東京都の「TOKYO STARTUP GATEWAY」、第5期デモデイを開催——ペット業界にトークンエコノミーを導入する「parnovi」が最優秀賞に

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左から:東京都知事 小池百合子氏、審査員の各務茂夫氏、最優秀賞を獲得した遠藤玲希央氏
Image credit: Tokyo Startup Gateway / ETIC.

Tokyo Startup Gateway(TSG)は、若く起業家精神に満ちた人々と、テクノロジー、通信、交通、食料、環境などのジャンルで、世界的なインパクトをもって社会に貢献できるスタートアップのビジネスコンセプトを紹介するイベントだ。12月1日、その決勝ファイナルが東京タワー近くにある STAR RISE TOWER で開催された。

TSG は今年のテーマを「THE GAME CHANGER ARISES. 起動セヨ。遊ビダセ。」と設定した。起業家からのビジネスコンセプトプランは2018年5月から受け付けられ、1,229件を超える応募があった。数回の選抜を」へて候補者が絞り込まれ、最終的に10名のファイナリストがこの日、決勝ファイナルに登壇しピッチした。

今回、受賞者を決める最終審査を行った4人の審査員は次の方々。

  • 東京大学 教授/産学協創推進本部イノベーション推進部長 各務茂夫氏
  • アクセルスペース 代表取締役CEO 中村友哉氏
  • meleap CEO 福田浩士氏
  • Waris 共同代表 米倉史夏氏

加えて、東京都知事の小池百合子氏もイベントに駆けつけた。

Image credit: Tokyo Startup Gateway / ETIC.

最優秀賞は、トークンエコノミーを導入することで、ペット業界でビジネスと倫理を両立させるアイデア「parnovi(ぱるのび)」を提案した遠藤玲希央氏が獲得した。遠藤氏は、審査員ではなくイベントに参加した700名あまりの聴衆の投票によるオーディエンス賞も獲得した。

遠藤氏は東京大学獣医学科内科研究室に籍を置く学生だ。トークンエコノミーを基盤としたペット系の口コミ情報プラットフォーム「parnovi」を企画・考案している。日本国内のペット関連サービス、店舗(ペットショップ、おもちゃ、ペットホテル、獣医など)の検索、ユーザレビューができるポータルサイトを構築し、サービスやレビューを投稿したユーザは独自通貨を受け取れるというもの。

実際に、一部のレストランレビューサイトなどでは、そのビジネスモデルから必ずしも中立的でない情報が提供されたり、ユーザ視点の評価機能が不十分であったりする問題も存在する。幼い頃から動物と触れ合う機会の多かった遠藤氏は獣医師になる道を目指し、彼の目の前にある社会問題をトークンエコノミーの力を使って解決しようとする姿勢が評価された。

<参考文献>

他の受賞者やファイナリストは次の通り。

Image credit: Tokyo Startup Gateway / ETIC.

【優秀賞】

  • 清水章矢氏  10分1,000円からの治療をしない予防歯科 Hakara
  • 丸山亜由美氏 アート&’デザインからワクワクできるヘルスケアをつくろう

【オーディエンス賞】

  • 清水章矢氏  10分1,000円からの治療をしない予防歯科 Hakara
  • 遠藤玲希央氏 トークンエコノミーでペット業界からビジネスと倫理を両立させる

【他のファイナリスト】

  • 伊勢川暁氏  AIで会議を短く創造的にする「minmeeting」
  • 稲葉可奈子氏 「子どもをのぞんでいる人が産める」当たり前のことが当たり前な世の中に!
  • 加藤洋平氏  もっと手軽にもっと美味しく!280年ぶりの「日本茶」革命
  • 齋藤佳奈氏  日本の衰退する伝統楽器「三味線」をCOOL JAPANへ!
  • 田ヶ原絵里氏 食べられないものがある31億人の外食を救うスマホオーダーアプリ
  • 東使勇樹氏  その方らしさに、深く寄り添った当て字の贈り物
  • 樋口雅範氏  次世代の教育インフラの構築による、教育格差の改善
Image credit: Tokyo Startup Gateway / ETIC.

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