
こんにちは!BRIDGE編集部の平野です。毎週お送りしているスタートアップニュースのまとめ、先週はAIによる3Dアニメ作成技術に注目が集まりました。
NOT A HOTEL「絶対再現できない」PRストーリー
先週あんまりピンとくる話題なかったので今、BRIDGEのDiscordで書いてるスタートアップPRのコラム転載します。1月13日にミートアップも開催予定(早割中)です!

私、TechCrunch Japanの時代から数えると、多分、スタートアップの方々の取材って2010年ぐらいからなんですが、長年書いてると思い出に残るものってあるんですよね。調達金額の大きさとかもあるんですが、やはりストーリー性あるものが根本的に反応があるというか。それも面白いもので作ったような話題は反応がない。素材そのものがよい、というのは当然なんですが、それ以上に切り口って本当に大事だなと。
思い出すと・・・。けんすうや家入さん、進太郎さん(メルカリ)と小泉さん、光本さん(CASH)などなど他にもたくさんいるんだけど、起業家本人がそもそも切り口作るの上手な人たち。お話が上手いというか、思考回路がちょっと違うんでしょうね。ソラコムとかNOT A HOTEL、Atama+(アタマプラス)みたいにサービスそのものが際立ってるケース、BASEやnoteみたいに「え、それって別に誰でも作れるんじゃ・・」と油断させて作り方が圧倒的に上手、とか。
人、テクノロジー(カッティング・エッジ)、モデル。これは広報PRのテクニックで作れる話じゃないので、スタートアップにそもそも備わってるチカラみたいなものです。これがある会社はスタートアップPRやってても楽しいと思うし、あんまり無理しなくても大丈夫なんですよね。逆に営業・マーケで強引に引っ張るタイプは広報PRあんまりいらないかな。
ただ、経営者の方がこれを持ってるってことを知らないケースって多いんです。つまり切り口を持ってるんだけど、それを知らない。これを引き出すのがスタートアップPRの醍醐味だし、PRパーソンのチカラだと思うわけです。で、今日はその中で最近書いてるっていうのもあるのでNOT A HOTELの話題を。前置き長かった。
実は濱渦さんたちが本当にスタートアップした創業のタイミングの記事って私、書いてないんです。連続起業家の方って大体、どこかのタイミングでお会いしてたりするんですが、彼はちょっと変わっていてリスクマネーを先行投資して成長するタイプじゃなかったんですね。
自主運営にこだわってZOZOグループに入った珍しいタイプなんです。なので、彼がNOT A HOTELを創業した時の記事は岩本くん(ダイヤモンドシグナル)とこが書いててそれを読んだ感じでした。だって、サービスなんもないんですよ。こういう取材依頼ってたまにくるんですが大抵はお断りしてます。サービスないと書けないもん。
そこから1年ぐらいですかね、いよいよサービスローンチのタイミングがきて取材依頼がやってきました。確か、フロントステージの絵美さんとこ経由で紹介してもらって、Clubhouse(懐かしい)で公開取材とかイベントっぽいのもやったかな。
さておき、とにかく濱渦さんの話が面白い。飛んでる。
ただ、ここで冷静に話を整理すると「別荘を使わない時に別の人に貸す」っていうだけなんですね。物件のサブリースは当時、社会問題化していたこともあったし(※かぼちゃの馬車で検索)あとでよくよく考えたらリゾートトラストがやってるモデルじゃないかと。
けどね「ホテルにもなる住宅」「圧倒的な(CGだけど)ビジュアル」「テクノロジーっぽい感じ」という要素と、濱渦さんの存在感ですかね、これが重なった時、ものすごいPRパワーを発揮したんです。もうちょっと考察すると、不動産の投資って人気なので、新しい商品が富裕層インフルエンサーにヒットしたっていうのもソーシャルで伸びた理由のひとつだと思ってます。ちなみにNOT A HOTEL自体は今後、富裕層ビジネスっていう認知(パーセプション)から脱却が課題になると思ってますが。
あと、すごいのは実際に建つまでの1年半、話題を保たせたことです。特にPR的な視点で彼らが良かったのは数字をしっかりと公開したことですね。在庫の40億円分を販売して完売したことを話題にしましたが、これと合わせて資金調達を公表しているんです。かなり神技だなと。調達の話題ってスケジュールが決まってますから、それと完売を合わせるわけです。よくやったな。
そしてなによりNFT会員証ですね。なんていうか、これやったらみんな釣れるだろうっていうのを全部やるわけです。上面ではなく実際に事業として作り込んで釣るわけなのでそれは釣れます。この辺りはどうなんだろう、濱渦さんがもしかしたら全部考えてるのかもしれない。今度聞いて見ます。その実、あんまりなんも考えてなかったりするというのがあるあるなんですけどね。
ということで、こういったスタートアップのPRストーリーをステージに集めるPR Day、1月13日に開催します。早割中です。
今週の調達ニュース
毎週発表されるスタートアップの資金調達やテックトレンドを週単位でまとめてお届けします。今週特に注目を集めた話題は「AnyMind Group、東証グロースに上場へ」でした。国内主要スタートアップ各社の調達ニュースは一覧からどうぞ。
特集:食品のゲノム編集技術

- 食べやすさを追求、野菜摂取量向上を促すPairwise Plants/食品のゲノム編集技術(1)
- 種子をハック、世界で主食穀物の収穫量を増やすInari/食品のゲノム編集技術(2)
- 高オレイン酸大豆油で一躍有名、Calyxtへの期待感/食品のゲノム編集技術(3)
先週のテック特集は食品ゲノム編集関連のスタートアップを3社集めました。特にCRISPR(クラスター化して規則的な配置の短い回文の繰り返し)技術に関連したもので、医療関連ではなくこれを食品に転用しているケースです。食料問題が顕在化しつつある今、どういうアプローチがあるかチェックしてみてください。
時の人:#27 web3時代の小売業、DAO運営実店舗の可能性と課題 〜DeStore大東CEO × ACV唐澤・村上〜
アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)のポッドキャストから、DAO店舗運営という新しいアプローチに挑戦している大東樹生さんをご紹介いたします。Web3の仕組みを活用した買い物体験「DeStore」の取り組みとはどのようなものなのか。アクセンチュアの唐澤さん・村上さんを交えたトークをぜひチェックしてみてください。
その他の話題をタグにまとめた「Canvas【2022年11月号】」はこちらから
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