福利厚生としてオンラインカウンセリングの可能性、ボイスマルシェが6000万円の資金調達

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女性向けのオンラインカウンセリング「ボイスマルシェ」を提供するバーニャカウダは11月1日、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三生キャピタルが運営するファンドを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達した資金は総額6,000万円で払込日や株式比率などの詳細は非公開。同社は調達した資金でサービス強化と企業向けの福利厚生サービスの営業強化を進めるとしている。

ボイスマルシェは2012年3月の開始以降、順調に参加カウンセラーの数を増やし、4年半経過した現在で500名ほどのカウンセリングプラットフォームに拡大している。同社代表取締役の古川亮氏によれば、利用ユーザー数は非公開ながら、利用したカウンセリングの体験談が約3900件ほどアップされていると状況を説明してくれた。

こういったC2Cに近い領域での個人間サービス提供は学習領域でストリートアカデミーや、ボイスマルシェ同様の相談やカウンセリングなどでココナラが事業拡大を続けており、そしてつい最近ではクラウドソーシングのクラウドワークスがWoWme(ワオミー)を`11月中旬に開始するなど注目が集まりつつある。

古川氏に「女性」に特化することで分かりやすさを提供しているが、その一方で市場性や事業拡大の可能性を狭めているのではないかと尋ねたところ、将来的な男性向けサービスも想定していると回答してくれた。

「特化型と言いましてもボイスマルシェは20歳以上の女性をターゲットにしておりますので、全人口の40%近くがターゲットであることとまた時期は未定ですが男性向けのカウンセリング提供も想定しています」(古川氏)。

古川氏の説明では110分で2万4,000円という高単価の商品にもニーズがあることから今後、こういった利用特性をうまく捉えて事業拡大を進めるそうだ。

また、B2B領域についても今回、出資側となったファンドは各社ともに銀行系、生命保険系とボイスマルシェを利用したい顧客層を持つということで投資ラウンドに参加することとなったようだ。

「従来のB2C領域で利用者の伸びとマネタイズが見えてきている点を評価してもらったと同時に、実際にユーザーとして利用する場合の品質に対して、高評価を頂いた(結果、出資に繋がった)と考えています」(古川氏)。

通常であれば銀行や生保系のファンドはやや後ろのラウンドに参加する印象があったが、ボイスマルシェについてはそういう意味で相性がよかったということなのかもしれない。

社会が複雑になるに従い、女性の働き方や生き方、子供との向き合い方はどんどん多様化している。働けるのに働けない、家族を持ちたいのに持てないなど、解決策が見出せないまま時間ばかり進んでしまうことも多い。特に優秀な女性人材が出産や子育てといった人生の岐路で犠牲になるのはシンプルにもったいない。

託児やカウンセリングを会社独自で用意することはそうそう簡単ではないだろうが、こういったサービスで補完することができるのであれば、優秀な人材を必要とする(特に新興のネット、IT系)企業などにも導入が進む可能性がある。

いずれにせよ、オンラインで多くの課題が解決できる時代になったものだ。

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