールパスワードを一括管理ができるブロックチェーンベースのプラットフォームを展開している。

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