10期を迎えたKDDI ∞ Labo、最優秀は小口運送を改革する「軽town」に決定

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2016.9.26

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KDDIは9月26日、ヒカリエにて第10期となるKDDI ∞ LaboのDemoDayを開催した。前回発表された通り、プログラムの内容をややアーリーステージ寄りの内容に移行し、より事業性やパートナー連合企業との連携を強化した支援内容に変更した。

30社となったパートナー企業と協力して3カ月のプログラムを終え、オーディエンス賞は「MAMORIO」、最優秀賞に輝いたのは小口運送のマーケットプレース「軽town」となった。以下に各社のプレゼンテーションをまとめる。(見出しはサービス名(社名が違う場合はカッコ内)と代表者名)

軽town(CBcloud)/代表者:松本隆一氏

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小口配送には非効率の課題が多く、ドライバーとのやりとりはファックスで、電話のやりとりは30回に及ぶ。また他の運送会社に依頼することでピラミッド構造が形成され、結果として労働力不足や賃金低下が進んでしまう。こういった小口配送のニーズを担うためのマーケットプレースが軽town。荷主と配送ドライバーを直接つなぎ、設定された依頼に対してドライバーが希望の価格を設定してその仕事にエントリーができる。作業内容はレビューで監視されるので質も担保されるようになっている。Googleが支援した。

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Runtrip(ラントリップ)/代表者:大森英一郎氏

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ランナー向けにランニングのコースを提案するサービス。現地ランナーとの出会いや交流までできるコミュニティを目指している。また自分のお気に入りのコースも投稿が可能で、コースを通じたコミュニケーションを可能にしている。走りたい道をストックできたり、一緒に走る仲間を見つけることができる。

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また、ランに必要な温泉やKDDIのRunPitと連携したり、近畿日本ツーリストと提携して温泉宿をランピットとして楽しめるツアーなどを企画した。支援はKDDIが務めた。

Spoch(SPLYZA)/代表者:土井寛之氏

Spochはプロやアマチュアのスポーツを動画で撮影し、そこにコメントをつけることで改善点等を指摘しあえるクローズドのチーム強化サービス。創業者の土井氏はウィンドサーフィンにハマり、プロを目指すべく会社を辞めてオーストラリアに渡って練習したが楽しくなかった。お互いのアドバイスが上手くなる源だと気がつき、これがサービス開発のきっかけとなった。

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動画はコマ送りできる他、動画の上にコメントを付けたり、動画のシーンにタグ付けができるので、どのシーンを改善すべきか検索が素早くできるのも特徴。支援はTOPPAN、SOFTFRONT、Microsoftの3社が務め、支援プログラム期間中に100組近くの申し込みを獲得している。本日リリース。

isaax(XSHELL)/代表者:瀬戸山七海氏

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Internet of Thingsは今後の成長市場。一方で開発には大きなコストと人員不足が課題になっている。IoTの標準化団体では19項目に渡る技術力を要求しているが、それを実現できる開発者は非常に少ない。isaaxではこのソフトウェア開発、デバイスのファームウェアアップデートなどの管理までを一括で管理できるプラットフォームになっている。また、基本的なプログラム言語を扱えればこのプラットフォームを利用できるので、開発者の課題も解消しやすい。支援はKDDIが担当した。

Voicy/代表者:緒方憲太郎

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Voicy は提携する複数のニュースソースからの記事をクラウドソースされた複数のパーソナリティが読み上げ楽しむことができる新感覚のニュースアプリ。リスナーは好きなパーソナリティをフォローすることで、自分の耳に合ったパーソナリティによる番組を楽しむことができる。

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KDDIのプログラムでは5月に採択された際にはコンセプトしかなく、このプログラムでサービスを完成させた。支援はSupershipおよびMicrosoftの両者が務めた。詳細についてはこちらの記事を参照されたい。

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AXELGLOBE(アクセルスペース)/代表者:中村友哉氏

アクセルスペースはJAXAから小型衛星の受託を受けた企業で1500万以上の衛星写真の撮影に成功している。50基の衛星を活用することで、世界中のあらゆる場所を観測できる。この膨大なデータを人工知能などで解析し、あらゆるビジネスに活用しようというのがAXELGLOBE。

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データプラットフォームとして提供し、例えば農業向けの保険サービスでは保険会社に今年の収穫情報を提供、農家には刈り取り時期の提示などを可能とする。パートナー企業との提携ではアマナとは衛星画像の販売、プロモーション映像の提供、アマゾンウェブサービスとはビッグデータの管理手法についての検討を開始、三井不動産とはリゾート施設の管理サービス、三井物産とは森林管理の実証実験を開始している。

Paditch(笑農和)/代表者:下村豪徳氏

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富山の笑農和が提供するPaditchは米農業の生産過程でもっとも重要となる水の調整を可能にするネット接続型の水門サービス。水管理は毎日実施しなければならず、100箇所あればそれだけ実施しなければならない。深夜・早朝関わらず、車で田んぼにいき、板を抜いたり入れたりすることが必要。また小動物が板に穴をあけて問題になることもある。

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Paditchはネット接続型の水門で、田んぼの水を入れる箇所に設置することで、6時間かかっていた水の管理が0時間となり、小動物による穴あけ問題も解消できる。56万枚の田んぼに対して提供が可能で、富山県で1000箇所へのテスト導入を開始する。スマート水田化することで今後やってくる大規模農業の省力化を実現できるとしている。XactiとTOPPANの両者が支援を担当した。

RoomCoリビングスタイル)/井上俊宏氏

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家具の問題は部屋との相性とサイズにある。RoomCoはスマートフォンアプリで実際に住んでいる実際の家具を並べてみてシミュレーションすることができるアプリ。スマホのカメラを通じて自宅の部屋を写しながら、AR(拡張現実)的に家具を仮想的に配置ができる。運営するリビングスタイルは無印良品などの3D家具データを20ブランド、90万点持っており、それを活用してインテリアのレイアウトを自由に試すことができる。

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また、部屋の図面に合わせてサイズを最適化する機能もあり、新居など入居できない場合にも実際のサイズで家具の配置をシミュレーションすることが可能となる。支援はKDDIが担当した。

MaMORIO/代表者:増木大己氏

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MAMORIOは短距離無線通信、Bluetoothを使った小さなタグで、クラウドネットワークも活用した落し物防止のタグ。他のユーザーがすれ違うとその場所を特定できる仕組みが特許を持っている。ネットワークも広がっており、23区でのネットワークも拡大している。今回の支援プログラムで年間1000円支払うことで保障が受けられる保険プランを提供開始する。クレディセゾンとSOFTFRONTの両者が支援を担当した。

traveltech(トラベルテックラボ)/芝先 恵介氏

訪日外国人はSIMカードの利用が強いニーズになっており、またインバウンドの訪日旅行者の政府目標は4000万人とチャンスが大きい。traveltechはSORACOMと提携してSIMカードを提供し、専用アプリで追加の容量を購入できたり、利用状況を確認することができるサービス。

また、観光スポットを巡ることで追加の通信量をもらえるtraveltech Spotというサービスも提供する。観光などの事業者側はtraveltech ADという広告提供サービスを通じてマーケティング施策を提供することが可能となる。将来的にはSIMカードの無料化も検討している。

Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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