昨年9月、Startup Sauna Tokyo のピッチコンテストで優勝したスタートアップ「BrandPit」について取り上げた。BrandPit は、ブランドが自社のファンのことをより理解するためのアナリティクス・ツールで、テキストやキーワード分析の代わりに画像認識技術を利用している。
現在の彼らのフォーカスは、Instagram で共有された画像を使った分析で、Facebook や Twitter でも同様の分析を行っている。ソーシャル共有された画像の中からブランドのロゴを検知することで、BrandPit を利用する企業は、誰がファンで影響力のある人物かなど貴重な洞察を得られるほか、ブランドのアクティビティに関する地理的分布を見ることもできる。このようにして、言葉の違いやスパムなど、キーワード分析に関わる多くの問題を BrandPit は解決しようとしている。
先週、東京で開催された Echelon のサテライト・イベントで、BrandPit の創業者 T T Chu(上記ビデオの人物)と話をする機会があった。[1]
彼は、BrandPit が将来、ブランドへの価値を拡大すべく、画像認識技術のスコープを拡大する計画だと語ってくれた。
ロゴ、ブランド、製品以外のものも検出するようにしたいと思っています。まわりの環境や製品のまわりに映り込んでいるモノなど、写真の中に含まれる他の情報についても、認識できるようにしたいと思っています。このような周辺情報を得ることで、その製品が使われたり消費されたりしている場の状況を、より的確に捉えることができます。この種の情報は、客層を特定する上で極めて重要です。
BrandPit の画像認識技術は社内開発によるもので(主に T T Chu 自身の手によるもの)、ユーザ生成の画像に適用されたときによい結果を生み出せることが、最大のアドバンテージの一つだ。つまり、画像が暗かったり、他のモノが映り込んで邪魔していたり、小さ過ぎたりしても、他の技術なら検出できないものを BrandPit なら検出できるのだ。
T T Chu によれば、場の状況を把握するため、画像に映り込んでいる周辺物を検出する場合、驚くべきことに、彼の技術を使えば、ワイングラスなどコントラストの弱い物体でも検出できるのだそうだ。
BrandPit は次のレベルに進むべく、現在、資金を調達中だ。ビジネス・アナリティクス市場のサイズや成長の状況から言って、彼らには競合が多くないため、BrandPit についてよいニュースをお伝えできるのは、そう遠い先のことではないだろう。
- お恥ずかしいことに、私は今回再会するまで、どこで彼を知ったかよく覚えていなかった。 ↩
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