アジア向けインフルエンサーマーケティング運用基盤の「Withfluence」、タイ通信大手Trueと提携——在タイ大使館やJETRO支援のピッチが契機に

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29日、バンコクの在タイ日本大使公邸で執り行われた調印式から
前列左から:岡本博之氏(ウィズフルエンス CEO)、Teerapon Tanomsakyut 氏(Chief Innovation and Sustainability Officer, True)
後列左から:三又 裕生氏(JETRO バンコク事務所長)、佐渡島志郎氏(タイ駐箚特命全権大使)、Achaka Sriboonruang 氏(タイ科学技術大臣)、Adhiruth Thothaveesansuk 氏(True 共同社長兼グループ COO)
撮影:田中文章氏

東京・バンコク・シンガポールを拠点に、アジア市場向けインフルエンサー・マーケティングのマネージメント・プラットフォーム「Withfluence(ウィズフルエンス)」を展開するウィズフルエンスは29日、タイ国内2位の通信大手 True と業務提携の基本合意書を締結した。

ウィズフルエンスは、ベトナムでメディアや広告会社を営んでいた岡本博之氏(現 CEO)と、訪日外国人向けのウェブサービスや翻訳アプリを開発していた本間圭一氏(現 CTO)が2016年5月に設立。ウィズフルエンスを立ち上げる以前は、岡本氏と本間氏は、タイを拠点に〝アジア版 Shopify〟のようなインスタント EC のプラットフォームを開発していたが、Open Network Lab の第12期アクセラレータプログラムへの参加を経てピボットし、昨年8月に Withfluence をローンチした。

今回の業務提携により包含されるのは、True のエンターテイメント部門 True Music 所属の女優・俳優・タレント・歌手へのソーシャルメディア上でのインフルエンサーとしての活動機会の提供、彼らを起用したタイ国外の企業からのプロモーション依頼を簡便化するしくみの開発、コグニティブコンピューティングを活用したインフルエンサーとプロモーション依頼企業(広告主)とのマッチング最適化、Withfluence と True 両社の経営資源を生かした東南アジアにおけるソーシャルメディアマーケティング事業の連携および共同サービス開発と提供、となっている。

今回の業務提携は、昨年9月に在タイ大使館や JETRO バンコク事務所などが主導して開催された「Embassy Pitch」への参加や、その流れを受けた官民連携促進団体日タイイノベーションサポートネットワーク(JTIS)での活動が契機となった(岡本氏は JTIS の理事を務めている)。この提携は True の投資・イノベーション部門である True Incube を通じて行われ、29日に調印式に在タイ日本大使公邸で執り行われた調印式には、岡本氏や True 経営陣のほか、タイ駐箚特命全権大使の佐渡島志郎氏、タイ科学技術省大臣の Atchaka Sibunruang 氏らが同席した。

以下は、岡本氏のコメントである(一部抜粋)。

タイ政府は官民一体となり、〝デジタルエコノミー政策〟を掲げて東南アジアのハブになることを目指しています。テレビチャンネルを持つTrueは、東南アジアのエンターテイメントビジネスにおいて我々の強力なパートナーとなると考えています。また我々としても、Trueから期待されている、日本を含む他のアジア諸国への True の事業展開を支援していく所存です。

Withfluence は現在、日本語、英語、タイ語、ベトナム語、繁体中文(台湾および香港向け)でサービスを提供している。今回の True との業務提携を機に資金調達や営業拡大を進め、アジアの他の市場の進出にも注力するようだ。

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