【5G対決】Appleにとって5G iPhoneの低価格化が唯一の道である理由(1/4)

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Ben Geskin氏とAziz Ghaus氏によるiPhone 12 Proのレンダリング画像
Image Credit: Ben Geskin

控えめに言ってAppleは幅広く誤解を受けている。米国のGDPが4.8%縮小した中で、4月30日にAppleはアナリストのコンセンサス予想を約8%上回り、四半期の前年比収益を奇跡的に増加させたことを発表した。世界的なパンデミックが起こり、ほぼ全ての実店舗を閉鎖したにもかかわらずだ。アナリスト、つまりプロとしてAppleをウォッチしている者は誰一人増益を予測していなかった。「Appleは消える運命にある」という予想はこの1兆ドルの時代には馬鹿げたものとなった。確かに、同社は間違いを犯したり調子が悪かったりするときもあるが、誤ちを修正するための十分な余地(および資金)を持っている。

5G通信技術は、この10年間で重要な変革テクノロジーの1つとなったが、Appleにとって明らかにミスを犯したレアケースとなった。米国および国際的なトップキャリアが2018年後半までに初期の5Gタワーを稼働させるべく急いでいたのに対し、Appleは5GのiPhone第1号を2019年後半に計画した。しかし、主要な携帯電話ベンダーであるIntelが5Gモデムの製造を諦め、Appleは土壇場でトップ5GチップメーカーのQualcommと契約することを余儀なくされ、2020年後半のリリースに向けてSnapdragonモデム搭載のiPhone開発を急ぐことになった。

Appleの財務実績は従来のビジネスロジックに反することが多いため、同社には今後の5G端末の価格設定において選択の余地がないとか、超プレミアムデバイスの購入者のご機嫌をとるだけでは十分な収益を上げることはできないとか言うつもりはない。主要な地域でのさらなるマーケットシェアを犠牲にしてでも、そうする可能性はある。しかし、同社のiPhone事業は収益の半分を占めているので、毎年の収益を安定させるためには、複数の顧客ベース、地域、通貨を考慮した上で複雑な選択をしなければならない。

このことを念頭に置いて、Appleがなぜ5Gを今年のハイエンド機種に限定しないのか、そしてなぜ新モデルを「スタンダードな5G」と「フルスピードの5G」の二択にしようとしているかの理由を説明したい。さらに、少なくとも一部の地域において、同社がミッドレンジの5Gモデルに積極的な価格をつけようとしているという噂を信用する理由についても触れよう。Appleは「手の届く高級」ブランドかもしれないが、今は予算に敏感な消費者から最後の一滴まで絞り取るべき時ではない。最もスマートな戦略は、成長する5G市場の中高価格帯を積極的にカバーすることだろう。(次につづく)

(編集部注:本翻訳記事の原文は5月に掲載されたものです)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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