スタートアップは自国と海外、どちらでローンチすべきか?

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

ここ数ヶ月で話をしたファウンダーや友人が共通して頭を悩ませる問題がある。それはスタートアップの立ち上げを自国で行うか、もしくは海外で注目を集めた後に自国に持って帰るかだ。市場が特定できているスタートアップのファウンダーにとって答えは明確だろうが、世界中で適応できるプロダクトの場合、自国で注目を集めてから外に出た方が良いのだろうか?

ReadWriteWebは、「Home Sweet Home: Entrepreneurs’ Location Choices and the Performance of Their Venture」と題されたデンマークの研究について書いている。ファウンダーが自分のプロダクトをローンチした場所に長く住んでいる程、成功する傾向があるとされている。ただし、ファウンダーが地元に留まる事が必須だと言っている訳ではない。地元以外の人でも、マーケットを良く理解していれば成功するスタートアップを立ち上げる事が可能だからだ。

1995年から2004年まで9年間に及ぶ研究によると、ファウンダーがスタートアップをローンチした街や地域に1年間滞在するごとに失敗率が2%減少し、1300米ドル多くの利益を生む事が分かった。6.4年間同じ街に留まった人の失敗率は、それ以下の人より9%も低い。

数字は別として、これは非常に単純な事に思える。長く特定のマーケットに滞在するほど、現地の消費者行動をより理解できる傾向にあり、よって会社にとって有益なアドバンテージを取れる確率も上がるのだから。

それだけでなく、地元に密着する事で企業に必要なネットワークの構築やマーケットを拡大し、企業の成長に必要なリソースへのアクセスに繋がる。もちろん、地元の消費者の心を掴む事もできる。

しかし、研究に参加した2人の内一人であるOlav Sorenson教授は、RWWに対し、ベンチャーキャピタルに出会い、彼らが運営を移動させるように進言してきたらファウンダーはそのアドバイスに従った方が良いと言う。何故ならVCはスタートアップにとって必要なネットワーク、コンタクトやリソースへアクセスできるからである。

もちろんこれらは義務ではないが、VCや投資家は彼らのポートフォリオの企業、少なくともそれらの企業のファウンダーが良いアクセスや議論を可能とする為に物理的に近い位置にいる事を望むであろう。いくら長距離でのコミュニケーションがテクノロジーにより可能となったと言え、対面でのミーティングに勝るものはない。

残念な事にRWWの記事では、ファウンダーが移動した方が良いか悪いか混ざった結論を出している。もちろん正しい答えというものは無く、それぞれの状況や境遇に応じて個別のメリットを考慮した上で意思決定をすべきだが、この研究の結果は無視すべきではない。経験、市場知識、コンタクトと人間関係、ビジネスをつくる為に必要な要素を構築するのには長い時間を要し、この研究はそれを裏付ける。

地元でローンチする事がスタートアップにとって必要であるというわけではないが、地元であれ違う場所であれ、企業を立ち上げようと計画する地域でファウンダーが長い時間を過ごす事で、より良い結果が得られ事を表している。

【via DailySocial】 @DailySocial

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